校長室より「おこらいえ」
オール金沢大学で被災地支援
112日目
発災以降
金沢大学さんが
さまざまな支援活動 調査活動を
してくださっています
「里山里海創造WG」
創造的復興に向けた構想の立案を行います
「合同調査チームKUD」
文理医融合のチームから情報発信を行います
「こころのケアKEYPAT」
心の不調を心理面から支援します
「医療支援」
被災者の健康維持に中長期的視野から行います
「教育・ひとづくり」
学習環境の整備と帰還期復興期の地域再生を行います
本校もずっとお世話になっています
「被災地支援」
学生や職員によるボランティア派遣を行います
今日はその報告会にお邪魔しました
(1)震災遺構
今回の地震は複合災害であり
全ての現象が一度に見られた
まれに見るケースです
地盤隆起 地盤沈下 液状化
津波 断層変異 大火災
地盤災害 盛土崩壊 強振動
これらのものを震災遺構として残し
後世への災害教育の教材として
活用する取り組みがあります
(2)津波痕跡
今回の津波は
近い津波で早い津波でした
その割に失われた命が少なかったのは
普段からの避難訓練の
賜物なのだそうです
(3)心のケアDPAT
被災民の心のケアと精神医療を行うチームです
「同僚に言葉に傷ついた」
「職場での配慮がない」
などの悩みが多かったそうです
(4)学びの支援
ずっと本校もお世話になってきた
文教会館での学習環境整備
学生さんによる学習支援
食事の提供もいただきました
学生さんによるボランティア支援
「ボラさぽ」の発表もありました
学内のさまざまな部局・組織が連携して
オール金沢大学で
我々に寄り添ってくださり
震災からの復旧・復興及び支援に
全力を尽くしてくださっています
本当にありがとうございます
恩返し、恩送り
110日目
岩手県の盛岡商業高等学校のみなさんから
あたたかいご支援をいただきました
13年前の東日本大震災の際に
全国の皆様からいただいた励ましに
心強い思いをしたからとのこと
本当にありがとうございます
盛岡商業高校さんとは
平成30年の「朝市全国サミット」で
ご一緒させていただきました
盛岡には神子田朝市があり
ゆるきゃらの「あさどりくん」とも
記念写真を撮りました
東日本大震災から
どのように復興しているのか
ぜひ見せていただきたいです
本校には、毎朝の読書タイムがあります
落ち着いた雰囲気で1限目を
迎えることが出来ます
今年度は
避難先から通って
オンラインで授業を受けている
内灘高校と時程をそろえるため
1限目のはじまりが遅くなっています
そのため例年よりも
じっくりと読書をすることが
できています
若いうちにいっぱい本を読んでおくのだぞ
自分も若い頃よく言われたものですが
この歳になって
その理由がわかりました
まず目を凝らさないと字が見えない
薄暗いところでは全く読めない
2ページ前に登場した人物を忘れる
その度に戻って確かめる
だから若い頃の5倍は時間がかかる
座って読むと腰が痛い
寝転がって読むと首が痛い
あと言語を理解するときに
分泌されるホルモンには
その副作用として
ある年齢までは覚醒作用
ある年齢を超えると誘眠作用
があるそうです
だから小学生は本を読むと
目がらんらんとしてくるのですが
高校生くらいになって
教科書を読むと
眠くなるんですね
この情報は昔ある本で読んだのですが
出典が明らかではありません
妙に納得できる説ではあります
3ページ目には大概寝てます
とかく読書には体力が要るのでした
子どもも大人も一緒に前を向いて
109日目
アメリカから
アリゾナ日本企業懇話会の
ビバリー・ワシャチェック
ディーン・ワシャチェックご夫妻が
お見えになりました
何かお手伝いがしたいということだったので
それなら生徒の話し相手になってくださいと
お願いしました
3年生の「総合英語」の授業
内灘高校ともオンラインで繋いで
生徒から今回の地震について
プレゼンテーションしました
2年生の「WAJI活(街プロ)」の時間
この時間では
「僕らのまちは、僕らがつくる」
をテーマに
輪島の再生について取り組んでいます
輪島市高校魅力化プロジェクトの
藤川恵里さんの
ファシリテーションにより
ワールドカフェの手法を用いて
話し合いました
「観光」「教育」「漁業・農業」「スポーツ」
「祭」「医療」「輪島塗」「子育て」
など10のカテゴリーに分かれて
自分の興味ある
街の再生に取り組みます
毎週木曜日の2:55から3:40
保護者や地域の方もぜひ
ご自由にお越しください
専門のお立場から
アドバイスくださってもよし
高校生からぜひ行政に働きかけてほしい
といった要望でもよし
先日来てくださった
震災学の専門家から教えていただきました
学校を中心とした地域の方々が
話し合える場所というのは
心のリハビリ
ショックから立ち直るのに
とても有効なのだそうです
未来が見えないという方
ぜひ高校生とお話をしに来ませんか
一緒に入って
ウンウンって頷いているだけでも
ぼーっと聞いているだけでも
リフレッシュになりますよ
明日に向かう勇気になりますよ
ぜひお気軽に
子どもがこうして
しっかりと前を見つめて
歩き出している逞しい姿を
ぜひ保護者の方にも
見ていただきたい
そう思います
夜にはPTAの役員会をしました
例年なら
会長はじめ役員を選出して
役員が伝を辿って電話して仲間を募り
専門委員会を組織して
年間行事を決めて…
という具合ですが
今日決めたことは
「みんなで楽しいことしよう!」
それだけ!
