校長室より
創立記念日に寄せて R6.6.17
創立記念日に寄せて R6.6.17
石川県立田鶴浜高等学校長 赤島あけみ
6月17日(月)は、本校の「創立記念日」です。私達に誕生日や年齢があるように、学校にも誕生した日やその後の歩みがあります。本校は昭和42年に創立され、今年で58年目を迎えました。その間、時代の要請に応え課程変更など変遷を経て、現在の衛生看護科(5年一貫課程)と健康福祉科の2学科、看護師・介護福祉士国家試験受験資格を取得できる県内唯一の専門高校となっています。卒業生は、石川県内はもとより全国そして世界で有為な人材として活躍されていますこと、大変誇らしく思います。
昨年度も看護師・介護福祉士国家試験ともに全員合格を果たし、連続合格を更新しました。このことは皆さんの先輩方が築きあげた悠久の賜でありますし、本校に課せられた責務でもあります。本校のスクール・ミッションは、「“明るく・淨く・直く”の校訓のもと、看護の心、福祉の心を持った地域の医療・福祉に貢献できる人材を育成する」です。今後も実践的・体験的な学習活動やボランティア活動を通し、専門性の高い実践能力と職業人に求められる倫理観を身につけた人財を送り出せる学校になることを改めて決意している所です。
日本各地では、地震や異常気象など連続して自然災害が発生しています。その都度新しい課題が生じるもので、今回の能登半島地震でも、地理的な問題、高齢者の生活の問題など浮き彫りになりました。この経験をいかし、「地域医療・福祉」に加え「災害医療・福祉」についても学びを深めていかなければなりません。皆さんが経験して感じたこと、考えたことは、若者目線での思考でもありとても貴重なものです。今後のあらゆる場面で発揮できることを願っております。
もうすぐ創立60年という、人間でいう「還暦」を迎えますが、ここからまた新たに新しい田鶴浜高校の伝統を作りだす出発点です。今はその準備期間でもあります。本校の在り方を一緒に考えていきましょう!創立記念日にあたり、改めて皆さんが本校の礎を築いてくださった先人達の苦労を思い起こすとともに、本校で学ぶことの幸せと誇りをもち続け、日々研鑽に励まれんことを切に願っています。
校長室より 【やっぱり看護・福祉の力!―震災を経てー】 R6.5.7
校長室より 【やっぱり看護・福祉の力!―震災を経てー】 R6.5.7
R6年度1学期が始まり、1ヶ月が経ちました。校舎の仮復旧も進み、4月8日以降、全校生徒がこの田鶴浜の校舎で授業や行事を行っています。また、5月6日から寄宿舎で寮生が生活できるようになりました。体育館やテニスコートなど一部使用できない場所もありますが、教職員は連携・工夫しながら教育活動を展開しています。入学生を含め生徒達の話し声・笑い声・足音などが校舎内に響き、各教室で活発に活動する様子を見ると、学校が生き返ったようで、とても感慨深いです。(怪我をした細胞や組織が修復し血流が再開し、体が元気になっていくような感覚は、元看護師の私だけでしょうか?)そして、学校に集う意味を改めて考えさせられています。
振り返って見れば、発災後、校舎や寄宿舎は使えず、授業をするために全生徒にタブレット端末を活用したオンライン授業、そして、対面授業にシフトするために他校を借り、被災生徒や寮生の宿舎の確保・通学手段の変更など、激動の3学期でした。その間に、看護師・介護福祉士国家試験、他の高校をお借りしての推薦・一般入試、県立看護大学をお借りしての卒業式・修了式がありました。そのような中でも、生徒達はほぼ休まず登校し、授業にも真摯に取り組んでいました。看護師・介護福祉士国家試験にも全員が受験でき全員が合格しました。生徒達の底力を感じましたし、震災を経て、命や生活を守る看護・福祉の仕事がどんなに尊いか理解を深めたように感じます。
今年度は、能登半島地震からの復旧・復興の年です。その中で田鶴浜高校の役割は何かを考えましたが、教育目標そのものに辿り着きました。「地域の医療・福祉に貢献できる有為な人材の育成」です。「地域」は石川県全域を指しますが、特に被害が大きい能登地区の医療・福祉に貢献するために、本校ができることを具体的に考え実行していきたいと思います。また、あらゆる教育活動を通し、「災害時、看護・福祉の力を発揮できる教育」を目指します。今回、石川県内外から多くの方が、様々な形で支援してくださいました。支えてくださる方々がおいでる事に心強さと前に進む力をいただきました。感謝の気持ちを忘れず、復興に向け努力します。
R6年1月、「文部科学大臣表彰」を受けました。キャリア教育の充実・発展に尽力し顕著な功績が認められた学校が表彰されるものです。本校の取り組みが評価された事を大変光栄に思います。これまでの教職員の尽力に加え、生徒達が応えてくれた結果であり、今後も生徒一人一人のキャリア発達を促す教育を継続していく所存です。生徒・保護者・地域・教職員が「チーム田鶴浜」として協働し、“成長を実感できる学校”・“医療・福祉施設から選ばれる学校”であり続けたい。
R6.5.7 石川県立田鶴浜高等学校
校長 赤島 あけみ
生徒の皆様へ
R6.1.1能登半島地震から、2週間が経ちました。犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
この大規模地震により、校舎・寮・テニスコートなど大きな被害を受けました。また、学校がある上野ヶ丘地区の家屋や道路なども目を覆いたくなるような光景でした。現在は少しずつ復旧していますが、水道やトイレは使えない状態です。新年の幕開けに厳しい試練が襲い、とても辛くやるせない気持ちです。学校再開に向けて前を向こうと教職員一丸となり行動していますが、ふと立ち止まると涙があふれます。しかし、生徒や教職員全員が無事だったことは何より嬉しく思っておりますし、復旧・復興に向け、皆な(生徒・保護者・教職員・地域等)で頑張り抜く決意です。
さて、今日から少しずつ学校モードに戻していきます。校舎・寮・通学路の安全が確認されるまで、また、交通機関が復旧するまで、国家試験組は対面・オンラインのハイブリッド授業(鹿西高校校舎)、その他のクラスは当面オンライン授業を行いたいと思います。授業時数も徐々に増やしていく予定です。看護・福祉ともに国家試験受験資格取得に必要な学習内容を習得しなければなりませんので、生徒の皆さんはそれを意識して授業や課題に取り組んでください。また、今回の体験を無駄にせず、我々の役割は何か、今すべきことは何かなど各々が考え行動に移してほしいと思います。特に、国家試験を控えた32H、専攻科2年生は、厳しい環境下で不安や緊張も高まっていると思いますが、ここまで乗り越えてきた自分を信じ最後の追い上げを本番まで続けてください。高いモチベーションを維持できれば、試験当日も力を発揮できます。絶対に全員で合格しましょう!
