; 令和元年度 おはなし会 報告
2学期末恒例の図書館行事として定着してきた「おはなし会」。今年度も終業式終了後の放課後、素敵なひとときを過ごせました。
日時 : 12月23日(月)
場所 : 図書館閲覧室
語り手 : 細川 律子さん
内容 : 岩手の自然の紹介
「注文の多い料理店」序
童話「セロ弾きのゴーシュ」
詩 「永訣の朝」「稲作挿話」「雨ニモマケズ」など
参加者 : 30名
*参加者感想より
・「永訣の朝」は授業で読んだことがあったけど、今回また聞いて、前よりも世界観の理解が深まった気がします。これをきっかけに宮沢賢治の作品をもっと読んでみたくなりました。
・宮沢賢治さんの本は、知っていたけど今まであまり触れてきませんでした。今回のお話し会で、宮沢賢治さんの優しさ、自然との一体感を強く感じました。中でも、「稲作挿話」と「永訣の朝」は心に刺さるものがあるなと思いました。最近あまり本を読んでいなかったけど、また読みたいなと思いました。
日時 : 12月21日(金)
場所 : 図書館閲覧室
語り手 : 本田 和さん
内容 : 中原中也 「汚れっちまった悲しみに・・・」「サーカス」他
怪談 「雪女」「耳無し芳一」
参加者 : 1年 10名 2年 12名
生徒 計23名 + 職員 7名
*参加者感想より
・中原中也の生涯の解説では詩作の背景など知識が得られてよかった。
・教科書で目にした詩とは違う味わいがあった。
・BGMつきの怪談はリアルでぞっとした。
・文字とは違う文学の楽しみ方もあることがわかった。
・作者の人生を知り、想像しながらリズムを感じて聞くと詩もよいものだ。
平成29年度「おはなし会」開催
・日 時 平成29年12月22日(金)15:45~17:20
・参加人数 43名
・場 所 図書館
終業式が終わった放課後、図書館で「おはなし会」が行われました。
今年度は、二年ぶりに細川律子さんに語り手をお願い致しました。
岩手県出身の細川先生は、1977年から石川県在住で、家庭文庫を主催しながら朗読や創作活動を続けていらっしゃいます。
当日は、東北地方になじみの薄い私たちにも理解が深まるようにとの、岩手県の自然などの掲示物もまじえた丁寧なご説明の後、宮沢賢治の童話「セロ弾きのゴーシュ」、と詩「永訣の朝」他数編を読んでいただきました。
*生徒感想より
- すでに知っている「セロ弾きのゴーシュ」も、本場の方言で声を通して聞くと違った味わいがあった。賢治の妹や故郷についても勉強になった。
- 現代文の授業で習ったばかりの「永訣の朝」のイメージをより鮮明にすることができた。
- 穏やかで分かりやすい口調で、感情移入しながら物語を楽しむことができた。
- 宮沢賢治特有の、素朴な詩の世界観に惹かれるものを感じた。
- ネコとか、かっこうとか、細かい声色の使い分けが上手で驚いた。
- 「雲の信号」と「高原」の詩はまるで東北の雄大な自然が目に浮かぶようで圧倒された。「永訣の朝」も岩手の方の朗読で聞くことができ、さらに美しい世界に触れられた。素敵な時間だった。
- ゆったりとした気持ちになれた。
- 農業関連の道を志望する自分としては賢治のように直接生産者と関連する立ち位置になりたいと思った。
平成28年度「おはなし会」がありました
・日 時 平成28年12月22日(木)15:40~17:00
・参加人数 30名(1年14名 2年16名)
・場 所 図書館
終業式が終わった放課後、図書館で「おはなし会」が行われました。
今年度は、一昨年もお願いした本田 和(ほんだ かず)さんを語り手としてお招きし、茨木のり子の詩、童話「狐の窓」の二つの「語り」をしていただきました。
前半は、茨木のり子の人となりを紹介しながら代表的な詩を語っていく構成で、彼女の思いがすっと心に入っていくものでした。また、後半の童話は、感情込めて語っていただき、情景が目に浮かぶようでした。
我々は最近、文章を黙読したり映像で見たりすることばかりで、耳から詩や物語に触れることがほとんどありません。忙しい俗世から離れて、異空間に浸ることができた素晴らしい体験でした。
(参加者の感想)
- 本の朗読を聞くというのは、久しぶりのことだったので、とても新鮮でした。一番思ったことは、朗読は本を読み返すように後戻りができないということです。しかし、その分、紡ぎだされる一言一言を、しっかり受けとめて味わうことができたと思います。また、間の取り方や抑揚など朗読でしか感じられない方法によって、黙読している時よりも深く本の世界に入り込むことができました。
- 茨木のり子さんの詩は、とても心に突き刺さるような詩でした。でも、優しい刺さり方で、自分と照らし合わせて考えることができました。
- 初めて朗読を聞き、初めて知る詩人・作家の作品と触れ合うことができ、大変濃い内容だったと感じました。私は、特に「狐の窓」の不思議な雰囲気と話しに合わせた本田さんの動作に釘づけになりました。
平成27年度 おはなし会
・日 時 平成27年12月22日(火)13:00~14:00
・参加人数 20名
・場 所 図書館閲覧室
終業式の日の午後、図書館で年内最後の行事「おはなし会」を実施しました。話し手は、一昨年もお願いした細川律子さんです。細川さんは宮沢賢治の故郷である岩手県のご出身で、現在は、石川県内の自宅で家庭文庫を開き、子どもたちと一緒に物語を楽しんでいらっしゃいます。
朗読していただいた作品は、賢治の童話「鹿踊りのはじまり」と詩数編です。「鹿踊りのはじまり」は、岩手弁で書かれていて、細川さんの本場の「語り」に、参加者はまるで岩手にいてお話しを聞いているかのような気持ちになりました。
映像中心の現代、耳だけを頼りにイメージするということをしなくなりました。今回、集まった生徒は、語られる物語世界の豊かなイメージについていこうとしましたが、なかなか想像の翼を広げるのは難しいということを実感したようです。「聞くことにはスキルがいる」。それを今回理解できたことが一番の収穫だったのではないでしょうか。
(参加者の感想)
- 聞いた言葉から、ススキの揺れている感じや鹿たちの仲のよさをイメージすることができて楽しかったです。絵本の絵でなく自分の持っている言葉に対するイメージで物語を楽しむことができました。
- 先生の優しい声がとても心地よく、賢治の世界をよく表現していると思いました。
- 「永訣の朝」は今年授業でやったので、より心情が伝わった。方言が共通語と異なったイメージを伝えていた。
- 岩手のなまりで聞くのははじめてだけど、なまりがあるほうがいいと思った。
- 朗読は自分で黙読するのとは違うということを、今回とても感じることができた。
- 朗読は読む側も聴く側も大変なのだと改めて思った。
(15:30~17:00)
・参加人数 23名
・場 所 図書館
主に童話や詩を「聴く」ことを目的としている会ですが、今年は語り手として本田和さんをお招きし、「耳なし芳一」(作者不詳)、「祭の晩」(宮沢賢治)、「蜘蛛の糸」(芥川龍之介)の3本について紹介していただきました。
本田さんは普段、夏目漱石、宮沢賢治、室生犀星、谷川俊太郎らの物語や詩、さらに和洋の民話等を主にひとり語りで表現していらっしゃいます。
同書を「読んだ」ことがある生徒にとっても、「聴く」ことによってこれまでとは全く異なる印象を持ったということでした。