白山市立北辰中学校 第13代校長 才鴈 浩子(さいがん ひろこ)
昨年度、創立40年目を迎えました。13学級、生徒数384名の全生徒と教職員で、北辰中の伝統を継承し、さらなる高みへ発展させていきます。そして、良き校風を受け継ぎ、学校教育目標「目標をもち自ら学び 心豊かで たくましい生徒の育成」の実現に向けて邁進して所存です。保護者の皆様、地域の方々、どうか本年度も本校の教育活動にご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
【白山市教育委員会指導の重点】 学校教育基本方針「感性を豊かにする教育」
基本理念 「ふるさと白山の未来を拓くひとを育てる」~ 地域とともに ~
令和6年度重点 「白山手取川ジオパーク(白山ジオ)教育の推進」
1 校 訓 「志あり 目覚めありて行え」
教育目標 「目標をもち自ら学び 心豊かで たくましい生徒の育成」
2 学校経営の基本理念
生徒、教師、保護者、地域が相互にパートナーとして一体となり、「いい音」を響かせ「愛」を育む学校づくりを目指します。そのために、学校教育目標・教育方針を共有し、カリキュラム・マネジメントの充実を図ります。
(1)学びが保障され、現状に甘んずることなく、より高みを目指す学校
(2)教師と生徒、生徒間のよりよい人間関係のもと、安心して学校生活をおくる学校
(3)保護者や地域と連携・協働し、健やかな子供の成長を支える学校
3 教育方針
(1)学習意欲を高め、自分の言葉で理由をつけて考えを伝えることができる生徒の育成 【学び】
(2)人と人との絆を大切にし、互いに認め合い、支え合おうとする心豊かな生徒の育成 【 絆 】
(3)基本的生活習慣を身に付け、自らの健康や体力の増進に努める生徒の育成 【健康】
4 めざす生徒像・教師像
(1)これからの社会を生き抜くたくましさと資質・能力を身に付け、夢に向かって挑戦する生徒
① 目標をもち、自ら学び創造する生徒
② 知性と思いやりのある礼儀正しい生徒
③ たくましい未来を切り拓く気力と体力のある生徒
(2)教職への誇りとやりがい、自らを高めるために学び続ける謙虚さをもつ教師
① 指導力の向上に努め、学び合い、支え合い、高め合う教師集団
② 生徒の心の成長を願い、組織の一員として学校経営に参画する教師
③ 学校教育目標の実現に向け、チャレンジ精神をもち、教育への使命感と情熱をもつ教師
【教師の心構え】 ・非は己に求めよ ・愛敬の中で毅然たれ ・吾が道の尊厳を知れ |
5 経営方針(令和6年度 重点目標)
(1) 目標をもち自ら学ぶ生徒の育成
① 意欲をもって学びに向き合う生徒の育成
研究主題「自分のことばで考えを伝えることができる生徒の育成」
~ 聴く力を土台とした、みんなが話せる授業づくりを目指して ~
・日常的に「北辰オリジナル授業デザイン」を実践し、一人一人の状況を丁寧に見取る。
・朝学習や朝読書、学習コンテスト、質問教室等の充実により、基礎・基本の定着を図る。
・定着が不十分な内容について繰り返し取り組ませる等、家庭学習の習慣化を図る。
② 個に応じた指導と集団への指導の充実に向けた授業改善
・GIGAパソコンを活用し、生徒の創造性を育み、主体的な学びになるよう工夫する。
・自分の考えを伝える(学び合う)場面の充実を図る。「なぜ」「どうして」「もっと聞かせて」 【重①】
・キーワードを明確に自分の言葉で、まとめ・振り返り(適用問題)をする場面の充実を図る。【重②】
(2)心豊かな生徒の育成
・「校歌」を大切にし、誇りをもって歌う場を設定し、「いい音」を響かせる
・一人一人の生徒を大切にし、温かな声掛け等、自己肯定感を高める関わりをする.【重:生指】
・特別の教科 道徳の授業を要とし、教育活動全体を通した道徳教育を充実させる。
・生徒会活動、学級活動、学校行事、ボランティア活動、部活動等を通した絆づくりを行う。
・リーダーを育成し、生徒会、学活、学校行事、ボランティア、部活動等を通した絆づくりを行う。
・白山手取川ジオパークの学習、環境教育(花づくり)、食育、SDGs(11 住み続けられるまちづくりを)に関する教育の充実に努める。
(3)たくましい生徒の育成
・学んだことを振り返りながら、新たな学習や生活への意欲につなげたり、将来の生き方を考えたりする活動(キャリア・パスポートの活用)を行うなど、キャリア教育の充実に努める。
・さわやかな挨拶や返事のできる生徒を育成するために、「ニコ活」等で、教師がモデルとなり「挨拶は、自分から、相手の顔を見て、心に届くように」を繰り返し指導する。
