校内研修計画
1 研究主題・副主題
相手意識のある学び合い ~自分の思いや考えを伝え合い深める子をめざして~
2 主題・副主題設定の理由
本校では,学校教育目標「社会とのつながりの中で学力そして豊かな心とからだを育てる」を受けて研究を進めている。相手意識のある学び合いを重視し,友達や学校全体,さらに地域や社会に向けて,自分なりの思いや考えを伝え合い深める子の育成をめざし,研究主題を「相手意識のある学び合い」,副主題を「自分の思いや考えを伝え合い深める子をめざして」とし,授業実践を積み重ねてきた。
昨年度は,石川県教育委員会から「いしかわ道徳教育推進事業」道徳教育推進校の指定を受け,道徳科を中心に研究を進めた。事前アンケート結果の提示など導入を工夫することで,道徳的価値についての問題意識が高まり,自分から学びに向かう児童が増えた。また,「心のものさし」で表した考えを,ICTを活用し共有することで,友達の考えを聞きたいと思う児童が増え,伝え合いが活発になった。その結果,多様な考えに触れ,新たな気づきを得ることが児童の学ぶ楽しさにつながったと考えられる。アンケート結果からも,「道徳の時間が好きだ」と回答した児童の割合が増加した。
その反面,道徳科の授業の流れの中で,児童の思考をより深めることができるような問い返しや切り返しに課題があった。児童の話し合いの中で,どの発言を取り上げるか,事前に考えた補助発問からどんな発問をするかに難しさがあった。また,授業構想シートを活用したことで,教材を読んで話し合い場面での発問を,ねらいをもって組み立てることは学校としてできるようになった。しかし,教材から離れ,自分を見つめるための手立てが足りず,教材を通しての考えたことが途切れてしまう場合もあり,児童が自分の生き方について考えを深めることが十分にできていない現状もあった。年度末に行った学校戦略会議のSWOT分析の結果としても,児童の主体的な学びや聞き合い深める部分が本校の児童の課題として挙げられていた。
これらの成果と課題を受けて昨年度の研究を引き継ぎつつ,今年度も道徳科を中心に据えて研究に取り組む。昨年度の「重点1考えをもつための手立て」については,成果が見られたので,今年度は「重点2伝え合い深めるための手立て」に絞り実践していく。学び方を工夫し主体的に取り組み,相手の考えを聞き,自分の考えに生かして学びを深める子を目指して研究を進める。また,道徳科の研究を通しての学びを他教科の実践に広げていく。
3 今年度の研究の重点
【重点】伝え合い深めるための手立て
▢ねらいに迫るための発問の工夫
子供のゴールの姿を具体的に想定した上で,その時間のねらいを達成するために必要な発問や問いかけ,思考を深める問い返しを行っていく。道徳科においては,ねらいにせまるための中心発問や深めの発問をよく吟味し,発問を精選することを大切にする。また子供がどのように答えるかを具体的に想定し,その場合の問い返しや切り返しの発問を事前に検討する。
▢子供主体の学習や交流の工夫
子供がめあてをもち学習方法を選択したり,交流の相手を自己決定したりすることで,子供主体の授業づくりを目指す。道徳科においても,子供が「聞いてみたい」という相手と伝え合う場を設定することで,多様な考えや価値観に触れ,自己の生き方についての考えを深めていけるようにする。児童同士の交流だけでなく,ゲストティチャーとの対話を通しても,児童の考えを深められるようにする。
▢まとめ,ふり返りの充実
まとめやふり返りの充実に向けて,タイムマネジメントが重要になる。時間をしっかり確保し,子供が自分でその時間の学びをまとめたり,ふり返ったりできるようにする。道徳科では,ふり返りの視点を校内で共有し,その視点をもとに子供が自分自身について考えることで,自己を見つめる時間を大切にしていきたい。