石川県教員総合研修センター 所長 あいさつ

令和7年4月18日
「学校と保護者の協力体制」

 

石川県教員総合研修センター所長 金子 俊一

 

 保護者の皆さんにも教職員の皆さんにも、子どもの頃がありました。思い出してみてください。

  子どもたちにとって学校は小さな社会です。友達と楽しく過ごすこともあれば、時にはトラブルになることもあります。頑張ったことを褒められることもあれば、時には失敗し注意されることもあります。何かに勝つこともあれば負けることもあります。学校外や家庭においても、同様なことが言えるのではないでしょうか。

  そして、子どもたちは、いろいろなことを経験する中で、自分や友達、家族のことを大切にしながら、トラブルや失敗などをどのように乗り越えていけばよいのかを学び、成長していきます。その学びや成長の過程には、子どもたちをあたたかく受けとめ人としての成長に導く、先生や家族の指導・励ましがあったのではないでしょうか。

   このような日本の教育は、高い学力と規律性(道徳心や協力性)などから、諸外国から高い評価を受けています。学校が子どもたち一人一人の理解に努めるとともに保護者との協力体制を築き、学校と家庭が共に力を合わせ、子どもたちの知・徳・体の育成に取り組んでいるからと考えられます。

   しかし、不登校・いじめなどが全国的な課題となっており、この日本の教育のよさが少し弱くなってきているのではないかと危惧されます。

   これらは、学校内外や家庭において子どもたちがいろいろなことを経験する中で、トラブルや失敗などを上手く乗り越えたり解決したりすることができず、子どもたちの心が満たされていないことが要因と思われます。

   改善していくには、信頼できる先生、仲のよい友達、安らぎある家庭(3つの視点)を大切にした学校と保護者の協力体制が重要であり、子どもたちに関わる大人(学校・保護者・地域)が日本の教育のよさを再認識するとともに、協力して対応していくことが求められます。

※参照 石川県 不登校やいじめの未然防止と早期発見・早期対応
「伸び伸びと明るく過ごせる学校づくり」を進めましょう(令和7年3月発行)

   教員総合研修センターでは、教職員の本分である「授業づくり・集団づくり・保護者対応」の実践力が高まるよう、研修講座が設けられています。これら実践力の高まりは「信頼できる先生・仲のよい友達・安らぎある家庭(3つの視点)」に結びつき、不登校・いじめなどの課題を改善していけるものと考えています。

   教職員の皆さんの主体的な学びを支援する伴走者として、研修受講後に「これをやってみよう」「このように変えてみよう」という気持ちを生み出すような、実践的な研修を提供できるよう、努めていきたいと思います。