OECDオンラインミーティング実況中継

地震から 417 日目

豪雨から 153 日目

 

OECDの

オンラインミーティングに参加しています

今日の「おこらいえ」は

いつもと雰囲気を変えて

ミーティングの内容をリアルタイムで

書いていきます

 

なんと3時間にも及ぶ

長時間ミーティング

生まれて初めてです

9分ほどしかない金魚レベルの集中力の私にとって

未知の領域です

どうなるのでしょう?


まずは

次期学習指導要領の改訂について

文科省の方からの報告です

 

少子高齢化が進むこれからの日本において

マルチステージの人生が進みます

変化が激しい世界において

テクノロジーを使って

人生を勝ち取るむしろチャンスです

新学習指導要領は

その世界を見据えています

受験知識が抜け落ちたあとで

何が残るかを重視しています

 

コロナで多くの国の学力が低下した中

日本だけが学力が低下しなかったそうです

それは学習指導要領に沿って

全国で同質な教育が施されたからにほかなりません

ただし教員の過度な働きに支えられた

という側面もあります

 

今の学習指導要領は

知識技能に支えられた思考力

というイメージが強いです

 

ところが新しい学習指導要領では

複雑な課題に取り組む中で

知識を身につけることを重視しています

 

また子どもが

自分で学びを自己調整できるよう考えています

そのために学年を分けること

あるいは授業時間を定めることにも

メスが入る可能性があります

 

また教師や生徒の負担をどのように減らすか

という視点でも進められているそうです

 

(1)自分なりの「意味・目的」の大切さ

(2)多様な子供たちの可能性の開花

(3)教師の成長過程のビルトイン

以上3つが実際に改訂を進めている方が

目指しているものだそうです


次に生徒部会からのレポートです

 

まずは教育課程が作られていく過程を

実際に見学した大学生からです

 

教育課程の柔軟性が一番気になりました

教育課程に柔軟性があると

余裕のある教育につながります

学校の外での学びにもつながります

では学校は行かなくていいのか?

そうではなくて学校でしかできないこともある

被災した輪島高校では

学校に行って友達にあうという

大きな意味がありました

 

次に「おさんぽメガネワークショップ」を

主催した大学生からです

 

教科書の中からでなく日常から学びを生み出す

「おさんぽめがねワークショップ」

特に苦手な教科において

単にドリルを繰り返すよりも

日常生活との結びつきを見つけると

その教科を学ぼうとする

内発的動機付けにつながります

 

輪島高校でのワークショップも紹介されました

被災地でのおさんぽから

さまざまな学びを体験できたようです

 

「正解」を前提としない問いかけが

新たな問いを生み出します

教科と教科を繋ぐ力が生まれます

たとえば日本史の知識によると

皇居は桜田門外の変があった場所

これを不動産業に繋げるとなんと

「皇居は事故物件だ・・・」


続いてOECDのMIHOさんから

世界の教育についての報告です

 

「見方考え方」と「教科横断」

このことは全世界で注目されています

ただしカリキュラムが変わったとしても

実践はなかなか難しいです

 

イギリスでは問い立ての重要性が議論されています

「なぜ空は青い?」

「動物にも同じように見える?」

 

エストニアでは「環境と持続可能な開発」がテーマです

学校の自由裁量のもと

おさんぽめがねのような

取り組みが行われています

さまざまな教科の先生といっしょに

お散歩して問いを見つけます

 

これら他国の例から見えた「教科横断」の落とし穴は

(1)見方考え方を教えてしまう

(2)問い自体を教師が作ってしまう

(3)先生同士の相性が悪いと困る

の3つです

 

さきほどカリキュラムの自由裁量が必要という

提言がされましたが

実は日本のカリキュラムは

世界的に見ても自由裁量が大きいです 

教科書も他の国ではもっと分厚いです


そして「対話の時間」です

対話のルールは次のとおり

(1)あいづちやうなずきで話しやすい雰囲気をつくる

(2)あせって結論をだそうとしない

(3)キーワードにとらわれず自分の言葉で話す

(4)大人に忖度して話してほしいだろうと思われることを云わない

 