朝の街頭指導や自転車マナー指導
祭礼時の見回りなども一切なし!
子供が喜ぶこと
大人が楽しいこと
それだけ!
専門委員会組織もなし
一部の役員だけ苦労するPTAにはしない
一応名前だけの会長はこのあと決めるけど
みんなが被災者こんな状態だから
みんなが会長
行事や会議の案内は全員に送りますが
参加は自由
いつでもどなたでも
来たい時だけ来て
楽しいことだけ参加して
少しずつ仲間の輪が広がれば
PTA本来の活動を
取り戻せる気がします
今年はチャイムを鳴らしません
108日目
今年度の新しい取り組みとして
チャイムを鳴らさないこととしました
自分で時間管理をする力を
つけさせるためです
震災を経験して
待つだけでは物事が進まないことを
実感できた今だからこそ
一気に意識改革が進むと判断しました
時間通りに授業を開始するために
まず教員の職員室を出る時間が
早くなりました
チャイムが鳴ってから
「きりーーつ、れーー、ちゃくせーーき」と
けだるそうに始まる雰囲気がなくなりました
時間通りに授業を始めることを
生徒に求める以上
時間通りに終わることを
生徒は求めます
教員の移動時間も必要です
授業の組み立ても
当然変わります
良い授業の直後には
生徒がたくさん質問に来ます
質問の数は
それだけ生徒の意欲を高めたという
バロメーターです
ですので質問対応の時間との兼ね合いが
課題です
生徒に応じて
この生徒はモヤモヤさせておいて
自分で考えさせた方が効果的なのか
あるいは即座に答えておかないと
意欲が一気に低下するタイプなのかを
見極める力が
教員に求められます
心理学には
「ツァイガルニク効果」
という法則があります
終えてしまった事柄よりも
途中で中断された事柄の方が
より記憶に残るというものです
授業の最後には綺麗にまとめをしなければ
というのは
案外教員側のみの
自己満足に過ぎないというのが
私の持論です
授業の様子をお伝えします
1年生の地理総合です
担当は寺田知絵先生
国土地理院のデータにアクセスして
災害マップや避難経路を学びます
自らの経験と照らし合わせて
より実践的な授業となりました
ストリートビューには
被災前の風景が映し出されます
失ってしまった我が家を見つめ
「まだ建っとる!」
意外と笑顔です
この生徒は現実を受け入れ
次に向かってのあゆみを
始めているのでしょう
ハザードマップを調べて
「やっぱりな、ここ危なかったもん」
避難経路を調べて
「嘘やこれ!全然使えんかったし」
想定された経路が
実際には全く使えなかった
想定と現実を複合的に捉えることで
ハザードマップ作成に新たな視点を
加えることのできる
実践的な教材です
1年生ビジネスコースの体育です
担当は中野智貴先生と山下友子先生
「ともともコンビ」です
被災による一家転住の影響を
最も大きく受けたクラスで
わずか13人しかいませんが
その人数でできること
工夫を凝らしてやっています
今日は大縄跳びと8の字飛び
思いっきり飛び跳ねていました
いろんなこと
107日目
不便な被災地生活をしていると
いろんな生活の知恵に出会います
水道が満足に使えないと
ウエットティッシュに
お世話になることしきりです
ただ
1枚だけ欲しいのに
次の1枚もついて来て
「イー〜っ#」
ってなることがしばしばです
そんな時そんな日は
あらかじめ輪ゴムを巻いておくと
次の1枚がくっついて来なくなります
お試しあれ
今日、ニューヨークにある
ブルックリン日本語学園の
ガルシア奈津子先生より
お便りが届きました
ブルックリン日本語学園には
日本にルーツを持つ子どもたち
幼稚部から高等部まで
およそ180人が通っています
今回そのうち初等部の4、5年生が
能登半島地震の被災者のために
何かしようと
ニューヨークで募金活動を
してくださっているようです
遠い国から
本当にありがとうございます
この様子は
16日(火)朝の
石川テレビで放送されるそうです
北陸放送の原田幸子アナからも
素敵なお便りをいただきました
「今日、すごい命に出会いました!!
