ずっと見つめていられるもの
地震から 476 日目
豪雨から 212 日目
ずっと見ていて飽きないもの
いつまでもぼーっと見つめていられるものに
「火」「水の流れ」「子どもの寝顔」
があるといわれます
今日はぼーっと音楽を聴きに
石川県吹奏楽連盟
フレンドシップコンサート2025へ
行ってきました
本校の吹奏楽部も参加しました
といっても奥能登5校の合同楽団です
どの学校も生徒減が激しく
部員はそれぞれ数名のみ
5校合わせても金沢の高校1校より少ないです
それでも心のこもった演奏を届けました
【被災地に電気が灯るまで】第26回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
これまでに
シュタールのフロギストン説
ラボアジエの酸素結合説などの
「火」に関する研究の歴史を紹介し
しかしそれ以降研究が行き詰まったこと
をお話ししました
ラボアジエの発表の1783年から100年以上経った1897年
トマソンが電子を発見します
発見の歴史については私は詳しくないので
物理の先生に聞いてください
ともかくこのような新たな知識の目で
過去に解決できなかった問題を見つめると
新たな発見があるものです
これまでの「燃焼」に関わる
事実や実験結果
それらを電子のメガネで見てみると
全て綺麗に説明がつくではありませんか
マグネシウムが空気中で燃える時は
それまでマグネシウムの中にあった電子が
空気中の酸素に移っています
酸素のない塩素ガスの中で銅が燃える時は
それまで銅の中にあった電子が
塩素に移っています
二酸化炭素中のマグネシウムの燃焼も同様です
一度止まった「燃焼」に関する研究が
百年ぶりに再び動き始めた瞬間でした
さてこのように新たな知識を
一見無関係に見える別のものに結びつけて考えること
実はこれこそがAIにはできない
人間にしかできないことです
なぜならAIは過去に誰かが結びつけた事例を
頻出の多い順に並べるだけのツールだからです
さあ「燃焼」つまり
ものが燃えるというのはどういうことだったのか
まとめてみましょう
ものが燃える時には
必ず電子の移動が起こっています
つまり「火」とは
電子がそれまで暮らしてきた故郷を離れ
新たな場所へ旅立つ時の心の叫びであるといえます
だからひとは「火」を見つめると
奮い立たされたり
あるいはせつなくなったり
いつまでもずっと
見つめていられるのかもしれません
【今日のじょーおこらいえ】
校長ブログを読んで生徒が書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は1月31日「さとく ゆたかに たくましく」を読んで
「私は輪島高校に入学してから震災があるまで
校長ブログを読んだことがありませんでした
たまに輪島高校のホームページを見るときに
タイトルを見るくらいで
校長先生が書いているんだな
くらいにしか思っていませんでした
能登半島地震があったとき
最初に津波が来ると言うニュースを見て
とにかく逃げることに必死で
周りを見ていませんでした
被害の大きさがわからず
またすぐに元の生活に戻るだろうと思っていました
今思えばそう思っていた自分が馬鹿すぎます
日を追うごとにもう前の生活には戻れないと分かり
この先の未来が不安で仕方なかったときに
母が「おこらいえ」を見せてくれました
私が初めて見た「おこらいえ」は
「落ちない赤本」でした
少し明るい話題だったので勇気をもらいました
それから母は毎日「おこらいえ」を見ていて
私も時々母と一緒に見ていました
とある学校の校長先生のブログが
被害者を勇気づけています
毎日の励みになっていたので感謝しています
だからこのブログをもっと他県の人や
いろんな世代の人に見て欲しいです」
《干場ひなた》