国語のメガネ
地震から 551 日目
豪雨から 287 日目
放課後の教室での一コマ
1年生の教室です
教卓に座っていらっしゃるのは
今年度異動して来られた
山本宏行先生
放課後ずっと教室に座って
クラスの生徒を集めて
学習に寄り添ってくださいます
まるで寺子屋です
こんな学習を3年間続けると
徐々に学習する生徒の輪が拡がり
自分達で学ぶ集団ができあがり
切磋琢磨しながら自走できるようになるのです
これこそが山本先生のスタイルです
まさに名人芸です
教員の名人芸を名人芸で終わらせてはいけません
それを伝承していく者が必要です
隣のクラスの宮下琢磨先生も
同じスタイルで寄り添いを始めました
震災で中学校のときに
学ぶ機会を一時失った生徒たちが
自分で学ぶ方法を身につけようと
必死で頑張っています
ホワイトボードにひたすら書きまくったり
友達同士でディスカッションしたり
思い思いの方法で学んでいます
【今日のDeep Purple】
「紫」をテーマに全ての教科を貫いた
深い教科横断型授業を作り出すコーナー
5日目は〔国語〕と繋げてみましょう
国語と「紫」といえばこれでしょ
「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」
(紫草の咲き誇るご領地を行きながら
野守が見ているのでは あなたが手を振るのを)
万葉集に詠われているこの歌
作者は額田王(ぬかだのおおきみ)
天智天皇の妃です
「あかねさす」は紫の枕詞
「紫野」は紫草を栽培する野で
そこは「標(しめ)」が張られた
一般の立ち入りが禁止された「標野」でした
つまり天皇の御領地です
題詞には
「天皇蒲生野(かまふの)に遊猟(みかり)したまひし時に
額田王の作れる歌」とあります
紫草というと
ラベンダー畑のように一面紫色を想像しますが
花は真っ白
根を使って紫色に染色するのです
色素の成分はシコニン(Shikonin)
紫根(しこん)の音をとったもので
わが国初の女性理学博士である
黒田チカ先生が成分解析に成功し
命名されたものです
歌の解釈に戻ると
「袖振る」は愛を伝える行為です
このことは
こちらも紫に紫(ゆかり)のある紫式部の
『源氏物語』にも描かれています
光源氏は「青海波」を舞いながら
それとなく思いを藤壺(ふじつぼ)に向かって
「もの思ふに立ち舞ふべくもあらぬ身の
袖うちふりし心知りきや」
(もの思いの苦しさに
立って舞うことなどできそうにないこの身ですが
袖を振って舞った意味がおわかりになりましたか)
さて歌の解釈に戻りましょう
自分に向かって「袖振る」君の姿を
野守つまり野の番人に見られてしまう
そのことをどうやら気に病んでいます
袖を振っているのは大海人皇子
あれ?
額田王は天智天皇の妃だったのでは?
この歌の背景やいかに?
日本史の先生に説明していただきましょう
また明日
【今日の「WAJI活」】
2年生が取り組む街づくりプロジェクトを紹介し
協力してくださる方を募集するコーナー
第15回目は「災害とペット」
〔解決したい課題〕
ペットに関する防災対策と知識の不足
〔目標とする未来〕
ペットにも人間同様災害に対して
適切な対策をしている未来
〔方法・手法〕
防災パンフレットの作成
輪島市の被災体験の発信
〔これまでの活動〕
おおね動物病院さんに話を伺ったり
校内アンケートを実施したりしました
東北復興ツアーや
東京大学で行われたマイプロジェクトに参加し
情報収集しました
同じ被災地トルコの高校生と交流しています
能登空港で行われた
のとマイプロジェクトでは
自分達の活動を
地域企業の方々や副知事にプレゼンし
意見をいただきました
今後は
大阪・関西万博での出店に向けて準備していきます