「養護」と「保健」と「化学」のメガネ
地震から 571 日目
豪雨から 307 日目
【今日のDeep Purple】
教科を超えた授業実践を紹介し
深い教科横断型授業を作り出すコーナー
今日は養護と保健体育と化学をつなぎます
担当は栃木麻希先生(養護)と
山下友子先生(保健体育)と
伊奈岡克俊先生(理科)
対象は文化祭の模擬店責任者
本校では8月29日(金)~30日(土)
の日程で文化祭が催されます
その際模擬店を出店するクラスの責任者に
例年行っている衛生指導
今年は
「保健」や「化学」の内容もからめて
より論理的に手洗いの大切さを
学んでもらおうという実践です
まずは「養護」の栃木先生の目
正しい手洗いのしかたに関する指導です
ポリ手袋をはめた上から
絵の具を1滴手につけて
目をつむったまま
いつものように手洗いをしてもらいます
洗えている部分が染色されている一方で
洗い残しの部分が一目でわかります
指の間や手の甲そして手首などが
盲点になっています
続いて「化学」の目
『界面活性剤』の性質とはたらきについて実験です
ラー油を浸した布を
『界面活性剤』を溶かした水と
何も加えていない水にそれぞれ浸します
するとラー油が『界面活性剤』に包まれて
水面にみるみる浮き上がってきました
食中毒の大きな原因のひとつ
『黄色ブドウ球菌』は親油性の菌
つまり皮膚の油分が大好きなのです
油分ごと洗い流すのが効果的です
続いて「保健体育」の目
『黄色ブドウ球菌』は私たちの体
鼻やのどのほか傷口等に生息しています
顕微鏡で見ると
ぶどうの房のように見えます
増殖するときに産生する毒素(エンテロトキシン)
が食中毒の原因となります
エンテロトキシンは熱に強く
通常の加熱では分解されません
また『黄色ブドウ球菌』は
比較的高い食塩濃度でも増殖するので
塩にぎりや漬物などでも注意が必要です
したがって『界面活性剤』入りの洗剤で
しっかりと手洗いすることが求められます
またノロウイルスはアルコールに強いので
アルコール消毒だけでは効きません
手洗いとアルコール消毒の併用がおすすめです