・いじめの適切な認知や不登校の未然防止、気になる生徒の早期発見と組織的対応に努める。
・リーダーを生かし、特別活動や部活動等に主体的・協働的に参加する活力ある生徒を育成する。
6 具体的方策
(1)生徒の学力向上と教師の授業力向上
①授業を大切にする生徒の育成
・褒め、認め、励ましの声掛けを行うことで、学びの態度の育成を図る。
・自ら課題をつかみ、考えをもち、学習を調整しながら粘り強く取り組む態度の育成を図る。
・「北辰オリジナル授業デザイン」に基づく学力向上の取組による学習集団の育成を図る。
②家庭学習に主体的に取り組む生徒の育成
・定着が不十分な学習内容について、繰り返し取り組み、家庭学習の習慣化を図る。
・外部人材を活用し、質問教室、補充教室等、個々の才能を伸ばすための学びの機会を提供する。
・PTA総会や懇談会、各種お便り等を通して保護者への理解、啓発に努める。
③ 研究主任のリーダーシップと研究推進委員会の充実
・研究主任のリーダーシップによる研究体制の構築を図り、実態に合った研究の重点を示す。
・全体研究会や定期的な研究推進員会、教科部会の開催により、研究の重点に対する取組の検証及び具体的改善策について話し合い、学力や授業力の向上に努める。
・学力向上プランを活用し、課題だけでなく成果を共有することで、生徒の成長を実感する。
④個に応じたきめ細かな指導の実践
・ICT活用と少人数による指導体制の整備を両輪とした個別最適な学びの実現を目指す。
・特別支援教育支援員等との連携による学習支援の充実に努める。
⑤校内外の研修会への積極的な参加(オンライン含む)と還元
・教職生涯を通じて、学び続けることの大切さを自覚し、積極的な研修への参加を促す。
・「令和の日本型学校教育」を担う教師の学びの姿に向けた「研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励による研修」を推進する。※R5.4.1より施行(教育委公務員特例法第22条の6第2項他)
・職員会議や校内研修会、研究通信、資料配付等で還元の場を設け、研修の成果を共有する。
⑥全体研や教科研、若プロ模擬授業等による学び合い
・全生徒の意欲、可能性を引き出し、「主体的・対話的で深い学び」による授業改善に努める。
・全体研究授業や各教科の研究授業、整理会を通して、各自の授業改善及び共通実践を進める。
⑦明光小・広陽小・鶴来中・鶴来高校・金沢工大等との小中高大連携の推進
・学習規律の共通理解と指導の徹底で、発達段階に応じた学習習慣と生活習慣の定着を図る。
・学力調査等の結果や小中連携会議、授業参観を通して、教員が互いに学び合い、高め合う。
・質問教室や補充教室において学生ボランティアを活用し、基礎・基本の定着を図る。
(2)特色を生かした心の教育
①コミュニティースクールの推進に向けた学校運営協議会の設置
・地域、人材活用年間計画作成による教科等横断的な視点の捉えとPDCAサイクルを確立する。
・地域コーディネーターを活用した教育活動(花づくりや職場体験等)を実施する。
・花づくりを通した環境整備を行い、PTA役員・保護者・地域と連携する。
②ジオパーク学習「ジオ学」の推進
・地域の自然や文化に親しみ、郷土を愛する心や誇りをもたせ、人と人との絆を深める。
③教育相談(ステップ教室の運営)及び特別支援教育の充実
・生徒の多様なニーズへの対応や保護者理解に努める。
・別室加配教員や通級指導教室担当、医療機関、専門機関、派遣指導員等との連携を図る。
④道徳教育の推進
・特別の教科 道徳の授業を要として、学校教育全体を通した道徳教育の充実に努める。
・道徳教育の重点目標を設定し、道徳教育推進教師を中心とした心の教育の推進に努める。
⑤各種便りやtetoru(テトル)等による情報発信
・学校便りや学年便り等を活用して保護者や地域の方々に学校の様子を伝え連携を図る。
・緊急時の連絡や情報はtetoru(テトル)を活用して配信する。
(3)組織的な学校運営
① 管理職等打ち合わせの充実
・管理職と教務主任、副主任による部会を適宜、開催し、学校全体としての運営方針を確認する。
② 主任会議や学年会等の充実
・主任等に校長の運営方針を伝え、具体策の提案、情報共有を行い、取組の連携体制を整える。
・生徒指導及び研究の共通実践の進捗状況、検証及び成果・課題を共有し、取組の改善を図る。
・主任等の自覚を促し、分掌や学年におけるリーダーシップを求める。
