ポルトガルの思い出
地震から 498 日目
豪雨から 234 日目
石川県の高等学校の校長会が行われ
その席で
今回のポルトガルツアーの報告をしました
「輪島高校は震災を機にOECDと共創しています
OECD(経済協力開発機構)は
ヨーロッパ諸国を中心に
日・米を含め38ヶ国の先進国が加盟
国際経済や貿易そして開発援助など
加盟国間の分析・検討を行い
さまざまな提言を行っている
パリに本部を置く国際機関です
PISAという学力テストの結果を踏まえ
日本の子供は数的リテラシーは高いが
読解力が低いとか
各国の子どもたちの学力をもとに
教育施策についての提言も行なっています
今被災地では
多くの教育課題が浮き彫りになっています
しかしこれらは地震によって起こったものではなく
地震の前から潜在していたもので
奥能登に限らず日本全国で
さらには今後世界中に広がってくる
大きな課題です
例えば少子化
今の小学校1年生は奥能登全区域で200名弱
4クラスから5クラス分の子どもしかいません
馳浩石川県知事は
奥能登5公立高校を全て残す方針を
打ち出されていますので
何らかの方策が必要です
それから教員不足の問題
能登地区の教員の中には
住むところを失い
金沢加賀地区へ異動を余儀なくされた方が
多くいらっしゃいます
代わりに転勤してくる教員を確保することも難しく
新規採用の先生方が
その役目を担ってくださっています
そういった課題をOECDに相談したところ
ポルトガルの小さな街にそのヒントがある
そういう助言をいただき
今回の研修旅行に繋がったわけです
ポルトガルのモメンタ・ダ・ベイラ
首都リスボンから車で4時間以上揺られる
地方の小さな街
そこでは幼小中高特支が一体となり
地域のHUBとして機能していました
(1)シチズンシップ教育
単なる主権者教育といった枠組みでなく
教科横断型の学習で地域課題の解決を目指します
日本の次期教育課程に盛り込まれることになりそうです
(2)スクールクラスター
幼小中高支の垣根がありません
小学生が中学校で学んだり
高校の先生が中学校で教えたり
さらには高校生が小学生に教えたり
校長室はひとつの部屋に
全校種の校長先生が在室し
情報の共有と
迅速な意思決定を図ります
(3)ウエルビーイング
職員室は教員の休憩の場として徹底しています
バーカウンターとエスプレッソマシン
そしてソファーが設置されていて
授業から帰ってきた先生が一堂に会し
雑談しながら情報共有する場として
機能しています
考えてみるとそうですよね
教員の仕事場は本来
教室でありグラウンドであるはずで
職員室にこもってパソコンに向かうことが
教師の本務ではないはずです
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は8月23日「綿密用意周到派と行き当たりばったり派」を読んで
「地震や洪水などのつらかった記憶や
学校行事やイベントなどの楽しい思い出を
思い出しました
人生史上最も強烈な一年でした
本当に苦しい思いをした一年だったけど
一番楽しい一年でもありました
日常生活のありがたさや
友達の大切さを見に沁みて実感しました
僕たちは「街プロ」で花火を打ち上げました
この日のブログを読むと
とても懐かしく感じたり
昨日のことのように感じたりします
あの時は
花火を打ち上げるためにお金を集めたり
広報することに必死でした
当日を迎えて
打ち上がった花火を見て
頑張ってきてよかったという達成感と
成功してよかったという安堵の気持ちが
こみあげてきてとても感動しました
去年を振り返ってぼくは
最高の一年にすることができたと感じます」
《匿名希望》