第13期 学生クラス標準コース5日目 講座Ⅰ「ベテラン教員に学ぼう」(小学校)
講座Ⅰ「ベテラン教員に学ぼう」では、午前の部は輪島市立鳳至小学校の和田理江子先生、午後の部は能登町立柳田小学校の髙野智子先生を講師にお迎えし、示範授業を通 して、授業づくりや児童への支援、教職の魅力等についてご講話いただきました。
和田先生の示範授業は、通常の学級における支援について、まずは小学校3年生の国語の授業「漢字の意味」を題材にした模擬授業でスタートしました。授業を体験した後、教材研究や板書計画の方法、実際の板書などを解説していただきました。次に通常学級にいる支援を必要とする児童への支援方法を紹介していただきました。合理的な立ち歩き、やることや約束の見える化、動画を使った一人TT、トラブル解決すっきりノートなど、数多くの具体例を実際の児童たちの様子とともに教えてくださいました。和田先生は初任者の指導経験から、「4月当初、支援が必要な児童に対するちょっとした手立てや工夫を知っておくだけで違う。失敗を生かして工夫するレジリエンスにつなげてほしい」と熱く受講生を応援してくださいました。
受講生からは、
- 刺激逃しという点では、なんでもかんでもダメというのではなく、人に迷惑をかけない目立たない方法で何かを考えることが大切だと分かりました。他にもありますが、今日の講義は聞けてとてもよかったです。
- “少しの手立て”を学んだ。実際に学級経営することになった時に使えそうな手立ては、これまであまり学んでこなかったためすごく学びになった。
- 私もカラフルで、いろんな人の個性を認め合える学級を作りたいと思いました。ちょっとした手立てのところでは、参考にしたいものがたくさんあったので、本物の教員になったら実践したいです。
といった感想があり、大変充実した研修となりました。
| 「漢字の意味」の模擬授業 |
「ベテラン教員に学ぼう」 輪島市立鳳至小学校 和田理江子教諭 |
髙野先生は、小学校1年生算数「ひきざん」で構成的グループエンカウンターを取り入れ、より良い人間関係作りを交えながら、主体的に楽しく学ぶ示範授業をしました。
塾生は、1年生が考えるときの補助となるブロックやさくらんぼ図を用いながら、実際にどのような考え方が出てくるかをグループに分かれ、児童になったつもりで一緒に考え盛り上がっていました。そして、このような協働的学習をとおして、児童が主体的に自らの考えを表現するとともにひき算の仕方について、いろいろな方法があることを理解していく過程を経験していました。
また、髙野先生は、児童とのより良い人間関係づくりのために、自己開示すること、ルールを大切にすること、臨機応変に対応すること、ねらいとゴールを明確にすることを心がけていると、経験をもとに話をされ、塾生は頷きながら熱心にメモをとっていました。
受講生からは、
- 構成的グループエンカウンターを通した人間関係の構築の仕方を学ぶことができた。また、教師の体験や好きなことなど、教師についての話を子どもたちにすることで関係をつくることができると知ることができた。
- 本日の講義·演習では児童をよく観察すること、主体性を持たせた授業づくり、学級経営の仕方等様々なことを学びました。これからの実習にも活かせるようにまた、日々の実践でも使っていきたいです。
- 自分は教員になるに当たって心配ばかりだけど失敗してそれを糧にみんなやっているのだと分かった。学級づくりや学級開きで意識することが凄く為になったので自分もやってみたいと思った。
といった感想があり、受講者にとって大変有意義な研修となりました。
| 「ひきざん」の模擬授業 |
「ベテラン教員に学ぼう」 能登町立柳田小学校 髙野智子教諭 |