・いじめや不登校問題に対し、未然防止につながる具体的取組の提案やいじめの適切な認知、迅速かつ丁寧で組織的な対応を行う。
③ 個人面談の充実
・教職員個々に教育目標実現に向けた具体的な目標を設定させ管理職と共有する。
・教職員個々の取組の成果を讃えると共に課題に気付かせ改善を促し、服務規律の徹底を図る。
④ 保護者会やPTA総会等の活用
・保護者懇談の機会を積極的に活用し生徒の成長を伝え、相互理解や信頼関係の構築に努める。
・PTA諸活動や役員会等を活用して、学校教育への理解を求めていく。
7.教職員の業務適正化に向けた具体的な取組
(1)教職員の働き方や業務改善の取組状況を個人面談や学校評価等で分析点検する。
(2)教職員の意識改革を促進するアンケート調査等の取組を実施し、時間外勤務の上限を、1ヶ月80時間未満、年間360時間以下を目指す。
・1ヶ月80時間を超える教職員へのアンケート調査を基に、管理職面談を実施し、意識を高める。
(3)主任会議の機能化により、会議や連絡の整理・統合を進める。
(4)週1回の定時退校日を設定する。
(5)最終退校時刻の目標を19:30とし、19:30以降に残る場合は、管理職に申し出る。
(6)8月11日から8月17日の7日間を学校閉庁日とする。
(7)スクールサポートスタッフを活用した業務の軽減
(8)採点ソフトの導入
(9)部活動指導における具体の取組
・「部活動の在り方に関する方針」の下、年間活動計画、月間活動計画及び活動実績を作成する。
・部活動指導員やコーチ等、外部人材を活用した指導方法を工夫する。
・休養日は原則として、週2日以上、平日1日と土曜日又は日曜日とする。朝練習は原則行わない。
・大会参加や大会前等で、やむを得ず休養日を土曜日、日曜日ともに設定できない場合は、事前の活動計画等により、校長の承認を得て、翌週の平日に代替の休養日を設ける。ただし土曜日、日曜日、祝日又は振替休日において年間52日以上の休養日を設定する。
(前述の代替の休養日はこれに含まない)
なお、中体連が主催又は共催する大会に出場した際に土曜日、日曜日の両日に活動した場合については、年間で設定すべき52日以上の日数から減ずることを認める。
・通常練習(練習試合等は含まない)における1日の活動時間は、平日は長くとも2時間程度、学校の休業日は長くとも3時間程度とする。
・夏休みなど長期休業中は、まとまった長期の休養期間(オフシーズン)を設ける。
・3年生にとって大会直前となる5月、6月、7月は、3年間の締めくくりとして充実した部活動ができるよう配慮する。
・熱中症や感染症への対応、生徒の怪我や健康管理等について研修し、実施内容や方法を工夫する。
8.若手教員早期育成プログラムによる具体的な取組
(1)若手研修コーディネーターを中心とし、実践的な研修や話合いの場の設定を行い、相談しやすい校内組織体制を整備する。
(2)既存の組織や日常的なOJTに取り組む。
(3)職員会議等を活用した研修【参加した研修の還元(資料の提供や回覧)】【ミニ研修】に取り組む。
9.GIGAスクール構想の取組
※生徒1人に1台のPCと、全国の学校に高速大容量の通信ネットワークを整備し、多様な子供達に最適化された創造性を育む教育を実現する構想
(1) 目的
① 時間・距離の制約なく良質な学びを提供する
② 個別に最適化された効果的な学びや支援をする
③ 学校における事務を効率化する
(2) 現状と課題
・ICTを活用しようとする教員は増加しているが、効果的な活用には至っていない。
・どのような場面で、どのように活用するのが効果的なのか、教科部会等で検証する必要がある。
・授業でのICTサポーターの活用や教員の力を最大限に引き出す校内研修(提案授業等)を実施す
る必要がある。
・個の見取りによる状況把握をし、双方向の授業を行う必要がある。
・相談室等の接続をスムーズに行う必要がある。
(3)R6年度末に目指す姿
【全ての生徒の可能性を引き出すための個別最適な学びと協働的な学びの実現】
・生徒一人一人の反応を丁寧に見取りながら、双方向の授業を展開し、きめ細かな指導をする。
・伝える場面では、生徒一人一人が独自の視点で情報を収集して整理、分析を行い、それらを即時に周りと共有して議論できるようにする。
(4)組織体制及び年間計画の作成
・GIGAスクール推進教師を中心とした研修計画を立案し、提案授業や実践報告を通して、効果的かつ効率的な活用について研究する。
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