意味づけとストーリー性

地震から 518 日目

豪雨から 254 日目

 

テネシー工科大学心理学科の

バリー・スタイン教授が行なった

興味深い研究があります

 

彼らは小学5年生の子どもたちに

次のふたつの文を見せました。

1.力持ちの男が、友達がピアノを動かすのを手伝った。
2.力持ちの男が、朝食の間に新聞を読んだ。

「ふたつの文のうち覚えやすかったのはどちらか?」

という質問をしたところ

成績のよい子どもは「1」

そうでない子どもは「2」

と答える傾向にあったといいます

 

何となく推測がついた人もいるかもしれません

一見すると文自体が短い「2」が覚えやすそうですが

内容をしっかり見てみると

前半と後半を関連付けられるのは

「1」であることがわかります

 

成績のよい子は

「力持ちだからピアノを動かすのを手伝ったんだろう」

と意味を持たせて記憶できるため

「1」を選びます

 

それができない子は

単純な文の長さで「2」を選んでしまうのです

 

何事も丸暗記ではなく『意味づけ』が大切なようです


さて発災以来

日本各地を訪れることが多くなり

さまざまな観光地を

何か復興のヒントとなるものはないか

探し歩く日が続いています

 

賑わう街に共通していること

それは歴史と伝統に『意味づけ』をしていること

 

さらには新しく創造したものに

『ストーリー』を持たせ

新たな歴史と伝統を

つくり続けていることです

 

キーワードは「〇〇と云われている」であり

必ずしも「〇〇である」必要はないのです

 

例えば

ベルギーといえばチョコレート

本当に?

ベルギーにカカオ豆は取れませんよ

地域にないものを他から持ってきても

ストーリーを持たせ意味づけさせてあげれば

立派な特産品となる好例です

 

国内に目を移すと博多の明太子

もともとは韓国のすけとうだらのキムチ漬け

韓国の言葉ですけとうだらは

「明(中国)」の鯛という意味の「明太」

戦後まもなくその味を忘れられないある調理人が

博多でその味を再現し

新幹線が博多まで延伸されたときに

お土産として売り出したら

爆発的ヒットになリました

 

それから仙台の牛タン

こちらも戦時中の話

それまで焼き鳥中心だった和食職人が

誰にも真似されないものをコンセプトに

試行錯誤の上作られた名物です

 

いずれにしても昔から

引き継がれてきたものではなく

苦境の中新たに作られたもの

しかも材料はご当地では手に入らないものです

 

先日訪ねた川越の神社でも

地元の方が考案して手作りした

「さつまいも掘りおみくじ」や

「金魚すくいおみくじ」など

外国人観光客に大人気でした

 

どうですか?

生徒のみなさん

柔軟な発想で未来の残る名産づくり

夢が広がりますね

 

ところで牛タン

果たして食用として耐えれるものか

当時は恐る恐る提供していたようです 

 

ちっちゃい子供にはどうなんでしょう?

厚生労働省の「離乳食ガイドライン」を調べてみました

赤身の肉を与え始めるのは

「カミカミ期」と呼ばれる

離乳食後期(9~11カ月頃)からが良いそうです

 

牛たんは独特の食感があり

そのまま与えると噛み切りにくく

喉に詰まらせる危険もあるそうです

細かく刻んだり

柔らかく煮込んだりする必要があります

 

生後9カ月から鉄分が不足しがちになるので

牛たんには鉄分が豊富に含まれお薦めだそうです

 

ほかの肉については?

鶏肉は離乳食中期(7~8カ月頃)
牛肉・豚肉は離乳食後期(9~11カ月頃)

からが好ましいそうです

ただしすりつぶすか挽肉にして

「焼き牛たん」になると

奥歯が生えそろう2歳半~3歳以降が適しています


【被災地に電気が灯るまで】第40回

 発電と電池の仕組みについて学び

 エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー