コロラドの夏

地震から 567 日目

豪雨から 303 日目

 

夏休みで思い出すのが

初任の夏に行ったアメリカ研修旅行です

コロラドを中心に3週間ほど

アメリカ各地の学校を視察してきました

 

教育委員会企画の英語科の研修でした

私は担当は理科なのですが

知らん顔して紛れ込みました

 

当時から教科横断を実践していました

そしてその時の経験は

その後の私の教員生活にとって

大きな影響を与えてくれました

 

その時ご一緒したふたりの英語の先生と

およそ40年の時を超え

お逢いする機会に恵まれました

 

おふたりには英語だけでなく

教師としての矜持など

多くのことを学ばせていただきました

 

ただ3人の行動は

同行した他の先生方には

予測不能 理解不能だったらしく

3dollers(スリーダラーズ)

と呼ばれていました

 

『ダラ』というのは

石川県の方言で『ばかタレ』の意味です

 

この語源については

「知恵タラズ(足らず)」が

地方に伝わる過程で変化したという説が有力です

鳥取・島根の「ダラズ、ダラ」や

新潟の「タラズ」がその証拠とされているそうですが

私は『阿呆陀羅経』説を支持します

小さな二個の木魚をたたき

または扇子で拍子を取りながら街頭で演じて

銭を乞うた乞食坊主が謳ったお経です

1750年頃大坂で始まったそうです

 

さて

1ダラー目の中先生は

渡米後のウェルカムパーティーで

女性の田中先生に続き

「I'm not Miss Tanaka but Mr.Naka 」

と洒落たIntroduceをかますような

センスあふれる方です

現在も複数の肩書をお持ちで

クリエイターの 栗 瑛太 氏

有言不実行家の 口田 圭 氏として

各方面において

その才能を余すことなく発揮されています

 

2ダラーズ目の向先生は

そんな才気煥発な1ダラーを

大きく包み込み

あるいは手のひらの上で転がすように

才能を開花させる術をお持ちの方で

校長先生を経てご退職なさいました

 

そしてそこに運良く加えていただいた

3ダラーズ目の私は 

その時の経験を現在

被災地の子供達の目を

世界と未来へ向けさせるため

生かしていますので

何が幸いするかわかりません

 

当時の教員にとっての夏休みは

かように自己研鑽をするための

極めて重要な時間でした

 

しかしながら

先日の小学校の盗撮グループのような

一部のふしだらな教員のせいで

教師に対する信頼が大きく揺らぎ

世間の目が厳しくなるとともに

大多数の真面目で誠実な教員から

貴重な研修の時間を奪ったのです

 

私が教員を志した大きな理由のひとつが

「夏休みがあるから」でした

 

教員のなり手不足対策の大きなひとつが

自己研鑽のための時間の保障です

教員に夏休みを取り戻せ!

OECDを通して

教員のウェルビーイングを提案していきます

 

さて

昨年度のフランス研修

今年のGWのポルトガル研修に続き

今年の夏休みにはアメリカ研修を実施します

 

医療関係志望の生徒3人を

災害医療を専門に学ぶアメリカの大学へ

10日間ほど派遣します

引率は養護教員の栃木麻紀先生

災害時のトリアージなども学ぶ

教員にとっても貴重な研修です