<校長室から> 朝の挨拶 ~声を届ける~
出張など特別なことがない限りは、毎朝15分ほど生徒玄関に立って、登校してくる生徒たちと挨拶を交わすのを日課にしています。生徒指導課の先生方も、登校指導をしています。
私の挨拶3箇条は
1 笑顔で
2 発声は明るく
3 一人一人に声を届けるように
の3つ。1と2は、一日の始まりを気持ちのいいものにしたいと思えば自然とそうなりますが、3は少しだけ意識が必要です。
昔、演劇部の顧問をしていたときに、こんな基本練習がありました。みんなが後ろを向いてバラバラに立っているところに、一人が声をかける。全員に向かってではなく、その中の誰か一人の背中に声を当てるつもりで。そして「その声は自分に向けられたものだ」と感じた人が返事を返す…というものです。難しいようですが、声を出す方向と距離感が意識できていて、受け手も神経を研ぎ澄ませていれば、意外とうまく伝わるものです。要は、拡散する声ではなく、相手に届ける声を使いなさい、ということですね。
朝の挨拶の場合は、後ろを向いているわけではないですから、大勢がどっと集団になってやってこない限りはこの「声のベクトル」はちゃんと届くはずなのですが、これがなかなか難しい。私の声の届け方が不十分なのか、受け手がそれと意識していないからなのか。うまく届いて返事が返ってきたときには「やった!」という気分になります。
それよりなにより嬉しいのは、私や他の先生の姿を見るや、こちらが声をかける前に、少し離れたところからでも挨拶してくれる生徒が少なからずいること。また、野球部を中心に、必ず立ち止まって頭を下げて挨拶してくれる生徒がいるのは微笑ましくもあり、そんな挨拶が完全に身に付いていることに感心もしています。
それぞれのスタイルで、今日も気持ちのいい挨拶から一日を始められますように。