5人のブレイクルームに分かれて

「こんな授業があったらいいな」

をテーマに話し合いました

 

各グループで出された意見では

授業と授業の合間に休む場所がほしい

どんな授業がいいか話し合う授業がいい

自分が何を学んだか語れるプロセスがある授業がいい


次は「カリキュラム・オーバーロード」の話

(1)Curriculum Expansion

(2)Content Overload

(3)Perceeived Overload

(4)Curriculum Inbalance

の4つの論点があります

うーん 

むずかしい・・・

ここで挫折・・・

 

脳にはキャパがある

必要以上に詰め込んでも意味が無い

ちょうど今の自分にぴったりな話題が

されだしたので復活

 

香港では宿題オーバーロード

宿題の出し過ぎが問題になったそうです


【泉大津市立小津中学校の事例】

「先生と生徒のワクワクで乗り越える

 カリキュラムオーバーロード」

積み上がった書類と

「やらないといけない」という意識から

抜け出して軽やかになりました

 

4月1日に学校の経営ビジョンを

なんと生徒が先生にプレゼンします

 

生徒自身が学校の目指す姿を作り上げました

「自芯を持つ

 認め合う

 やわらかさで0から1をつくる」

生徒の希望から50分の授業を45分に短縮しました

かえって集中力が増しました

 

授業も5限で終わったり6限で終わったり

 

生徒の願いをもとにして

教員が授業の形を決めました

生徒達が自分達で

学ぶスペースを創ったりもします

 

職員室もフリースペースです

 

「ワクワクしながら

 たくさん話し合って

 解消していくもの」

それがカリキュラム・オーバーロードの解決方法です

 

Q:教科横断に相性のいい教科は?

A:国語はどの教科とも繋がる

  英語も同様です

 

Q:高校入試のための学力保障は?

A:経年変化を見ると成績は伸びてきている

  長時間やれば成績が伸びる訳ではない

  先生が教えた ≓ 生徒が学んだ


【福島県立郡山高校の事例】

「既存の教科でプラスする

 データサイエンスコース構想」

 

今のカリキュラムの弱点は

(1)知識を使う場がない

(2)教科がばらばらで繋がりを学ぶ機会が無い

(3)クリティカルシンキングの鍛え方が弱い

 

これらの課題を解決するために

新教科を作ると教員の負担が大きくなるので

既存の教科を活かしたクロスカリキュラムを

考えました

 

(1)新しいコンテンツを作る系

(2)一部を別教科で深掘り系

(3)1年間を通じた連携系

 

ウクライナからの中学生が

数学の中点を求める問題で

「なぜ中点を求めるの?」

と日本の先生に尋ねたところ

言葉につまりました

この中学生は

数学コンテストで優勝するほどの生徒です

なぜ学ぶのかを理解して学ぶので

深い学びにつながるのです

 

しかしながら

協力的ではない教員もいらっしゃいます

原因は

① 変化を拒む免疫システム

② 専門外のことを教える不安

③ 教科書を終わらせないといけない不安

④ そもそも効果あるの?問題

⑤ 新しいことしたくない問題

 

大事なのは

松下幸之助さんの

「やってみなはれ!」


次回の学習要領改訂では

教科横断が大きなテーマとなりそうです

キーワードは「おさんぽメガネ」

教員には

日常生活のあらゆるものを

教科に結びつける力が

求められることになりそうです

 

先生方は

机に座って仕事ばかりしていないで

外にでていろんなものを見てきましょう

遊べ!

 

このブログも

机の上だけで書いているものよりも

出張先から書いているものの方が

おもしろいでしょ


さてさて

3時間にもおよぶ

長時間ミーティング

そろそろ終わりです

 

自分でアウトプットしながらだと

なんとか

もつもんですね

 

今日は本校から

山上先生(家庭)

山下先生(保健体育)

栃木先生(養護)

も参加してくださいました

熱心な先生方です

お疲れ様でした