心配事の9割は起こらないを掘り下げる
地震から355 日目
豪雨から91 日目
牛丼と焼き鳥の炊きだしをしていただきました
ご協力してくださったのは
チーム福島
金沢支援ネット
グリーンコープ
大谷派災害支援チーム輪島
のみなさんです
溢れんばかりの生徒の笑顔です
ありがとうございました
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国際文化フォーラムの長江春子さまから
書籍のご寄付をいただきました
ありがとうございました
大成建設様との協創事業もすすんでいます
卒業制作として
被災地の瓦礫を転生させたベンチを作るプロジェクトです
今日は会社の方々といっしょに設計図づくりです
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さてさて
「心配事の9割は起こらない」
本当か確かめる実験を始めたまではいいのですが
途中で心配事を数えるのを忘れてしまい
自らの忘却力の証明に終わってしまった
先日の一件ですが
実験結果を踏まえての考察をします
そもそもなぜ人は心配するのか?
検証モデルがうちの3姉妹です
最も心配力の高いのが三女です
小学校の頃朝読書があり
そのための本を
朝 図書室へ行って
借りることになっているのですが
「本借りれるかなー」
と前の晩から眠れなくなるタイプでした
次女は
「借りれなかったら教科書でもいっかなー」
長女にいたっては
「借りれなかったら自分で本書くわ」
ってタイプなので
3者3様でおもしろいです
今年の1月1日午後4時10分
輪島から60キロほど離れた
能登最大の神社気多大社で
私は初詣をしていました
一緒にいたのが我が晴れ女と三女
おみくじをひきました
「大凶
故郷がなくなる
家はつぶされ
波に流され
炎に焼き尽くされ
なにもかも
跡形もなく
運命まであと数分
逃げろ
命が惜しければ」
仮にそう書かれていたとしても
きっと一笑にふしていたことと思います
テロンテロン
テロンテロン
地震です!
通常城郭や神社は
古来地盤のしっかりしたところに
建てられているので
ちょっとやそっとの地震では
揺れないはずですが
それでもかなりの揺れでした
「火を止めろ!」
露店のフライヤーの油が
飛び跳ねています
津波警報発令!
とにかく高台へ
神社の裏山へ駆け上ります
警報が解除されたら家へ帰ろう
ところがいつまでたっても
警報の解除がありません
やがてあたりは真っ暗闇に
そして凍える寒さに
その時脳裏をよぎったのが
そうだ
確かこの山の上に宿泊施設があった
もしかして避難所となってるかも
一筋の光を頼りにたどり着くと
果たしてそこは
避難所開設の準備の真っ最中でした
続々と人が押し寄せてきます
受け入れのお手伝いをしながら
深夜
テレビから目に飛び込んできたのは
燃え盛る被災地の姿
ん…?
それは見慣れた風景
そう自分が数時間前まで過ごしていた
まさにその場所でした
両親は無事か?
戻ろう!
必死で反対したのが
心配遺伝子の三女でした
すったもんだのあげく
その晩はその場所で夜を明かすことに
三女の言うことに従いました
翌朝輪島へ向かいました
あちらこちらに
道路の亀裂に落ちた車
土砂に埋もれた車
おそらく三女の言うことを聞いていなければ
こんなふうに命を落としていたことでしょう
心配遺伝子が救ってくれました
太古の昔
我々人類の祖先はアフリカで生まれ
それからいろんな方向に住処を求めて
旅立っていきます
途中何度も命の危機に晒されながら
あるいは何度も仲間の死を目にしながら
「本借りれるかなー?」
その度に心配遺伝子が発動し
いろんな危険を回避しながら生き延び
そして極東のさいはてまでたどり着いたのが
我々日本人の祖先です
たどり着いた後も
幾度となく災害に見舞われ
心配遺伝子を持たない個体は
そのたびに淘汰され
心配遺伝子を持つ個体が
多く生き残ってきたと考えられます
心配遺伝子は正式には
セロトニントランスポーター遺伝子SS型といって
セロトニンという不安を抑えるホルモンの分泌を
低下させる遺伝子です
日本人の8割が持っています
欧米人では4割くらいなので
日本人は欧米人に比べて
心配性な人が2倍存在することになります
さらに日本海側に住む人に
この遺伝子を持つ人が多く
秋冬にはそのはたらきがさらに強くなります
このことはセロトニンに関係する
脳の松果体という部分が
日照時間に大いに関係があるからです
冬の日本海側は日照時間が短いので
不安感が慢性的に続き
不眠 抑うつ 認知機能の低下が起こり
高齢者における事故が増加するというデータもあります
被災者のみなさん
意識して陽の光を浴びるようにしましょう
それから夜中にゲームして夜更かしし
朝起きれないということがないようにしましょう
いろんなことに不安になってしまう人
集団の中にいるのが怖い人
生きづらさを感じている人
心配遺伝子のしわざなので
だいじょうぶです
それは生物学的に見ると
生存競争の上でとても重要なもので
強く生き残るための遺伝子なので
自信を持ちましょう!
日本人の祖先が
世界のさいはてにたどり着くまでに
手に入れたものもあります
それはアフリカのことわざ
「早く行きたければひとりで行け
遠くへ行きたければみんなで行け」
にあるように
みんなでたどり着いたということです
ひとりだとチャレンジするのが不安だったり
他人の目が気になったりしても
みんなで力を合わせて
助け合い
励まし合い
感謝しあうことで
大きな力を発揮できるのが
日本人です
古くは東洋の魔女
ラグビーやサッカーのWカップ
World Baseball Classic
陸上の男子リレーなど
国際的に活躍したのは
チームプレイに象徴されるものが多いです
個人競技であっても
そのインタビューの中で
チームとして戦ってきた
その仲間に感謝を述べる方がほとんどです
スポーツに限らず
iPS細胞に象徴される研究や
芸術・ビジネスでも
力を合わせて
阿吽の呼吸で協創するのが
日本人の力です