緊急時こそみんなで知恵を

日本時間 4月29日(火)13:00

フランス 6:00

 

ご心配をおかけしています

 

少し落ち着きました

ことの顛末を

 

昨日OECDパリ本部への訪問を終え

リスボン行きの航空機へ搭乗しました

 

タラップには何人もの Police de Paris が

「誰か護送でもするんですかね」

と同行のオギーさんこと

東京学芸大学 荻上健太郎 先生と笑いながら搭乗

 

ところが定刻になっても

一向に飛び立つ気配もなく

よく見るとコックピットのドアが開いたまま

操縦席が丸見えです

 

生徒とお散歩メガネ

「何が起こっていると思う?」

「機長が寝坊したとか」

「急にお腹痛くなったとか」

「副操縦士が喧嘩して出て行ったとか」

少々時間が遅れても楽しみ方はあります

想像が膨らみます

 

やがてキャビンアテンダントが

何やら叫びながら客席をウロチョロ

「何言ってると思う?」

「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」

「お客様の中に看護師さんは?」

「医学生の方は?」

「お医者さんになりたかった人は?」

「お医者さんごっこが好きな人は?」

「それなら先生手挙げよかな」

この時点ではまだ笑っていられました

 

やがで数人の乗客が

荷物を持って降りて行きます

預かりラゲージも

機体のお腹から取り出しています

 

その時です

緊急ニュース

スペインとポルトガルで大規模停電

交通が麻痺

サイバーテロの可能性も

 

別便で先に

リスボン入りしているパーティーからも

空港で足止めを食らっていると連絡

 

時間が1時間2時間と過ぎて行きます

オギーさんに相談です

「今リスボンに向かっても

 電気も来ないところに

 生徒を連れて行くことになります

 今日はキャンセルして

 パリに泊まりましょう」

「今キャンセルすると

 何の保証もありません

 航空機会社からの

 キャンセルアナウンスがあるまで

 待ちましょう」

冷静な判断です

 

生徒にその旨告げると

「自分達は行きたい

 自分達は電気も水道もない中

 それでも何ヶ月も生きてきた

 だからこそ伝えられるものがある

 みんなを勇気づけたい」

なんてたくましい子たちでしょう

逃げようとしていた自分が

恥ずかしくなりました

 

日本にいる保護者にも連絡を入れます

私のレンタルWiFiも

繋がりにくくなっています

唯一繋がったのが崖くんの

Docomo海外通信プラン

今回のようなケースを考えると

そちらの契約の方が良いかもしれません

 

崖くんのお母さんから返信が

「うちの子は

 電気や水道のありがたさを

 痛いほど知っています

 なくても何とか生きていく術も

 知っています

 サバイバルな生活を

 不自由な生活を

 彼は楽しんでいました

 他の場所への避難の道を選ばず

 家族と共に家に残り

 傷ついた自分の故郷を

 この目で見続けていくんだと

 山から水を汲むことも

 彼の仕事でした

 炊き出しも喜んで楽しんで

 やってくれました

 彼の存在は

 私たちの生きる希望でした」