よりよい学び方が技の習得につながる(4年体育)
このページをご覧のみなさんは,自分が初めて逆上がりが出来た時の事を覚えていますか。
今回は,4年生の「鉄棒運動」の実践を紹介します。
本校の4年生の半数の児童は逆上がりが苦手で,中学年で身につけたい「上がり技,支持回転技,下り技の組み合わせ」が難しい状況にあります。
体育科では,技能そのものの習得はもちろんですが,よい学び方による技能の習得をより重視しています。
そこで,4年生では,単元を通して,なりたい自分の姿やつけたい力をワークシートに書き,全員で共有しました。だれが何にめあてをもち,どうなりたいかをお互いが知ることで,関わり方や動きに変化が見られ,集団としての高まり,技能の高まりが期待できると考えるからです。
単元をつらぬく課題は,
〈 学びあい 鍛えあい 育ちあおう A(上がり技)M(回り技)O(下り技)26! 〉です。
友達のつまずきに対して,掲示物や板書を手がかりに説明したり,技を見せ合ったりするうちに,「~すると少し足が上がるようになるよ」「目線はこうだよ」等,技能を意識した声掛けがあちこちから聞こえます。
やがて「Aさん,逆上がりできるようになったよ!」
女の子が嬉しそうに叫ぶと,自然と子ども達がAさんを囲み,人垣ができました。
そしてついにその瞬間が訪れたのでした。Aさんが逆上がりできた瞬間,割れんばかりの歓声と拍手が沸き起こったのでした。
できるようになりたいという意欲があると,集まり方も素早くなります。また,観たい視点が個々に違うので,観る場所がそれぞれ違うのです。細かいことですが,こうしたことを教師だけではなく,子ども達が知ることも,集団づくりや技能の向上には重要な要素と考えます。
体育科では,集団づくりを基盤に,これからもよい学び方による技能の習得を目指します。