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学校日誌

錦高日記7月22日(水)Ⅰ ~第1回錦丘ラウンドテーブル開催~

 昨日の放課後、4F物理講義室を会場として、『錦丘ラウンドテーブル』と称した、予め設定されたテーマについて皆が自由に意見を出し合い共有する会が行われました。会場には、生徒約40名と本校教員8名が集まり(放送部の皆さんが会の様子をカメラに収めていました。)、「これからの授業」をテーマとしてディスカッションを行いました。

 まず、会の発案者である3年生の片岡鈴々さんから、この会の開催を皆に呼びかけた熱い思いなどが参加者に語られ、①議論中、誰に対しても敬語は一切使わないこと ②グループの全員が平等に話し合いに参加できるようお互いに配慮しあうこと ③議論中に「でも」などという他人の意見を否定する言葉は決して使わないこと などの会のルールが共有された後、グループ毎に自由なディスカッションが始まっていきました。3年生のグループリーダーたちが司会を行い、自己紹介、これまでの学びの中での好きな授業とその理由、好ましい授業の共通点を挙げるなどして、生徒と教員の双方が望む授業のやり方についてお互いの考えが深められるよう導いていき、最後に、意見を述べ合った仲間たちとエアハイタッチをして締めくくりました。その後、各グループで出た意見や考えを模造紙に書くことによって全体で共有していきました。参加の生徒にも教員にもたくさんの笑顔が見られ、お互いに良い時間を過ごすことができたのだと確信しています。

 次回のテーマは「これからの進路」であり、8月に実施される予定です。自分の意見を臆せずに他人に伝えたり、他人の意見を引き出したりできるコミュニケーション力は、これからの時代にますます重要視されるものだと思います。次は、1年生たちも物怖じせずにたくさん参加してくれることを強く期待しています。

            

 

錦高日記7月21日(火)Ⅱ ~1年生類型登録説明会~

 本日7限目、1年生を対象に、類型登録説明会が開催されました。

 教務課の沖野先生から、「文系とは、理系とは」について説明があり、勉強したときに「わくわくする学問から選ぶ」とよいことや、苦手科目を避けるのではなく、積極的な姿勢で選んで欲しいこと、行きたい大学の入試科目や将来就きたい職業などを考慮に入れることなどが話されました。その後、理科については礒野先生が、社会については村井先生が科目選択のポイントを説明されました。生徒達は、フォーサイトを広げて熱心にメモを取りながら、じっと聞いていました。

 類型登録の調査は9月末に行われます。この夏の間に、じっくりと「なりたい自分」とは何かを自分自身に問いかけ、周りの友人や大人の方々と話して、「最後は自分自身が決断」して欲しいと思います。

   

錦高日記7月21日(火)Ⅰ ~新聞部 『錦丘新聞』が発行されました!~

 本日、新聞部の作成した『錦丘新聞』第140号が発行されています。今号の内容は、1面が"生徒会"及び"広がる格差"について、2面が"夏休みの過ごし方"及び"妖怪?アマビエ"についてとなっております。先日、本校の学校紹介動画が配信されました(このHPの”ダウンロード”のページからご覧いただくことができます。)が、この中で現生徒会の活動状況等を述べている生徒会長の26H石川裟紅良さんの思いなども掲載されています。

 さて、今年は学校の臨時休業の影響により、3月~5月までの部活動はまったくできませんでした。5月末の登校日、3年生部員たちがミーティングを行ったときに、やはり最後に何か新聞をつくってから引退するべきでは・・・ということになり、6月から1,2年生部員の力も借りて約1ヶ月の時間で作り上げた魂の作品です。新聞部員たちの熱意・努力と工夫の結晶であるこの作品を、皆様是非読んでみてください。

 

ほりほりの部屋Vol.19「昔の夏は“Homestay”! 今年の夏は“Stay home”?!~語順が逆だと、意味も逆?~今は・・・トビタテナイJAPAN??」

 

 皆さん、こんにちは。堀です。授業続くけど、GAT!

