学校研究

 

研究主題と副主題

 

    

  主体的に学び,相手意識をもって表現する子の育成

   ~児童に委ねる学び「~たい」のある授業の充実~

 1 主題・副題設定の理由

 令和6年度,研究主題及び副題を「主体的に学び,相手意識をもって表現する子の育成 ~協働的な学びの充実を通して~」に設定し研究を推進してきた。その成果として,どの教科でも単元を通した課題やゴールを設定すること,また児童も教師も「何のために学んでいるのか」という目的意識や「誰に表現するのか」という相手意識を常に確認することで,児童が最後まで粘り強く学び合いを進めることができた。また,年度の始めは教師が意図的に児童同士をつないだ「協働」を行っていたが,実践を積み重ねることで児童が自ら「友だちと話したい」と言うようになり,自然と協働的な学びを進めたり,「協働的な学び」とはどのようなものなのかを児童と共有したことで,授業でもスムーズに協働する場面が見られたりした。一方で課題として,以下の2点が挙げられた。

 1つは,教師の働きかけである。本校では,児童の実態を正確に見取ってすぐに指導や支援をすることができる。これは大きな利点であると同時に,教師が児童に必要以上に関わってしまうという弱点ともなっていた。そこで昨年度は,児童に学びを委ねる時間を設定し研究を推進してきた。しかし,児童に学びを委ねる場面,教師が児童に働きかける場が明確ではなく,単元のどこに設定するかをもっと考えていく必要性が明らかとなった。

 もう1つは,児童の思いを引き出す工夫である。「教師主導の授業からの脱却」と「子供を主語にした授業づくり」を念頭に置いて授業改善を進めてきた結果,児童の「○○したい」を引き出すことができた。しかし,児童の思いと各教科の資質・能力の育成を両立させるために,教師の手立てが不十分であることが明らかとなった。

 そこで,これら2つの課題を解決し本校でこれまで行ってきた取組をさらに焦点化しながら発展させていくために,今年度の研究主題を「主体的に学び,相手意識をもって表現する子の育成」,副題を「~児童に委ねる学び 『~たい』のある授業の充実~」と設定し,研究を進めていくこととする。学校経営計画に示した学校経営ビジョンに即して考えると,「主体的に学ぶ」がJ(自分から),「相手意識をもって」がM(みんな一緒に),「表現する」がS(最後まで)に位置付けることができる。

 

2 研究の重点

重点1 児童に学びを委ねるための単元導入および単元デザインの工夫

・単元の導入では,児童の単元のゴールの姿をイメージしながら各教科の資質・能力に沿った素材等を準備し,出合わ    せ方や見せ方などを工夫することで児童の「~たい」を引き出していく。

・児童の「~たい」という思いを単元の学習課題と結びつけ,単元をデザインしていく。その際,どの場面で児童に学びを委ねるのかを共有し単元を構成していく。

重点2 児童に学びを委ねるときの教師の手立ての工夫

・児童に委ねた学びを充実していくために,教師はどのようなはたらきかけをするのか,児童が協働的な学びを充実することができるようになるには,どんな教師のはたらきかけが必要なのかについて考えていく。

・児童の実態や付けたい力に合わせて,児童に学びを委ねることができるように,学びの環境設定(既習掲示,学びの場の確保 等)を工夫していく。

・自己の学びや変容が自覚できるようにするために,必要に応じて振り返りを行う。その際に,例えば,できるようになったこと,学んだこと,学び方のこと,次にがんばりたいこと,友達から学んだこと,などの視点を示して振り返るようにする。