初任研レポート
地震から 480 日目
豪雨から 216 日目
木曜日は初任者研修の日です
本校には初任者が5名
金沢にある教員総合研修センターで
各教科ごとに師範授業を試聴しました
5人全員が採用前は金沢での生活
久々に金沢に帰って
人々が何事もなく
普通の生活を送っていることに
きっと驚いていることと思います
「なぜ自分だけこんな境遇に…」
そんな思いになっても不思議じゃない環境です
輪島に戻る時に気分が滅入ることでしょう
「ただただ生徒のために」
そんなことしか言えないので心苦しいのですが
今日学んだことをきっと活かして
生徒のために頑張ってくれるものと信じています
【被災地に電気が灯るまで】第30回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
前回はボルタ電池は寿命の短い電池であること
その原因は水素の泡が銅にくっついて
電子のやり取りができなくなってしまうこと
であることを学びました
そしてそれを解決するにはどんな方法があるか
宿題としました
いかがでしょう?
発生した泡を取り除けばいいですね
でもどうやって?
誰かつきっきりになりますか?
あまり現実的ではありません
銅を自動的に振動できるようにして
泡がつかないようにしますか?
でもそれには別の電池が要りますね
ダメか?
アイデアに行き詰まったら
そもそも論に戻るといいです
そもそも水素が発生するからいけないんです
そもそも水素イオンが電子を受け取るからいけないんです
では水素イオンが電子を受け取らないようにする
にはどうすればいいか?
水素イオンよりも電子を受け取る力の強いものを
投入すればよいのです
当時の人はいろいろな薬品を試してみました
そして二クロム酸カリウムという物質が
有効であることを突きとめました
「分極」を防ぐこのような物質を
「減極剤」といいます
でもみなさん
「電子を受け取る力の強いもの」
といえば何かピンときませんか?
以前に電子を与える力の強い順番を学びましたね
そう
電子を与える力の強い順番
「イオン化傾向」です
「減極剤」を使わなくても
「分極」を防ぐ方法がありそうです
さあ
新しい電池の発明です
続きは明日
【今日のじょーおこらいえ】
校長ブログを読んで生徒が書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は3月7日「半島の最先端から世界の最先端へ」を読んで
「ヨーロッパ諸国の地図で見ると日本は世界の端っこで
能登半島は
かつて高度成長時代には裏日本と呼ばれた日本海側に位置し
今回のような災害時には道路が存在され
陸の孤島となるような場所という言葉に共感しました
地震の時私は輪島にいなくて
家に帰りたかったけど道がなくて帰ることができませんでした
道路が寸断されてしまうと
能登半島は孤立してしまうなと思いました
日本海側がかつて海運で栄え1877年に
加賀藩の人口が日本一になっていたことと
年収ランキングの歴代日本二位が加賀藩前田家であり
現在に例えると馳知事が
トランプ大統領の7倍貰っている計算になることに驚きました
『街プロ』の発表会では
門前高校の商品開発チームがいいなと思いました
震災で作られなくなったお菓子
『ごらいくん』を復活させて全国展開して
イベントでも完売させていたのですごいなと思いました
発表の時どら焼きの写真が出てきて食べたくなりました
ポスターセッションは少し緊張したけど
他の学校の人たちが何をしているのか
知ることができてよかったです」
《匿名希望》
実は今日の電池の話
一昔前の教科書に記載されていた内容であり
現在の研究では
実はもっと複雑な反応が起こっている
ということが明らかになっていて
参考程度の記載に留める
という教科書が増えています
歴史の教科書でも同様なことがあり
新しい発見があるたびに
教科書の内容はアップデートされています
ただ私は
当時の科学者の思考過程を追体験することも重要であり
そのことにより
新しい時代を創りだす力が育まれる
と考えています
「化学を教える」ではなく
「化学で教える」を意識してきました
全員を化学者にしたいわけではないからです
「事実はひとつしかないけど
真実は人の数だけある」
『ミステリと言う勿れ』の中で
久能整さんが確かおっしゃっていました
ボルタの電池で本当は
一体何がおこっているのか?
気になる人はぜひ自分で調べてみてください