校長室から

<校長室から> 創立120周年記念式典に思う

 先週の7月13日(土)に、小松高校創立120周年記念式典が挙行されました。来賓の方々、在校生、同窓生合わせて約1500人が集った盛大な式典でした。無事終えることができたのも皆様のおかげ、これまで様々な準備を重ねてきてくださった同窓会実行委員会の皆様や本校の先生方、お世話になった関係の方々に心から感謝を申し上げたいと思います。

 式典で式辞を述べた際、緊張はしていたものの、時折壇上からフロアを見渡すことができました。在校生たち、かつて担任をしたり授業を受け持ったりした教え子たち、当時の同僚の先生方、そして私自身の恩師や先輩の方々、さらにさらに大先輩の方々…。何世代にもわたる、いくつもの見知った顔がありました。120年の歴史の中には、自分の高校時代も、一教員として勤めていたときの十数年も、今年校長として赴任してからの時間も、すべてが含まれている、そのことを実感した瞬間でした。感無量とはこのことを言うのでしょう。

 …と、ここまでは個人的な思い。校長としては、この節目を機に、生徒たちには本校の歴史と伝統の重みに思いを致し、自覚と誇りを持ってこれからの学校生活を送っていってほしいと願っています。式典で、生徒代表の水口君が述べた言葉にはその自覚が十分に伺えました。
 彼は「小松高校がこれからも小松高校であり続けるためには、諸先輩方が作り上げてきた伝統の本質を見極め、そこに内在する魂を受け継ぎつつも、伝統に頼り甘んじることなく、変わりゆく時代が求めるものに応え、進化していかねばならない」と述べてくれました。背中を押される思いです。
 「小松高校らしさとは何か」「小松高校はどうあるべきか」ということを真摯に問い続けていかねばならない、と強く感じます。校是である「自主自律」「文武両道」はこれからも本校の座標軸として堅持していきたいと考えますが、そこで思考停止してしまってはいけないと思います。本校に関わる一人一人がこの問いに向き合い問い続け、折に触れて互いの考えを持ち寄り、それを繰り返して思いを集積していくことが、小松高校120年の歴史と伝統を次世代につないでいく道なのだ、と改めて感じた記念式典でした。