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食育講演会「古くて新しい調味料いしる」


12月16日(木)5限目に1年生140人は「いしる」について勉強しました。保護者の皆さんも一緒にお話を聞きました。
  講 師:石川県立大学 生物資源環境学部 食品科学科 榎本 俊樹 教授
       「古くて新しい調味料いしる」
 1年生は総合的な学習の時間に地域の伝統文化について調べました。夏祭り、三夜踊り、輪島塗りなどを調べました。また食文化についても調べました。輪島では、いしるという全国的にもめずらしい食べ物があります。いしるは魚介類に20%程の塩をまぶして、樽で3年ほど漬け込みます。魚の自己消化、好気性細菌の働きで発酵させたものです。どろどろに溶けた魚の上澄み液を漉したものです。弥生時代から伝わるとても古い調味料です。大豆からつくる味噌は室町時代にできました。その後大豆の醤油もできて、魚醤油は作られなくなりました。でも、輪島などの奥能登地方では、今でも作られています。その魚醤にはたくさんの旨み成分と血圧を下げる成分が含まれていることが、榎本先生方の研究でわかったそうです。
いしるは、さまざまな食材との相性がよいので、料理の隠し味として、とても便利に使えます。新しい使い方としてパスタやオムライスに使ってもおいしいそうです。
また、糠サバ、糠イワシ、糠漬けふぐの卵巣などについて教えてもらいました。発酵食品は旨みが増えて、PHが高くなり保存性が向上して、整腸作用、抗アレルギー作用が認められています。


 

 榎本先生からのメッセージ

「奥能登は伝統発酵食品の宝庫です。まずは食べて伝統食品を知ってください。特にいしるは魔法の調味料です。皆さんの若い発想で新たな利用法を考案し、いしるのすばらしさを日本全国、さらには世界に発信してほしいものです。奥能登には誇れる自然と文化、人の優しさがあります。いつまでも輪島が大好きで、輪島の食べ物が大好きであってほしいです。」
 生徒の感想
いしるは能登地方でイワシやイカで作られていることがわかった。それに、いしるの中にはグルタミン酸などの成分が含まれていて、だから奥深い味わいになっていることを知りました。
私からしたらいしるは普通の調味料だと思っていたけど他の地域の人からみたらいしるはすごい調味料だということに驚きました。これから能登のいしるが世界中の人に広まっていって、おいしさを知ってもらいたいです。  H・F
私はいしるのことをあまり知りませんでした。魚と塩を3年間も漬けて作るのだと知ってびっくりしました。さまざまな食材との相性も良いしアミノ酸もたくさんあって良い調味料だなと思いました。旨み、甘味、苦み、酸味成分も含まれていて、複雑で奥の深い美味しさのいしるで作った炊き込みごはんやリゾット、オムライスを食べてみたいと思いました。奥能登の伝統食品をどんどん知っていけばいいです。いしるの新たな利用法を考案し、いしるの素晴らしさを発信していくのは私たちなのだとわかりました。輪島ならではの食べ物が世界に広がっていけばいいなと思います。  N・M
保護者の感想
・いしる鍋、浅漬、などの簡単なものしか作った事がなかったのですが、パスタなどの現代風のおしゃれな食べ方があることがわかりました。体にもいいことも再確認できました。もっと身近な食べ物にしたいと思いました。
・いしるは家では出すことがなかったのですが、興味を持つ良い機会になりました。早速作ってみたいと思います。