鉄砲伝来
地震から 461 日目
豪雨から 197 日目
ゴールデンウィークに計画している
ポルトガル教育視察
2名の2年生が行くことに決まりました
ポルトガルといえば
日本に鉄砲をもたらした国として知られます
1543年
インドから中国へ渡ろうとしていた西洋の船が
嵐にあって種子島に漂着します
乗り合わせた中国人を見つけた
種子島地頭の西村織部之丞は
咄嗟に砂浜に漢字を書いて
筆談を始めるのでした
そしてこの船はポルトガルから商売に来たことを
理解します
さっそく島主の種子島時堯に報告したところ
血気盛んな16歳の若き島主は
その持ち物の鉄砲に興味を示します
2挺の銃を2000両でお買い上げ
1両は今のお金に換算すると10万円なので
しめて2億円
なんというボンボン息子という気もしますが
日本の歴史を大きく変える買い物だったことを考えると
安いものかもしれません
現在年間2000億円ずつトランプに払い続けている
思いやり予算に比べると端金(はしたがね)ですね
買い上げた2挺のうち
1挺は藩主島津家を通して室町幕府へ献上
もう1挺は
刀鍛冶の八板金兵衛に渡しその複製を命じます
卓越した技術を持つ金兵衛は
たちまち複製に成功しますが
実際に撃ってみると暴発して使い物になりません
当時日本にその技術がなかった
「ネジ」に秘密があることまではわかるのですが
その製法がとんとわかりません
1年後再来日したポルトガル人に
その製法を尋ねたところ
教えてもいいが
代わりにお前の美しい娘を妻によこせという
1年間父親の苦しむ姿を見続けていた娘若狭は
自ら進んでポルトガルへ嫁ぐのでした
なんか大河ドラマになりそうな展開です
さて日本の歴史に欠かすことのできない種子島
科学的にも非常に重要な意味を持ちます
ご存じJAXAのロケット発車台がある場所でもあります
種子島には世界最大の〇〇として
ギネスブックに登録されている施設があります
それは「世界最大の一枚扉」です
https://www.khi.co.jp/rd/technologies/infra/infra2.html
ロケットを組み立てた後
発射台までそのまま運搬するために
必要な扉です
高さ67mあります
私はこの施設を見に
種子島を訪れたことがあります
夕食に入った料理屋で
地元の漁師と意気投合し
ひとしきり盛り上がりました
そこでトビウオの刺身を生まれて初めて食べたのですが
その美味しかったこと
地元の漁師曰く
種子島には独特のトビウオ漁があるそうです
漁師が甲板に仁王立ちになり
そのまま船を走らせる
すると飛び跳ねているトビウオが
仁王立ちの漁師の胸板に勝手にぶつかり
足元にボタボタと溜まるのだそう
酔っ払いの話なので
どこまで本当かわかりませんが
ところでロケット発車台
どうして日本では種子島にあるのでしょう?
単に土地があるからではなく
科学的な理由があるのです
発射台は垂直に建てられているのではなく
少し東へ傾けて建てられています
それは地球の自転による遠心力を利用して
発射にかかるエネルギーを節約するためです
室伏選手のハンマー投げをイメージするとわかりやすいです
遠心力は赤道に近いほど大きくなります
なのでできるだけ南にある種子島に
発射台が設けられているのです
アメリカのNASAの発射台も
フロリダにありますしね
娘若狭の決断もあり
ネジを作る技術を手に入れた金兵衛は
やがて西欧の技術を上回る
高品質の国産鉄砲を作り出します
当時西欧では融点の低く脆い青銅でしか
鉄砲を作ることができなかったのですが
日本に古来から伝わる刀鍛冶の技術を生かし
西洋の鉄砲をはるかに技術的に上回る
鉄砲の製作に成功するのです
トランプが関税をかけてきやがっていますが
報復措置を考えるのではなく
高くても買いたくなる
高品質の製品をつくりつづけることが
日本の生きる道であり
そして使命であると
あさはかな素人考えを巡らせています