旅の終わりに
地震から287 日目
豪雨から23 日目
グローバルフォーラム最終日
多くの方が13年前に辛い思いをされた
東北の地での最後の一日です
能登半島の現状をお話しする機会が
幾度となくありました
思い出しながら話そうとしても
言葉に詰まります
涙を堪えていると
ほとんどの方が
泣いてくださいました
13年の年月が経っても
深い心の傷は決して癒えることはないのだと
いたたまれない気持ちになると同時に
我々の気持ちを痛いほどわかってくださる
その想いに励まされる思いです
生徒は本当に多くのことを学んでいます
戸田市教育長の戸ケ﨑 勤 様からは
夏に輪島高校を舞台に行われた
能登スクールの中で実践された
「おさんぽワークショップ」を
世界に紹介いただきました
参加者に被災地を散歩してもらい
その風景をもとに
それぞれの教科の視点から
どのような気づきがあるか
探しながら歩き回るアクティビティでした
教科書からではなく目の前の現実から
教科と日常生活を結びつける試みでした
また
「教師の自己犠牲が当たり前ではない教師像」
とそれに伴う
「新しい教師像への社会的理解」
が提言されました
教師という職業が
「子供たちの未来」や
「社会の未来」を担う
重要な職業であるにも関わらず
その知的刺激や挑戦の機会が減少し
信頼や尊敬が揺らいでいる状況を
危惧してのものです
さらに文部科学省から
「D-EST」
Disaster Education Support Team
の仕組みをつくることが発表されました
これは現在すでに活躍していらっしゃって
今回の地震で珠洲に支援に入られた
兵庫県教育委員会の震災学校支援チーム
EARTHさんのような活動を
全国的に展開しようとするものです
4日間最後のプログラム
パネルディスカッションに生徒が参加しました
「あなたにとって教師のエージェンシーとは?」
との問いに対して
三中さんは
「一人ひとりに合ったやり方で教え導くこと」
前名さんは
「自身の考えを促すことで自主性を育むこと」
と答えました
次の質問
「未来に残すべき教育と変えるべき教育は?」
三中さんは
「部活動などで得られる協力・団結・協調性を残し
間違いを許容しない土壌をなくしたい」
前名さんは
「考えを共有しながら進める授業を残し
もっと世界とつながるように変えたい」と
最後の質問
「ティーチングコンパスに採択したいキーワードは?」
三中さんは
「柔軟性」
多様な生徒への個々に応じた教育が求められるから
前名さんは
「支え合い」
生徒と先生が支え合えるようになるといいから
そして
「笑顔」だそうです
少し時間を作って
先日「復興研修」で生徒が訪れ
お世話になった場所を訪ねて
お礼を申し上げてきました
まずは多賀城高等学校さん
先日生徒が訪れたとき
帰りに吹奏楽部のみなさんが
演奏で送り出してくださいました
ちょうど吹奏楽部が練習してたので
輪島高校の生徒が
「一生思い出に残る風景になった」
と話していたことを伝えました
次に閖上(ゆりあげ)朝市へ行きました
先日マスコミの取材を通して
生徒たちに励ましのメッセージを
届けていただいていました
この地区では全てを津波に流されたあと
まず朝市が立ち上がったのだそうです
そしてそれに導かれるように
街が甦ってきたのです
慰霊碑の前では今でも
ひたすら祈りを捧げる方が
いらっしゃいました
慰霊碑の高さは
この地を襲った大津波の高さ
8.3mです