学校だより(更新情報)

【衛生看護科】在宅看護フィールドワーク(第3弾)を実施しました。

投稿日時: 09/29 taturh

【衛生看護科】在宅看護フィールドワーク(第3弾)を実施しました。

9月24日(水)、衛生看護科3年生は、在宅看護フィールドワークのとして、能登半島地震で被災した田鶴浜地区の下東、殿町、西町にお住まいの一人暮らし・二人暮らしの高齢者宅を訪問しました。震災後のコミュニティー再建に向けて、「衛生看護科生として地域に貢献できることは何か?」をテーマに、訪問先の皆さんの生活の質や健康管理について、直接お話を伺いました。

生徒たちは、今回の訪問を通して「地域で暮らす」ことの本来の意味を深く理解し、人々の生き方や支え方について深く考える貴重な機会となりました。以下に、生徒たちの報告の一部を紹介します。

 

・・・生徒の学びと感想(一部抜粋)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〇「震災のストレスで耳が聞こえにくくなったり、体調が優れない時期があったと聞き、胸が痛みました。また、近隣の方々が田鶴浜から離れて引っ越され、交流が減ってしまったことを悲しく寂しいと感じていることが心に残りました。」

 

〇「震災後の過疎化が進むこの地域では、近所との交流も途絶え、気分が落ち込んだり、家にこもりがちになっているのではないかと予想していました。しかし、実際に交流してみると、明るくたくさんお話しされる方が多く、仮設住宅に行ったことで近所の方との直接的な交流は減っても、週に数回電話でやり取りをされているなど、交流に積極的な様子が印象的でした。一方で、街のバスの本数が少なく、バス停の場所も限られているため、地域イベントへの参加意欲があっても交通手段がないという現状に、田鶴浜地域の課題を感じました。バスの本数を増やすなど、交通手段の改善があれば、地域の方の外出やイベント参加への意欲を失うことなく生活できるはずだと強く思いました。」

 

〇「お伺いした健康な方の中には、自宅のすべてのことを一人で行い、コープの活用や、コレステロール値に配慮して米油を使うなどの食生活の工夫、さらにスマートフォン教室に通って計算アプリで認知症予防に取り組むなど、驚くほど自己管理に努めている方がいらっしゃいました。『七尾のこの家に住み続けたい』とおっしゃっていましたが、中規模半壊で2階が損傷しているにも関わらず、高額な修理費用を理由に諦めている現状や、『雨漏りしてきたら直したいが、子どもや孫に負担をかけたくないから軽くしかしない』という言葉を聞き、お金の補助があればと強く感じました。」

 

〇「今回訪問したお宅の方は、難聴であり両足に人工膝関節をつけておられ、身体的な障害により住民同士の交流が減り、生活の楽しみが失われているのではと予想していました。しかし、電気整備士として務めていた経験から、ご本人の趣味である工作や設計をとても楽しんで続けられており、たくさんのDIYが施された屋内を誇らしげに紹介されている姿が大変印象的でした。WHOが定義する『健康とは肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない』という言葉を、この方の生き方を通して体で感じることができました。老後の生活は、この方のようにありたいと心から感じ入りました。」