投稿日時: 08/19
taturh
題名:「安全な場所にいることへの気がかり」
地震の復興が始まろうとしていた2月。臨地実習の中で患者さんに言われた言葉がある。「自分だけこんないいところにおってもいいんやろうか」本来、患者さんは安全で清潔な環境で治療を受けるべきだ。しかし地震によって被災した自宅や家族、地域のことが気がかりで、安全で清潔な環境にいることすらも不安の要因となっていたのだ。家の中は家具などが散乱し、いつも通っていた道は通れなくなり、砂浜は侵食されていた。でもなんとか生きていくために広いとは言えない避難所で寒い中大人数が生活し、その中にいる家族や友人を思うとそう思うのも無理もない。
患者さんが安心して治療を受け休息をとれるように私には何ができただろうか。私にはあの震災を受けた方の不安や苦痛を取り除くことは不可能だと思った。少しでも安心感を与えられるような関わりをして患者さんの会話の一瞬一瞬を大切にしていく。そう思った。また5月から実習が始まる。また患者さんの言葉を聴く。