保健体育のメガネ
地震から 553 日目
豪雨から 289 日目
【今日のDeep Purple】
「紫」をテーマに全ての教科を貫いた
深い教科横断型授業を作り出すコーナー
7日目は〔保健体育〕と繋げてみましょう
植物には不思議な力があって
たとえばひまわりの迷路
ひまわりは太陽の方向に向かって咲くと同時に
迷路の通路に向かって
つまりお客様に挨拶するように
咲き誇る習性があります
これはオーキシンというホルモンの作用によります
植物の茎は何かに触れると
触れた方に曲がって伸びていきます
アサガオなどのツルが巻き付くのは
この習性によります
つまり迷路の通路を人が行き来して
ひまわりの先っちょに当たると
徐々にひまわりは通路に向かって
曲がって伸びていくのです
レタスを栽培するときに
レタスを叩きながら育てると
それはそれは苦いレタスに育ちます
これは叩かれた振動を
害虫が自分自身に這って来た振動と勘違いして
害虫に食べられないように自分自身で
苦い薬を作り出すためです
植物はこのように
自分の成長に必要な物質を自分で作り出しています
この力を借りようとするのが薬です
人は古来より
さまざまな植物が病気に効くことを
経験的に学びそれを利用してきました
そのひとつが紫草の根いわゆる『紫根』です
『紫根』は外傷 腫瘍 火傷 湿疹等に効能のある
漢方薬として処方されてきました
さらに最近になって
細菌感染を抑制する作用があることも確認されました
みなさん時代劇なんかで
お殿様が病気になった時
紫色のハチマキをして床についているシーン
見たことありませんか?
あれは『紫根』の成分シコニンで染めた布です
実はおまじないとかではなく
医学的根拠があることだったんですね
さて薬には適量というのがありまして
量が過ぎると毒物劇物となります
植物はさまざまな薬効のある成分を
作り出すのと同時に
その劇物性から自分自身の体を守るための
別の薬効成分も同時に作り出して調整しています
西洋医学の進歩は
薬効成分の化学的分析から始まり
それを取り出し濃縮して
処方していきます
パスツールが青かびから
ペニシリンを取り出したようにです
薬効成分だけ服用するので効果は絶大です
一方東洋医学つまり漢方では
植物そのものを組み合わせて服用します
ですので西洋医学に比べると
効果が現れるのに時間がかかり
劇的な回復が見られるということはありません
しかし先述のように
その薬効成分から自分自身を守る別の薬効成分も
同時に体内に入ってくることになるので
副作用が全くありません
西洋医学と東洋医学
どっちが優れているかではなく
それぞれの優れている点を共有しながら
医学は進歩しています
東洋医学の真髄を学ぶと
『五行』についての面白さにも出会えます
『五行』とは 古代中国の思想で
万物を『木・火・土・金・水』の5つの要素に分類し
それぞれの相互関係や循環によって
自然界や人体を説明しようとするものです
『木』は燃えて火を生む
『火』に燃やされ土に還る
『土』を掘れば金を得る
『金』の表面には凝結した水が生じる
『水』はやがて木を養う
このように次のものを生みだすことを
『相生』といいます
ひとつ飛ばしに見てみると
『木』は土から養分を奪い
『土』は水を汚し
『水』は火を消し
『火』は金を溶かし
『金』は木を切る
このようにその力を奪うことを
『相克』といいます
五行『木・火・土・金・水』と並行して
五味『酸・苦・甘・辛・鹹』
五季『春・夏・雨・秋・冬』
五気『風・熱・湿・燥・寒』
五臓『肝・心・脾・肺・腎』
がありこれらを組み合わせて
漢方の基本的考えができています
『春』は五臓の『肝』に負担がかかりやすく
五気によると『風』の影響を受けやすい季節
花粉症に悩まされたりします
『肝』に負担がかかりすぎたときは
ストレスに効果のあるレモンやみかんなど
五味の『酸』の食材が向いているとされます
『相生』の考えによると
『肝』の調子を整えると『心』が快方に向かい
逆に『肝」の働きが強すぎると
『脾』への負担が大きくなる
といった具合です
いろいろ調べてみると奥が深いです
明日は家庭科と繋げてみましょう
【今日の「WAJI活」】
2年生が取り組む街づくりプロジェクトを紹介し
協力してくださる方を募集するコーナー
第17回目は「防災のことをいろんな人に伝わるように」
〔解決したい課題〕
震災によって輪島に来ることを
不安に思う人がいる
〔目標とする未来〕
防災に取り組む町となって
言葉の壁がなく
いろんな人が安心して来れる町にする
〔方法・手法〕
防災について学び現状を調査し
何が必要か考える
〔これまでの活動〕
現状を知るために
イベントやボランティアに参加しています
インタビューすることも考えています
【能登の高校生に世界を感じる体験を!】
クラウドファンディング募集中
将来被災地の地域医療に貢献したい
あるいは日本の災害現場での医療に携わりたい
そんな高校生が
アメリカの大学で最新医療を感じてきます
将来の輪島の地域医療のために
ぜひ募金のご協力をお願いします