 今日は1学期終業式!明日からウキウキワクワクの夏休み!のはずでした・・・実際はコロナで失った授業を補うため、明日からも今月いっぱいは普通授業、8月盆明け2週間も授業・・・という展開になりました。諸君もつらいでしょうが、先生方も耐えています。家庭の都合で1日丸々お休み欲しくても、消毒作業だけは他の先生に頼みづらいからという理由で、そのためだけに出勤される方もおられました。(「頼みづらい雰囲気になっているのなら、校長の責任です。家庭を犠牲にはしないでください。」とお願いしました・・・スミマセンでした・・・)諸君同様、先生方も、全く未経験の夏休みに突入します。お互い、思いやりやいたわりの心を、いつも胸に秘めつつ、日々を過ごしてもらえたら、と強く念じています。よろしくお願いいたします。

 今週末から始まる、「GO TO トラベル」キャンペーン。その趣旨は、コロナ自粛で疲弊した日本経済立て直しの起爆剤、のはずでした。しかしながら、東京を中心とした感染者急増の流れの中、東京発着の旅行については補助なし、との決定がなされました。週末4連休、金沢にもたくさん観光客やってくるのかな?「利他行動」と「利己衝動」の間で揺れる日本人の選択や、いかに?!海外観光客は来たくても来れないもんね・・・先日、金沢を代表するカレー屋さん、「ホッ〇・ハ〇ス」に行くと、入り口右手、入店してすぐのところに等身大のインド人店長の写真パネルが、「帰ってこれましぇ~ん」みたいなコトバとともに、ドーンと鎮座しておりました。里帰りでもしてたのかな?逆に、店内にいた他のインド人(とおぼしき)店員さんたちも戻られないのね。こんな地方都市の一飲食店でさえも、グローバル経済が展開する中、コロナの攻撃を受けているのを目の当たりにした次第です。それにしても、スパイスはいい!GAT食品ですねっ!!

 毎年、この時期、夏休み突入の頃になると思い出すのは、リーダーとして引率したアメリカでの「ホームステイ」のことです。7月中旬から8月下旬にかけて、ヒューストン、ラベル(ワイオミング州の小都市)、シアトルの各都市近郊に、それぞれ約1ヶ月間滞在しました。数え切れない、お金では買えない<numerous and priceless>思い出を、引率した生徒たちと共有しています、いまだに。(彼らはもう、諸君らの父親・母親、かそれ以上の年代です。)写真もたくさん撮りましたが、その大多数が押し入れの段ボール箱の奥深くで眠っています。比較的取り出しやすい箱にあった写真をいくつか紹介します。肖像権等の問題があるので、日本人が写り込んでいるものは避けて。

 ワイオミング州にある世界最初の国立公園「イエローストーン・ナショナルパーク」を乗馬しながらの、1泊2日のキャンピング~(なつかしのギャグ)。最後はおしり痛かったけど、馬で高原を延々と疾走したり、マシュマロをキャンプファイヤーで焼いて食べたり、階段状に無数に広がるエメラルド色の温泉池の美しさに感動し、数十メートルの高さまで規則的に噴出する巨大ガイザー(温泉噴出塔)におののき、大陸の桁違いの大きさを肌で直に感じることができました。

 運動神経抜群の、180センチを超える高身長のホストブラザー、ホストファーザーとのツアーでした。3人の顔は引きつってます。それもそのはず、後方に写っているのは、正真正銘、野性のアメリカン・バイソン。地球上最強動物の一種。偶然出会えました!しかし、「最弱動物」にとって、これ以上近づくのは危険とのことで、引き気味の撮影でした。また、後ろの木々が黒っぽく見えるのは、来園した1989年(今から31年前、堀27才、教員生活5年目、白髪・老眼メガネなし!)の前年の大森林火災の後遺症です。

