令和遣欧使節団
地震から340 日目
豪雨から76 日目
パリへの出発まであとわずか
OECD サミットでの発表の準備
オンラインでの交流など
着実に準備が進められています
OECDはパリに本部を置く国際機関です
PISA の学力テストなどで
日本の子どもの数学的リテラシーは世界一とか
その反面読解力や表現力が低いとか
教育に関する調査と
教育施策について提言を行なっています
今回被災地の教育復興という視点で
発災時からずっと輪島高校に
寄り添ってくださっています
能登を舞台とした8月の能登スクール
東北を舞台とした10月のグローバルサミット
に続く第3段です
パリを会場に
世界中から高校生と教育関係者が集います
2030年のティーチングコンパス
(世界の教育の指針)
の策定に向けての共同研究を行います
つまり未来の教育の一端を担う
非常に重要なミッションを
参加生徒は与えられている
ということになります
どうかぜひ
世界各国の教育について
学んできてほしいと思います
日本で当たり前のことが
世界では当たり前じゃなかったりします
フランスのジャーナリスト
西村カリンさんは
こうおっしゃっています
「日本の授業は先生が変わっても
教える内容はほとんど変わりません
学習指導要領を文科省が策定していて
それに沿って授業が行われるからです
フランスではかなり教員の自由度が高く
教科書を使わないこともあります
教育内容の格差を産むことにもなります
日本では全ての小学校に
体育館があってステージがあって音響があって
これは驚くべきことです
楽器があるのもすばらしい
フランスでは教育予算が多くあてられていますが
こうした設備が充実していないのは
「大事にしていないから」
だと思います
日本では教室を自分で掃除することで
ものを大切にする意識が
社会全般に浸透していると感じます
一方で
自分で考えて行動する力の育成や
先生と子どもが議論する場の設定が
日本の教育の課題です
OECDの調査によると
フランスの教員の賃金は
EUの中で最低クラスです
このことは
採用される教師の質の低下を生んでいます
そんな中
フランスの教員は
自分たちの置かれている状況や
不満に思うことを積極的に発信するので
社会全体にその認識が広がりつつあります
日本ではその辺りを
まだまだわかっていない
保護者が多いように感じます
政府が
教員という仕事の重要性を再認識し
魅力を向上させるために
給与面や労働環境を改善していけば
教職を目指す人が増えるはずです
頑張っている先生たちが報われ
学校教育全体がよくなってほしいと
願っています」
今日の「福島から能登 未来へ」
【無理をしないで】
自分が被災しながらも
ふるさとの復興のために働いている
皆さんの心を案じています
どうぞ無理をしないでください
13年前
私は自分の学校で
避難所運営の業務にあたっていました
津波の被害を受けた方のために
何とかしなければという気持ちです
同時にとても辛かったのは
水も出ず余震も続く自宅に
幼い子供たちだけを残して
業務に当たらなければならなかったことです
灯油も尽きかけている自宅で
寒くないだろうか
お腹を空かせていないだろうか
そんな気持ちに蓋をして
業務に当たっていたように思います
運営する避難所で
原発の水素爆発の映像を見て
「私は自分の子供すら守れない
ダメな母親なんだ」
とひとり廊下でとめどなく泣いたことがあります
いますぐに子供を連れてどこかに逃げる
という選択肢は私にはなかったからです
今能登では家族と自宅を案じながら
自分の仕事を果たそうと
懸命に働いている方々が
たくさんいると思います
くれぐれも無理をしないでください
自分の気持ちを踏み絵にしてまで
任務をはたそうとせず
辛い気持ちを話せる人に話して
自分自身をいたわってください
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