現在、本校格技場・第1体育館は避難所となっております。発災当日は250人以上の住民が避難されてきましたが、今はその半数くらいです。2週間経ち心身の疲労も限界にきていると思われますが、住民の皆さんは食事や掃除など協力して役割を担って生活しておられます。ある避難者の方は「生徒さんは大丈夫か、国家試験あるのに、わしらがここにいたら、勉強できないのでは?生徒さんを大事にしてやってくれ」と心配していました。改めて
学校は地域の皆さんに支えられていると実感しました。学校も地域も元気を取り戻せるように、お互いできる事を行っていきましょう。(皆さんの中で、避難所ボランティアなど考えている生徒がいましたら、学校に相談してください)
災害はいつ起こるかわかりません。余震も続いています。常に「命を守る」ことを第一に考えた行動や備えをお願いします。なお、今回の地震による心身の不調や今後の学校生活に不安のある生徒は、いつでも学校に相談してくださいね。
R6.1.15 石川県立田鶴浜高等学校
校長 赤島 あけみ
本校のホームページをご覧くださり、ありがとうございます。
本校は、県内唯一の医療・福祉系学科をもつ専門高校です。どこよりも早く、看護師・介護福祉士の国家試験受験資格を取得できる学校です。昨年度の国家試験も、両科ともに全員受験・全員合格を果たしました。今年度も、4月10日に新入生を迎え新学期が始まりました。生徒一人一人の進路実現をめざし「チーム田鶴浜」で支援していきたいと思います。
さて、本校は、昭和42年に衛生看護科、家政科を有する「県立田鶴浜女子高等学校」として発足し、平成6年には家政科を健康福祉科に改編し、男女共学の専門高校「県立田鶴浜高等学校」となりました。平成12年には、衛生看護科に専攻科が開設、平成14年からは、5年一貫教育による看護師養成機関となり、今日に続いております。創立以来、受け継がれる「明るく・浄(きよ)く・直(なお)く」の校訓のもと、確かな知識と技術、看護・福祉のこころを併せもつ看護師・介護福祉士育成に努めています。また、科の特殊性から、特色ある授業を行っています。その1つに「統合学習(科目・単元横断型統合演習)」があります。シナリオシミュレーションシステム等の学修支援システムを使った最先端の学習、模擬患者(療養者)を活用した演習を行い、気づき・思考力・判断力などを高めています。また、校外実習後の報告会や縦割り班活動等を通し、コミュニケーション力・協働して学ぶ力なども高めています。これらの力は、まさに社会が求める「人材(人財)」育成であり、本校の教育目標「地域の医療・福祉に貢献できる有為な人材の育成」そのものです。今後も社会の中で選ばれる学校になれるよう邁進してまいりたいと思います。
このように本校が学びを深められるのは、実習を受け入れてくださる医療機関や福祉施設の皆様のご理解とご協力の賜でもあります。コロナ禍の厳しい状況下でも、多くの実習生を受け入れてくださいました。将来の医療・福祉従事者を見据えた愛情あふれる指導は、専門職としての自覚を高め希望をもたらしています。あらためて感謝申し上げます。「経験に勝るものはなし」といいますが、この貴重な実習体験を通し、生徒が看護・福祉の本質を学べるよう関係機関と連携を強化し支援していきます。
最後に、本校は前述の学習活動を通し「成長を実感できる学校」です。今後ともご理解・ご協力と温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和5年4月12日
石川県立田鶴浜高等学校 校長 赤島 あけみ
(令和5年6月5日更新)
校長室の窓の外は、すぐ、テニスコート。生徒達の元気な声、ボールを追い掛ける音、ポーンとラケットにボールがあたる音・・・はじける若さに元気をもらい、清々しい気分にさせてもらっています。
5月24日、アンビリバボーな事が!!外窓を20㎝ほど開けPCに向かっていた所、なんと、その窓から生徒の打ったテニスボール(軟式)が、校長室の中に飛び込んできました。校長をねらってか??それなら、すご技といえます(@_@)。新米校長で校務に追われていたこの頃、思わずホッコリした次第です。窓を全開にし、ボールを投げ返しましたが、生徒まで届かず(泣)・・・しかし、生徒は笑顔で「ありがとうございます」と返してくれました。
教員も生徒達に支えられていると熟々感じます。「ありがとう♡」
・新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴う学校における主な対応について
(令和5年5月2日更新)