 1989年8月15日、堀にとって、2回目の「ホームステイ」引率終盤、ステイ先のワイオミングの小さな地方空港にて。見送りに来てくれた当時高校3年生のホストブラザーとのラストショット。今、彼は・・・49才かあ・・・Time flies・・・狭い2人部屋で1ヶ月、一緒に過ごしました。Basementと呼ばれる地下室でした。当時は、大げさではなく、核戦争に備えて、アメリカ中の家屋には、田舎でも当たり前のように地下室が作られていました。実際、夏涼しく、冬暖かい快適空間。最初の夜、パジャマに着替えようとしていると、奴は指を指して大笑いし、“In USA, just like this!”(アメリカじゃあ、こんなふうにするんだ!)と叫び、真っ裸でシーツに滑り込んだシーンも、昨日のことのように鮮明に思い出すことができます。教科書は言うまでもなく、TV画像や映画でも伝わりきらない、「異国の地の、異国の常識」。一緒に住んで、食べて、飲んで、経験しないとわからない肌感覚。一晩中、互いの国の文化・風習・食べ物・恋愛等々、様々な価値観について、語り明かした日々。「ホームステイ」こそ、その国の人の本質を知ることができる、唯一無二の方法だと思います。ホテルステイなんて、世界中どこへ行っても一緒、おんなじ。若いときには全く不要!!!「違うこと」、違う価値観を経験すること、そして、それもアリだな、と感じること。グローバル人材となるために大切なのは、そういう経験です。そして、「深く、広く」知るためには、英語が何より大事。あくまで手段として。先日、NHKでアメリカを代表するロックバンド「キッス」の中心人物ジーン・シモンズの特集をやっていました。彼はミュージシャンとしても成功者ですが、ビジネスでも大成功を収めたアメリカ人としても有名です。彼、実は、イスラエル出身。番組後半で、若い日本人シェフがジーンに、「あなたがロックで成功したように、僕は和食で成功したい。秘訣は何か。」と尋ねる場面がありました。ジーンの答えは「英語だ。」世界で通用したければ、英語を学べ。(Learn English.)とだけ、言い放ちました。Queenのフレディ・マーキュリーが、英国で、インド系移民として辛酸をなめつつ、大成功を納めたのと同様、ジーンもまた、米国で、ユダヤ系移民として人生の勝利者となったのです。移民として、異分子として、世界で通用するための必要条件、それが英語なのです。

 やっぱり、諸君に求めるのは、「トビタテJAPAN」です!そして、homestayです。今は、無理。Stay homeです。でも、人類は必ず、コロナを押さえ込みます。そもそも諸君らの人生は100年あるんだから。慌てなくてもいいんです。企業の寿命も18年しかないんです。変化の激しい未来に生きていくんです。だからこそ、道具を、武器を持ちましょう。「読む」「聞く」だけじゃなくて、「書く」「話す」という、4つの技能をバランス良く、統合的に、つまり、それぞれ絡めながら、使える方向を目指すのです。大学も所詮、踏み台。踏み台に乗ることが目的??バカらしい。踏み台にしてこそ、学歴に意味があるのでは??踏み台から、大きくジャンプアップ!Soar up! 人口が減少し、資源がない国を救うべく、こんな時こそ、夢忘れず、人生の大局見失わず、「なりたい自分」目指し、「トビタテJAPAN」!!本来なら、明日から夏休み!の今日、徒然なるままに書き記してみました。ではでは。今日はこの辺で。CU ASAP!

錦高日記7月20日(月) ~(4年連続)『牧水・短歌甲子園』出場決定!!~

 素晴らしいことに、また本校生徒のマルチメディアセンターでの創作活動が評価されています。「第10回牧水・短歌甲子園」において、本校1年生3名(11H坂戸志帆さん、11H堀田彩夏さん、11H山本莉音さん)のチームが見事予選を通過しております。これで本校は4年連続!!の全国大会出場となりました。本当におめでとうございます!

 ただ、本戦(宮崎県日向市で開催予定でした)はコロナ禍によって「紙上対戦」となってしまうそうで、今後は紙上対戦用の題詠6首(2首×3名)をつくらなくてはなりません。お題(作品の中に詠み込む文字)は”恋”と”若”に決まっており、青春時代が遙か遠くにいってしまった者にとっては、作品づくりに大変苦労しそうなものなのですが、高校生にとっては青春ど真ん中ストライクのお題になるのでしょうね。作品の締め切り日は7月27日(月)となっていますので、代表選手たちは週後半にある久しぶりの連休にホッとする間もなく、作品づくりに追われる忙しい今週となりそうです。(下の写真は4Fマルチメディアセンター前の掲示物になります。)

『今日も明日も明後日も会えない君がいて気づいた私の絶対条件』

『ペンを置き式から逃げて伸びをする目の前広がる朧月夜よ』

『五月雨に濡れてるような君の目が見つめる先は僕ではなくて』

  

