尊い仕事に就くみなさんへ
地震から 419 日目
豪雨から 155 日目
発災以来長きにわたって
自衛隊の方々のご活躍の場面を
ずっと目の当たりにしてきました
床が歪み
壁がひび割れ
すきま風が入り込む
凍てつくような
傾いた体育館の中で
足の踏み場もないほどに
敷き詰められた
狭い簡易ベッドで
ひととき身を休めながら
ずっと人命救助に
当たってこられた
自衛隊員の姿を見てきたのは
生徒も同じでした
この尊い仕事に自分も携わりたい
と決意したふたりの生徒が
自衛隊に入隊します
石川県自衛隊入隊入校予定者激励会に
参列してまいりました
自衛隊さんにご支援をいただいて以来
イベントには極力参加して
お礼を申し上げることにしています
今日は入隊予定者が
ひとりずつ壇上に上がり紹介されました
主催者である石川県防衛協会の
副会長の里谷光弘様は
本校の建設にもずっと関わってくださっていて
そのご挨拶の中で
「被災民は自衛隊の車が通ると
ずっと手を合わせている」
とおっしゃっていました
先輩隊員からの激励の中に
「自衛隊は掛け算の組織である」
とのお言葉がありました
一人ひとりの力が集まると
単なる足し算ではなく
大きく広がっていくんですね
そして掛け算の怖いところは
ひとりでもゼロがいたら
全てがゼロになってしまうこと
誰ひとりゼロを許してはいけない
厳しい組織でもあります
中部航空音楽隊による激励演奏
フィナーレを飾ったのは
「星条旗よ永遠なれ」
尊い仕事に着くみなさんを送り出しました
憲法九条に関係し
自衛隊のあり方について述べるのは
難しいものがあります
あれは湾岸戦争が激しくなってきた頃の話
自衛隊に入隊したがっている息子を止めて欲しいと
担任をしていた生徒のお母さんにお願いされ
「お母さんは君を人殺しにするために
苦労して育ててくれたんじゃないと思うよ」
と今思えばとんでもないことを口にした思い出があります
何も知らない当時は
自衛隊イコール軍隊イコール戦争と
短絡に結びつけていました
自衛隊の方々の献身的な支援の姿を
ずっと見続けてきて
今では自衛隊の車に手を合わせているひとりとして
自衛隊は国家と国民を守る
本当に尊いお仕事であるとの強い想いを抱き
今日の若者の凛々しい姿を見て
式典のあいだずっと涙を堪えていたのでした
アメリカ軍が行ったある調査があります
帰ってきた兵士の銃を調べました
すると実際に銃を撃った形跡は
ほとんどないのだそうです
隊長が「撃て!」
と命令しているのに関わらずです
実際に撃った形跡があるのは
命令をした隊長のすぐ近くに陣取っていた
ごく少数の兵士の銃だけなのです
戦争という極限状態の中でも
誰も人を殺したくなんかないようです