怖い話
地震から 430 日目
豪雨から 166 日目
震災直後から
さまざまな支援のお声かけをいただいています
発災直後にあったこんなお話
「被災地の子供たちに贈り物がある
せひ全生徒に配付してほしい
さらなる支援も考えている
一家庭あたり〇〇万円を
全生徒にお配りしたい」
あるところにはあるもんだと感心しきり
「贈り物の中に連絡先を書いておく
希望する家庭は
それぞれで直接申し込んでもらう
我々は指定された金融機関に直接振り込む
学校には一切負担をかけない」
そんなことまでしていただけるのかと
細かい心配りに感謝
もともと人を疑うことを知らない脳天気な性格に加え
発災直後で混乱状態になっていた私は
「これはありがたい!即申し込もう!」
実は奥能登の他の高校にも申し入れがあったようで
ある学校の教頭先生が
「これちょっとおかしくないですか?」
冷静になって考えると確かに・・・
口座番号も含めた個人情報をこんなに無防備に・・・
そこで支援先に対して
「学校が責任持って全生徒に配付するので
一括して学校の講座に入金してほしい」
と申し入れをしたところ
それ以来連絡がありません
この支援先について調べてみたところ
その母体は・・・
怖くて書けません
気づいた教頭先生は部活動でならした先生
数々の修羅場をくぐり抜け身につけた
危機を察知する
その動物的カンはさすがです
そして発災後このように
各学校が教育委員会を中心にして
情報を共有しながら前へ進んでいます
一昨日行われた卒業式で
輪高新聞が配られました
次のようにメッセージを残しました
「誰よりもつらい思いをしたみんなはきっと誰よりも強くなれる」
サッカー界のレジェンド本田圭佑さんが
本校に訪れみんなに投げかけてくださった言葉です。
PTG(心的外傷後成長:Posttraumatic Grouth)という言葉があります。
(1)「他者との関係」他者を思いやる気持ちが強くなります。
そしてつらいときには誰かに頼ってもいいんだと思えるようになります。
(2)「新たな可能性」が生まれます
それまで描いていた人生の道筋とは異なる方向性を余儀なくされます
だからこそ新しい可能性が開けてきます
(3)「人間としての強さ」が芽生えます
つらいことに見舞われてそれでも今まだ自分は生きている
自分が思う以上に自分は強いと実感できます
(4)「精神性的な変容」が訪れます
人間の存在を超えた現象や事柄に向き合うことで
生き方や魂について思いをめぐらせるようになります
(5)「人生に対する感謝」の気持ちが溢れてきます
これまで当たり前と思っていたことが実は奇跡
変わらない平凡な毎日にこそ感謝の気持ちを強く感じるようになります
例えば野球部の生徒たち
無惨に砕かれたグラウンドを目にして自分たちのグラウンドを元通りにしたい
行政にかけあってもそれよりも優先すべきことがありなかなか前には進めません
ついには自分たちでグラウンド整備から始めました
どれだけ石ころを拾っても拾ってもきりがありません
それでもいつかプレイのできる日を夢見て力を合わせます
野球部は練習の前後にグラウンドに挨拶します
それは誰に?野球に神様?それって誰?本当にいるの?
今なら確信を持って答えることができるでしょう
これまで普通に野球ができていたこと
これは本当は奇跡的なことであって
そこに辿り着くまでに多くの方の力があってのことだと
身を持って感じることができたはずです
君たちの子供らが将来挨拶する野球の神様
それは間違いなく君たち自身なのです。