錦高日記7月17日(金)Ⅱ ~3年生 球技大会~

 本日、3年生のみ、しかも半日のみですが、球技大会が行われました。様々な行事がなくなってしまった3年生のために、体育科の先生が中心となって、授業を調整しプログラムを組んで、今日の球技大会が実現しました。(1・2年生の皆さんには3月に球技大会があります。ご安心を。)男子は、フットサル、卓球、バレーボール、ソフトボールで、女子はバレーボールとソフトボールで、クラス対抗のゲームとなりました。昨日までの試験と普段の受験勉強で溜まったストレスを、ここぞとばかりに大きな歓声とガッツポースで解消していました。(コロナ禍では歓声は御法度ですね。ご勘弁ください。)生徒の元気な「黄色い」声は、私たちに元気をくれました。3年生の皆さん、楽しみましたか?よかったですね!

              

 

 

錦高日記7月17日(金)Ⅰ ~「錦丘ラウンドテーブル」の開催予告!~

 期末試験が終わったところですが、本校生はすでに次の目標に向かって走りだしています。36H片岡鈴々さんの発案によって、『錦丘ラウンドテーブル』が来週7/21(火)の放課後に行われる予定となっています。これは、学校の様々な課題についてテーマを設定し、本校の有志”生徒”と”教員”が対等な立場で自由に意見を出し合うディスカッションを行うものです。生徒会活動のように学校生活を変えることをはたらきかけるための活動ではありませんが、自分の考えを人にわかりやすく伝える”意見発信力”などや他人の多様な意見を引き出す”傾聴力”など、己のコミュニケーション力等を総合的に向上させることをねらいとしています。

 さて、第1回テーマは『これからの授業』です。コロナ禍によってオンラインでの取組が急に増えている学校において、生徒と教員の双方が望む授業のやり方について、じっくりと意見交換をし本校における「最高の授業」を探っていくことをねらいとします。参加希望者は、当日16時に4F物理講義室に集まる(申し込みの必要なし)ことになっており、各グループには1~3年生及び本校教員が混在し、3年生がファシリテーター役に挑戦します。多くの生徒が集まって会が盛り上がることを強く期待しています。

  *生徒たちが写っている写真はファシリテーター役を担う3年生らの打ち合わせの様子です。

 

 

錦高日記7月16日(木) ~期末試験、終了!~

 今日は1学期期末試験の最終日、1年生は数学、その後に学年集会、2年生は数学と保健、3年生はLC発展と数学または世界史/日本史、その後進路講演会という日課でした。

 1年生では試験終了後に学年集会が行われ、生徒指導課の宮岸先生より、SNSの使い方に関する注意事項が改めて伝えられました。「1日の限定公開だから、大丈夫」と思ってクリックしてしまう前にもう一度考えて欲しい、画面の向こうにはそれを見て不快に思う人がいるかもしれない、そういった人たちの「痛みに思いを馳せられる人」になって欲しい、とお話しされました。1年生は初めての「18歳成人」の学年となります。本校在学中に、成人としての心構えを学ぶだけでなく、人として思いやりにあふれた人になって欲しいと思います。

 その後、国数英の先生方から、返却後のテストの活用の仕方、これからの学習についての話がありました。1年生も本格的に「高校生」になろうとしています。

 

   ところで今日は、試験終了とともに、パーッと夏空が広がりました。きれいな青空に爽やかな風が吹き、試験後の部活動にはげむ生徒たちの顔も晴れやかでした。そんな中、ソフトテニス部の女子生徒たちが、校舎1階の窓掃除をやってくれました。水をかけてスクイザーで擦ると、汚れがきれいに落ちていきました。ピカピカの窓ガラスになりました!来校される方々も気持ちがいいと思います。本当にありがとうございました!

  

 

 

ほりほりの部屋Vol.18「5ヶ月ぶり!理性と野性の間で~コロナに関する一考察②~」

 皆さん、こんにちは。堀です。テスト、終わったね。2・3年生諸君は10~11科目、ご苦労さん。1年生諸君は8科目といえど、高校初の定期テスト。準備の仕方も自信が持てず、プレッシャーもあったでしょう、お疲れ様。今日は部活動でリフレッシュ?速攻帰宅、「動森」三昧?ゆっくり寝る?入試対応学習モード継続の3年生も多いのでしょうね。皆それぞれでいいのです。大切なのは明日以降の「テスト返し」の時間。諸君一人一人個別の課題と弱点が浮き彫りになる時間。間違えることは恥ではありません。間違いを正さない(or正そうとしない)ことこそが恥なのですから。間違いこそが、諸君自身のオリジナル参考書なりよ~(コロ助風に)。間違いに立ち向かうべし!GATで!!