カタツムリです。
カタツムリは長距離移動することができないので、
その地域ごとに固有種が存在することになります。
石川県で見られる「ノトマイマイ」。
雨あがりの青空に向かって、グッと
首を持ち上げました。
その姿が、未来に向かって道を切り拓こうとする
そんな風に見えたのです。」
へー、この地方のカタツムリに
ノトマイマイって名前がついているんですね
カタツムリは日本全国同じだと思っていました
そういえば
シンガポールへ行ったとき
むこうで見かけたカタツムリは
さきっぽがとんがっていて
まるでバイ貝が這っているようでした
でもたぶんおいしくはないんだろうな
たまにグラウンドの水たまりでみかける
わかめのようなやつ
あれもおいしくはないそうですね
I’d rather be a sparrow than a snail
サイモンとガーファンクルは
地べたを這うカタツムリよりも
空を舞うスズメになりたいと唄いますが
青空に向かってクビを持ち上げる
カタツムリもいいですね
なんだか
「井の中の蛙大海を知らず」
のことわざには実は続きがあって・・・
というくだりを思い出しました
「井の中の蛙大海を知らず
されど空の青さを知る」
カタツムリでさらに思い出したのですが
昔ナメクジが空を飛んでいるのを
見かけたことがあります
正確にいうと
粘液をまるで蜘蛛の糸のように使って
風に乗って木から木へと移動していたのです
蜘蛛でさらに思い出したのですが
今回同じく被災した飯田高校の
窓に巣を張るある種の蜘蛛は
夕方になると
毎日せっせと店じまいをするのです
巣の糸を1本ずつ外して
くるくると器用に丸めてポイ
そのしぐさがなんともユーモラス
きれいに片付けて
翌朝律儀に新たな巣を張るのでした
震災でどうなったかな?
元気かな?
娘が小さい頃持った疑問
「どうしてクモって自分の巣に
かからないのかな?」
そう言われてみると???
気になって調べてみたら
縦糸って粘着性がないんですね
横糸だけがねばねばしています
なるほど
よく観察してみると
蜘蛛は自分の巣を歩くとき
たしかに縦糸の上しか歩いていません
そのとき娘が
自分で編み出した答えは
「わかった!
心の足で歩いているからだ!」
アンパンマン見過ぎの娘でした
なんや?心の足って?
でも すぐさまネットで調べた父親に比べて
自分で答えを見つけた娘
こどもって偉いですね
話をナメクジに戻して
ナメクジに関係した
「三すくみ」という言葉があります
ナメクジは食われるから蛙を恐がり
蛙は食われるから蛇を怖がり
蛇はナメクジを畏れる
三者が揃うととお互いにすくんで
身動きがとれなくなることを表します
それにしてもなぜ蛇がナメクジを???
そこには私の専門
化学が関係しているのです
蛇の皮膚はビオレで洗ったように弱酸性です
一方ナメクジは
空を飛ぶ原動力ともなった
皮膚の粘液がアルカリ性
酸とアルカリが反応して水ができる
いわゆる中和反応は発熱反応です
1モルあたり57キロジュールの
大きな熱を発生させます
簡単にいうとナメクジの粘液が皮膚に触れると
蛇はやけどをしてしまうのです
そのことを経験的に知っている蛇は
ナメクジの姿を見ると逃げ出すのでした
なんか久々に授業したくなったな