(44) 0219 細川 暖 「地震の記憶」

題名「地震の記憶」

　能登半島地震があり輪島市が全国的に知られるようになった。輪島は観光地として知られてきたが、地震でその名が一層知られるようになった。私の住む門前町も総持寺があり多くの観光客が訪れていた。一年が経った今、のと鉄道も復旧し家屋の解体や道路の修繕工事も進み、平穏な町が少しずつ戻っていると感じるが、鮮明に覚えていたはずのあの日の自分の記憶がだんだん曖昧になってきていることに不安を抱いている。実際に私は自分の身に起こるまで地震に関心を持っていなかった。それはきっと私だけではないだろう。この一年、日本各地で地震が起きている。今の私にできることはあの日の体験をたくさんの人に伝え関心を持ってもらうことだと思う。災害時に周りの大人たちが助け合い励まし合っていた。その冬、私は看護師を目指し田鶴浜高校に進学した。あの時の記憶を失わず大人になって医療従事者としての役割を果たしながら自分が体験したことを伝えていきたいと思う。