化学の視点で歴史を見ると
地震から317 日目
豪雨から53 日目
輪島高校校舎は
1.2年生の教室がある1号棟
職員室がある2号棟
3年生の教室がある3号棟が
コの字型に建っています
1月に建物の応急危険度判定
3月に被災度区分判定を行い
その結果2号棟は3度の傾斜が認められたため使用禁止
職員室などの施設を別室に移動して
教育活動を行っていました
さらに安全な学校生活を送れるように
時間をかけて
より精度の高い建物基礎調査を行ってきましたが
その結果によると
1号棟の建物下にある基礎杭に
一部損傷が認められました
そのため
明日以降1号棟の使用を原則禁止とします
直ちに倒壊などの危険があるわけではありません
安全を期して
1・2年生の教室を3号棟に移動して
授業を行います
明日の午前中に一斉に移動をし
午後から通常授業を再開させます
限られたスペースですが工夫をして
切り抜けようと考えています
保護者のみなさまにおかれましては
なにとぞご理解のほどお願いいたします
1年生の谷内陽斗さんは
総合的な探究の時間「不自由研究」で
被災地における学校のトイレ環境について
研究をしていました
その結果をプレゼンしに校長室に来てくれました
学校のトイレは需要を満たしているのか?
フェルミ推定を用いて試算してみました
男女別に生徒数
1回の使用時間
一日の使用回数などを
抽出によるアンケートを行い
便器の数
休み時間の長さなどのファクターを加え
試算したところ
トイレの数に制限はあるものの
一応需要を満たしているとの結論を得ました
ただし今回別の調査により
2号棟の地下の下水にも損傷が認められたため
さらに使用できるトイレの数が減ってしまったのです
谷内さんはすかさず試算しなおしたところ
トイレが足りないことがわかりました
そこで今度は
休み時間を何分にしたら解決できるかを
シミュレーションしてみました
その結果現在10分の休み時間を
15分に延長すれば解決するという
結論にたどりつきました
明日から授業を5分短縮して
休み時間を15分にします
生徒の研究結果に基づいた
数学的な時程の変更です
「皇帝ナポレオン一世と皇妃ジョセフィーヌの戴冠」
ルイ・ダビッドの作品です
実物はルーブル美術館にあるので
パリ研修に参加する生徒は
ぜひ見てきてほしいです
私は歴史の中の化学を授業中語るのが好きで
ナポレオンにまつわるとっておきのネタがあります
鉛筆の芯の材料黒鉛とダイヤモンド
どちらも炭素のみでできている物質ですが
全然別の物質です
このような物質を同素体といいます
高校の授業ではこのほかに
赤リンと黄リン
酸素とオゾン
斜方硫黄と単斜硫黄とゴム状硫黄
について学びますが
実はそれ以外にも存在します
「スズ」という金属は
柔らかく加工しやすいので
徳利を始め様々な食器に使われています
「スズ」には何種類もの同素体が存在します
温度などの条件によって形を変えますが
低温の状態だと非常に脆い形になります
ナポレオンは連戦連勝
次々と周辺諸国を制圧していきますが
ロシアとの戦いにおいては敗走しています
ナポレオン軍兵士の軍服のボタンは
スズでできていました
つまりシベリアの寒さで
ボタンがボロボロになってしまっていたのです
ナポレオンに化学の知識があれば
世界の歴史が変わっていたかもしれません
苦しいときこそ笑わなあかん!
今日の「大阪人の格言」
『座る場所変えてみたらどうや?』
【意味】
悩んだときは視点を変えてみる