校長室より 【やっぱり看護・福祉の力!―震災を経てー】 R6.5.7
校長室より 【やっぱり看護・福祉の力!―震災を経てー】 R6.5.7
R6年度1学期が始まり、1ヶ月が経ちました。校舎の仮復旧も進み、4月8日以降、全校生徒がこの田鶴浜の校舎で授業や行事を行っています。また、5月6日から寄宿舎で寮生が生活できるようになりました。体育館やテニスコートなど一部使用できない場所もありますが、教職員は連携・工夫しながら教育活動を展開しています。入学生を含め生徒達の話し声・笑い声・足音などが校舎内に響き、各教室で活発に活動する様子を見ると、学校が生き返ったようで、とても感慨深いです。(怪我をした細胞や組織が修復し血流が再開し、体が元気になっていくような感覚は、元看護師の私だけでしょうか?)そして、学校に集う意味を改めて考えさせられています。
振り返って見れば、発災後、校舎や寄宿舎は使えず、授業をするために全生徒にタブレット端末を活用したオンライン授業、そして、対面授業にシフトするために他校を借り、被災生徒や寮生の宿舎の確保・通学手段の変更など、激動の3学期でした。その間に、看護師・介護福祉士国家試験、他の高校をお借りしての推薦・一般入試、県立看護大学をお借りしての卒業式・修了式がありました。そのような中でも、生徒達はほぼ休まず登校し、授業にも真摯に取り組んでいました。看護師・介護福祉士国家試験にも全員が受験でき全員が合格しました。生徒達の底力を感じましたし、震災を経て、命や生活を守る看護・福祉の仕事がどんなに尊いか理解を深めたように感じます。
今年度は、能登半島地震からの復旧・復興の年です。その中で田鶴浜高校の役割は何かを考えましたが、教育目標そのものに辿り着きました。「地域の医療・福祉に貢献できる有為な人材の育成」です。「地域」は石川県全域を指しますが、特に被害が大きい能登地区の医療・福祉に貢献するために、本校ができることを具体的に考え実行していきたいと思います。また、あらゆる教育活動を通し、「災害時、看護・福祉の力を発揮できる教育」を目指します。今回、石川県内外から多くの方が、様々な形で支援してくださいました。支えてくださる方々がおいでる事に心強さと前に進む力をいただきました。感謝の気持ちを忘れず、復興に向け努力します。
R6年1月、「文部科学大臣表彰」を受けました。キャリア教育の充実・発展に尽力し顕著な功績が認められた学校が表彰されるものです。本校の取り組みが評価された事を大変光栄に思います。これまでの教職員の尽力に加え、生徒達が応えてくれた結果であり、今後も生徒一人一人のキャリア発達を促す教育を継続していく所存です。生徒・保護者・地域・教職員が「チーム田鶴浜」として協働し、“成長を実感できる学校”・“医療・福祉施設から選ばれる学校”であり続けたい。
R6.5.7 石川県立田鶴浜高等学校
校長 赤島 あけみ
・新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴う学校における主な対応について
(令和5年5月2日更新)