(貸切り状態。コロナのせい?おかげ?)

 

 先日、2月公開の「1917」以来、5ヶ月ぶりに映画館へ行きました。高校生だった頃から振り返っても、人生ダントツ最長のブランク。昨年も60本以上、映画館で鑑賞。毎月5本以上見ていたわけです。映画館で映画を観ることは、趣味であり生きがいです。高1の頃に観た「ロッキー」のシルベスター・スタローンや「スター・ウォーズ」のハリソン・フォードのコトバを字幕無しで聞き取れるようになりたい、と願ったことが、「なりたい自分」英語教師へのきっかけの1つでした。それほどまでに堀の日常に深く入り込んでいたものを150日以上にわたり遠ざけざるを得ず、ストレスを感じることになったのは、コロナウィルスが持つ、ある攻撃力のせいなのです。(映画館に実際行ってみると、「もぎり」の際も係員にチケットを手渡さずに見せるだけ<つまり、もぎらない「もぎり」>、とか、座席も全席指定でソーシャルディスタンス万全、とか、上映中もマスク着用を義務づけ、とか、完全入れ替え制で全席消毒・幕間換気等々、コロナウィルス対策は十二分に実施されているなあ、と感じました。それ以前に・・・先日、観客は堀一人・・・all alone・・・感染リスク限りなくゼロ??大丈夫か、映画館経営?!)

 その攻撃力に言及する前に、地球の「生態系」における人間の立ち位置について、今一度考えてみる必要があります。そうすることで、ウィルスから攻撃されている「人としての心」、人間の本質といったものがあぶり出され、後半、逆転する方法、人間が取るべき方向性(映画館が生き残る術も含めて)も見えてくると考えるからです。

 そもそも人間は、二足歩行で巨大な頭を持つ裸の猿です。野生の「生態系」においては、運動能力で全ての動物に劣っており、おそらく最弱です。つまり、全ての生物が人間にとっては天敵であり、脅威なのです。

 そんな最弱動物が「生態系」の中で生き残れているのはなぜでしょうか?それは、「助け合いの心」(=「理性」)から生じる「利他行動」を進化させたからに他なりません。血のつながりのない赤の他人をも助け、属するコミュニティを守るという、「利他行動」こそが、他の野生生物が持たない、人間唯一の武器となり、知識や知恵を共有し、文明・社会を発展させ、野生生物との闘いに打ち勝ち、現在の繁栄を築いた、ということなのです。

 一方で、我々「最弱動物」の中には、野生生物がすべからく持つ「自己中心的思考」、つまり、「利己的本質」(=「野性」)も潜んでいます。後生へ、自らの遺伝子をより多く残すこと、自分および自分の遺伝子を持つものの生存のみを優先するという「利己衝動」とでも言うべき内なるものを持っていることは否定できません。

 さらに、現代は、多くの人間が野生生物との闘いから解放され、物質的に恵まれた社会に住み、経済的にも一人で生きていけるという感覚が当たり前になっています。「利他行動」よりも「利己衝動」が優先される世界が広がりつつあります。加えて、高齢化に伴い、自分の人生を楽しむこと、つまり、今の自分が最優先という人間だけが持つ「エゴ」まで必要以上に肥大化させてしまっています。

 コロナウィルスは、最弱動物の「利他行動」という唯一無二の武器を逆手に取り、自滅させる方向へ、数的調整へと導くという攻撃を仕掛けてきているのです。諸君も知っているとおり、このウィルスは、無症状で潜伏的に感染が拡大するという、かつてない特徴を備えています。感染して自分が死ぬという恐怖ではなく、家族や仲間に感染させて死なせてしまうかもしれないという不安を人間につきつけているのです。その結果、人間は、ロックダウンやら、自粛やら、休校というような「利他行動」という武器を活用しながらも、自らの経済活動を急速に縮小させる結果となり、このまま進行すれば、自身の生存そのもの、あるいは、コミュニティの存在そのものまでもが危うくなる、という事態に直面しているわけです。また一方で、「自分さえ無症状ならいい」という、「利己衝動」までもが引きずり出されています。場合によっては、国により、民族により、あるいは、年代により、様々な価値観を基に、この衝動がむき出しになって、いろんな場面で対立を生み出している図式は、日本のみならず世界の至る所のニュースから知れるところです。それぞれが自身のコミュニティを守るべく、ブロック経済に走るようなことになれば、前回の世界大戦の二の舞となり、数的調整は一気に加速するかも知れません。<歴史を学ぶ意義ってこういうところにあるのでは?>

