令和4年9月30日
教職員の主体的な学びを支援する伴走者として
春先には、不安な面持ちで初任者研修に通って来ていた新任の先生方の表情も和らぎ、落ち着いて研修に取り組んでいる姿が見られます。研修センターの研修は、春から夏にかけては、初任者のほか、3年目、6年目などの若手の経年研修が多く設定されており、教員としての基礎を形成するための実践的な学びを深めるとともに、久しぶりに会った同期採用の仲間とのささやかな同窓会の場にもなっています。その後、夏季休業、2学期にかけては、主に中堅層の希望者を対象としたややレベルの高い教科等研修や教育課題研修を多く実施しています。
先日、ある教育課題研修を参観しました。30人くらいの参加者がグループに分かれて協議をしている場面でしたが、研修室に入った瞬間、先生方の熱量に圧倒されました。自分の学校の取組を熱心に説明する姿、前のめりになってうなずきながら聞く姿、床に膝をついて小黒板に意見をまとめる姿など、どの教員も集中しており、自分で求めて参加した今日の研修で、自らの取組を検証したい、よりよい取組を取り入れて試したいという気持ちが溢れ出ていました。その様子を参観しながら、ふと「この先生方に習っている子供たちはきっと幸せだな」と感じました。それは、この先生方の熱心な学び合いの姿がそのままご指導されているそれぞれの学校での授業中の子供たちの姿と重なって見えたからです。
国の掲げる「令和の日本型学校教育」を進めるには、児童生徒のみならず、教師の学びにも「個別最適な学び」「協働的な学び」の充実を通して、「主体的・対話的で深い学び」を実現することが求められており、子供の学びと教師の学びは相似形であるべきといわれています。
教師は、子供たちにとって身近な存在であり、人格形成に与える影響は大きいといえます。日頃から主体的に学び続ける教師の姿を目にすることで、自らも主体的に学ぼうとする意欲を培うことができるのです。
私たち教員総合研修センターは、教職員の皆さんの主体的な学びを支援する伴走者として、今後とも職員一同がさらに指導力の向上を図り、質の高い研修を提供できるよう、努めてまいります。