校長室より

2025年1月の記事一覧

「共」に歩んだ1年。これからも。

「共」に歩んだ1年。これからも。

                              校長 赤島 あけみ

 

 令和6年1月1日の能登半島地震からもうすぐ1年が経とうとしています。防災意識を高めながら復旧・復興の1年でした。ご支援や応援していただいた県内外の全ての皆様に心から感謝申し上げます。

 令和6年4月、仮復旧が進んだ本校舎で新入生を迎え始業できました。学校で学べる事が「当たり前」でないことを実感した生徒・職員は、自分達ができることを真摯に考え取り組んでくれました。まず、被災地でのボランティア活動です。企画すると「何かしたい」と思っていた多くの生徒や職員が主体的に参加してくれました。田鶴浜、輪島市、能登町などで

各々が思いを込めて活動しました。自ら被災している生徒も参加し、「一人でも多く笑顔になれるように」「避難している方が気持ちよく戻ってこられるように(仮設住宅整備)手伝った」など感想が綴られており、胸が熱くなりました。また、学校の教育活動で印象に残っているのは、文化祭、スポーツフェス、防災訓練です。どれも創意工夫がみられ、“誰一人とり残さず参加する・楽しめる・記憶に残る”が実感できた行事でした。看護・福祉の実習発表会においても、相手の立場を尊重した支援や理論に裏付けられた内容で、今後の実践に役立つものばかりでした。生徒一人一人の成長を大変嬉しく思っております。

 私は、この1年を表す漢字を『共』としました。未曾有の大地震からの復興を目指す過程において、共に助け合った『共助』、相手の立場に立ち考えた『共感』、互いを認め生きて生活した『共生』の1年だったからです。自分の力ではどうにもならない事でも、必ず寄り添ってくれる方が沢山いることを実感できました。これは、“看護・福祉の心”そのもので、地震を経験した我々だからこそ習得できたのではないでしょうか。

 「地震大国 日本」と言われています。いつどこで何がおこるかわからない現在、「当たり前」に感謝しながら、自身の目標を目指し歩むしかありません。大地震を経験した能登の学校として、災害看護・災害福祉に強い人財を育てたいと考えています。共に歩みましょう!