掲示板

英語部会研修会の分科会発表要旨について

投稿日時: 2011/10/18 eigobukai

英語部会研修会 分科会 発表要旨

全英連石川大会共同研究グループ内に4つのSIG (Special Interest Group) があります。今年の研修会もそれぞれのSIGの研究発表という形で行わせていただきます。

分科会

第1部

「英語の苦手な生徒に意欲を持たせるには?-英語で行う授業が生徒を変える」

(金沢桜丘高校 前田 昌寛、加賀高校 長谷川 崇)

 中学時に英語学習でつまずいたり、高校に入ってから授業についていけないなど、英語を苦手とする生徒は多いと思われる。受験を必要とする生徒はそれでもなお英語学習を続けるが、本当の意味での英語好きな生徒を育成しているとはいえない。「とにかく英語が嫌い」、「どうせやってもできない」、「英語を勉強する意味が分からない」、「英語は4択の答えを選ぶものだ」、「受験が終わったら英語はもう勉強したくない」などと、意欲を持てない生徒に“真の英語を学ぶ楽しさ”に気づかせるにはどうしたら良いのであろうか。

 SIG1では、(1)苦手な生徒に意欲を持たせること、(2)英語を主な指導言語とすること、を基本として理論と実践を発表する。金沢桜丘高校・前田からは生徒に意欲を持たせるオーラルイントロダクションの方法論を、加賀高校・長谷川からは=「生徒が活動する授業づくり」=を、参加された先生方と共に考える。英語で行う授業は「何で始めて、何で終わるか」がとても大切である。なぜならば、英語を使う主体は生徒であり、生徒をどう英語の世界に引き込み(どう授業を始めて)、どう英語を使わせるか(どう授業を締めくくるか)が教師側の考えるべきことだからである。これは、文法や教科書本文をどう説明するかが中心であった今までの発想から、生徒に英語をどうやって使わせるかという発想への大転換である。その趣旨をうまく活かせられたら、説明ばかりで生徒にとって苦痛だった授業から、やってみて楽しかったと達成感を味わえる授業へと変わるはずである。SIG1では、英語で授業をして本当に成立するのか、ますます英語嫌いの生徒が増えるのではないか、という思いをお持ちの先生方と一緒に、意欲を持たせる授業のあり方を考える。

「英語による授業方法-生徒が英語を話す授業」(飯田高校 北川 剛司)

 我々英語教員は平成25年度から実施される新学習指導要領に向け準備をしなければならない。私も含め、多くの先生方は “ALL ENGLISH” という言葉にとらわれ過ぎではないでしょうか? 「ALLENGLISH ≠ 教師が英語を使う」ということは把握されていると思います。英語で授業を行うには “STUDENTCENTERED” の授業展開でないとなかなか難しいのではないでしょうか。SIG2では「学力発展途上校」、「学力中間校」、「進学校」の先生方が集まり、お互いの学校で共通して出来るものはないかと模索し、実践している。従来の訳読式の授業とは違い、「生徒が英語で考え」、「生徒が活動を通して英語を使い」といった活動、授業の流れや実践例を紹介する。 

分科会

第2部

「文法をより定着させるための指導 - 定着から活用へ」

「適切なドリルとペア説明」 (金沢二水高校 向 正一郎)

いわゆる「グラマーの教科書(補助教材)」を使いながら、基本的な文法項目を定着させる。週2時間の授業で1年行う。限られた時間の中で、効果的に定着させるためには、自己表現の前に、適切なドリルが必要だと考える。では、適切なドリルとは何か?その文法事項が使われる必然性のある状況を設定して、英文を作らせることである。具体例を提示する。また、「グラマーの教科書(補助教材)」はどうしても、細かな文法説明が多いので、文法事項に軽重をつけながら扱っていく必要がある。その際、どうしても定着させたい文法事項は、教師がいったん説明した後、生徒同士で、例文を使いながら、説明させる。生徒が習ったことを本当に理解していることを確認するためには、正しい英文を作り出すことででき、混同しやすい文法事項の説明を自らができるかどうかを知る必要があると考える。具体的な手順を提示する。

T&Tで使える活動例」 (金沢泉丘高校 島村 千佳)

今までの教員人生で、有能で創造力豊かなALT諸氏と授業する機会を得てきた。彼らとキャッチボールしながら作ってきたアクティビティの中で、特に文法事項の定着に効果があると思われるものをいくつか紹介する。S+知覚動詞+目的語+分詞の練習、具体的な差を表す比較の文、関係詞を使ったフレーズの練習法などを予定。

「アウトプットにつなげるリーディング指導」

(金沢泉丘高校 米林公人)

 「理解した内容に関して自分の考えや意見を英語で書いたり話したりすることができる」というねらいを達成するためには、ある程度まとまった分量を、興味や関心を持って読んだり聞いたりさせることが必要と思われる。「興味や関心を持って読んだり聞いたりする」ための工夫として、英語Ⅰにおいてペアワークを中心に取り組んでいるリーディングの指導例をみなさんと一緒に考えたい。

(県立工業高校 多賀 美佐子)

英語を苦手とする生徒も何か表現することができると楽しいし、自信につながります。テキストの内容と何か関連のあることを、少しでも表現できたらいいなと思っています。普段何かを質問しても、単語だけでかえってくることが多いのですが、何とか文を作ってもらいたいと思います。県工で実践した具体例を、授業の映像を交えながら紹介します。