 人間は今まさに、「利他行動」(=理性)と「利己衝動」(=野性)の間(はざま)で揺さぶり続けられています。仮に人間が「利己衝動」に走れば、ウィルスの思うツボ。後半の逆転劇は起こりません。この試合に勝つためには、ワクチン開発や治療法の確立まで、ある程度の時間を稼いで当面の攻撃をしのぐ必要があります。今こそ、Stay home! With masks! Social distance! という対抗策には、「自分を守る」以上に「家族や仲間を守る」という意義があることを忘れてはなりません。「利他」の精神で!

 新薬やワクチンによって、逆転劇は必ず起こると信じています。しかし、再び資源浪費型経済に戻ってしまえば、また新たなウィルス禍が生じることになるでしょう。我々が目指すべき方向はどこなのでしょうか。人間の持つ唯一無二の武器、(日本人には特に長所であり誇れる)「利他行動」(人に迷惑を掛けないことを是とする道徳性、自分よりも周囲のことを思いやって優先する国民性など)の重要性を今一度顧みるとともに、自然と共生する資源循環型経済へ、という意味での「新しい生活様式」へ変容することが肝要なのではないでしょうか。次世代を思いやり、他の生物を思いやり、自然を思いやるという、「利他行動」をさらに進化させることができるかどうか。この試合、その真価が問われています。進化で真価が・・・お後がよろしいようで。最後までおつきあいいただき、ありがとうございます。ではでは。今日はこの辺で。CU ASAP!

 

P.S.アート・美術関連の小説の名手、原田マハさんのこの本、オススメです!ご希望あれば、お貸ししますよ。

 

 原田さん自身、学生時代に「もぎり」のバイト経験もあるほどの映画好き。この本のストーリーは、「大丈夫か、映画館経営?!」とつながりあり。エンディング、本当に感動的!マジ、泣けます!加えて、この文庫本のオビを見ると・・・泣けます・・・別のイミで。様々な方面からの映画出演依頼を、「コメディアンとしてのイメージを崩すことになるから。」との超プロ意識から、長年、拒否し続けていた志村けんさんの初主演(初出演?)映画でした。口説き落としたのは、日本映画界の重鎮、山田洋次監督。クランクインしたばかりの今年の春、コロナ罹患の報道が出てから、あっという間でしたね・・・

 志村さん主演の映画を観ることはもうありません。残念です。昨年、NHKの「となりのシムラ」シリーズで、新境地を開拓しつつあるときだっただけに、よけいに口惜しいです。沢田研二さん(ジュリー)が代わりを務めるとのこと。撮影再開されているのかな?映画楽しみですが、今はただただ、「合掌(これは「キネ神」からのパロディ。読んだらわかる。)」。

 

錦高日記7月15日(水) ~生徒会執行部の活動~

 期末試験3日目が終了しました。本日は1年生が現代社会と保健を、2年生が生物基礎/地学基礎(文系)または物理基礎/生物基礎(理系)と現代文とコミュニケーション英語Ⅱを、3年生はコミュニケーション英語Ⅲと世界史特講/日本史特講(文系)または化学(理系)と公民特講/日本史特講(文系)または地理B(理系)を受験しました。ようやく残り1日となりましたが、生徒たちには気を緩めずに最後まで頑張ってほしいと期待しています。
 さて、6/24の日記でお知らせしましたが、今年度より生徒会執行部の皆さんが作成・配付していこうとしている生徒会便りの名前が『紫錦速報』と決定されたようです。本校のHPも彼ら彼女らに負けないように校内の様々な生徒情報や学校行事の様子等を発信していきたいと思いますので、こちらもよろしくお願いします。また、校舎各所におかれるようになった目安箱には、1週間あたりで約90枚もの様々な意見が投函されているようですよ。今後も執行部と在校生の間で活発な意見交換が行われていくことを願ってやみません。