江戸の粋

地震から325 日目

豪雨から61 日目

 

なぜか昔から

「最後のひとつが思い出せない」

という悩みを持っています

 

「牛乳 たまご 豚肉 白菜 ちくわ 買ってきて」

と頼まれると4つまでは覚えているのですが

最後のひとつがどうしても思い出せず

 

自分の海馬のスペックが4つまでなのだろう

と思っていると

「玉ねぎ 鶏肉 チーズ」

と3つ頼まれたときに

今度は2つまでしか思い出せません

 

1つ忘れてもいいように

もうひとつ全然関係のないものを

勝手に付け加えればよかろうと

「玉ねぎ 鶏肉 チーズ 洗剤」

と記憶してみると

「玉ねぎ 鶏肉 洗剤」

を買ってきてしまうありさまです

 

忘年会の季節が近づいてきました

酒の席で上司がやってはいけない話題が5つあって

「仕事の話」

「昔の自慢話」

「説教」

「プライベートを根掘り葉掘りきく」

あと1つがどうしても思い出せません

 

吉原遊廓の客を分類した資料があります

稀代の遊び人 藤本箕山が著した「色道大鏡」

野暮な客から粋な客まで順に28

  

無性 恥恐 改粧 宿慢 悔事 瓦智

暫偽 顕名 誇威 去迷 謙退

説諺 振勇 催興 頓行 普属 非常 大偽

背世 等賤 示道 顕徳 抜粋

大秀 玄妙 極尽 明了 大極

 

漢字から大体想像できて面白いです

箸にも棒にもかからない非モテ男「無性」から

恥知らずの「恥恐」と続き

「誇威」はおそらく自慢話をするタイプ

「説諺」は説教をするタイプでしょうか

「催興」はきっとみんなを楽しませるタイプですね

 

私は酔っ払うと気が大きくなって

大法螺を吹くタイプなので

「大偽」あたりかもしれません

 

最高位の「大極」は

別の客と遊女の痴話喧嘩があれば割って入り

双方の言い分をよく聞いた上で

楽しい話で場を盛り上げ

ふたりが前より仲良くなるように

仕向けてくれる客だそうです

 

うーん

私はまだまだその域には達しません

全く遊びが足りないようです

 

モテ男と非モテ男の差は

江戸時代から歴然と存在していたようで

もっといえばこの「色道大鏡」は

宴の席だけでなく

人としての魅力あり方を

説いたもののような気がします