セスキってなに?

地震から 721 日目

 

年の瀬も迫り

ご家庭の大掃除進んでいらっしゃいますか?

最近ホームセンターなどで

『セスキ』と書かれた家庭用洗剤を見かけますが

「どんな意味?」と気になった方

いらっしゃいませんか?

 


『セスキ』(sesqui-)とは

ラテン語が元になった化学用語で

「1.5」を意味します

たとえば「sesquioxide」

ある元素と酸素(oxygen )が

2:3の割合で結びついた化合物を指し

アルミニウムの原料となるボーキサイト

その主成分の酸化アルミニウムAl2O3

などがその例に当たります

 

化学以外でもまれに使われ例えば

飛行機の中でも

1枚羽の単葉機を「monoplane 」

 

 

 

 

 

2枚羽の複葉機を「biplane」

 

 

 

 

と呼びますが

下の翼が半分くらいのサイズのもの

つまり1枚半の翼を持った飛行機を

「sesquiplane」と

呼んだりするそうです

 

 

 

『mono』というのは『1』を意味し

例えば黒一色の陰影写真を『モノクロ』

これは『モノクローム』の略で

『chrome』はギリシャ語で『色』

チョロメとは読まないでください

そういえば『Google Chrome』

のアイコンも4色で鮮やかな色彩です

開発者の願いが込められているのでは?

と想像します

 

クロム( C r )という元素がありますが

同じ語源です

1797年にフランスの化学者ボークランが発見した

さまざまな美しい色の化合物を持つこの元素

『色』にちなんで『クロム』と命名されました

わずかに青みがかった深い緑色の酸化クロムを

ビリジアン(Viridian)といいますが

12色の絵の具のなかで

ひときわ帰国子女感を出しまくるビリジアンは

このことによります

 

大衆向けのカラー写真が登場したのは1935年

アメリカのコダック社が

新しいタイプのカラーフィルム

「コダクローム(Kodachrome)」

をリリースしたことによります

 

Simon & Garfunkel が

『Kodachrome』って曲を

歌ってましたね

高校の勉強にうんざりしている少年が

カメラとの出会いによって

新しい世界を発見していく

でも「勉強しなさい」と

ママにカメラを取り上げられる

そんな曲です

 

 『bi』や『bis』は『2』を意味します

クッキーとビスケットの違い

お分かりになりますか?

クッキーをもう一度焼いて

水分を飛ばして長期保存できるようにしたのが

ビスケットです

フランス語のビスキュイ(biscuit)が語源です

cuit は動詞 cuire(焼く)の過去分詞で

全体で「二度焼き」という意味になります

 

さて話を洗剤の『セスキ』に戻すと

成分の『セスキ炭酸ソーダ』に由来します

これは炭酸ソーダと重曹の混合物です

炭酸ソーダとは炭酸ナトリウム(Na2CO3

かなりアルカリ性が強い洗剤で

皮膚にもあまりよろしくありません

重曹とは炭酸水素ナトリウム(NaHCO3

ベーキングパウダーです

強い洗浄力を持ちながら

環境や肌にやさしい

それが『セスキ炭酸ソーダ』です

ナトリウムを2つ持つ炭酸ソーダと

1つ持つ重曹

その混合物(化学的には複塩という)なので

『セスキ炭酸ソーダ」といいます

化学式で表すとさしずめ Na1.5H0.5CO

 

『セスキ』について説明するつもりが

話があっちこっちに飛んで

ようやく辿り着きました

大掃除を始めたつもりが

途中で出てきた本やアルバムが

なんだか気になって読み耽ってしまい

全く捗らないのによく似ています