日誌

継続は力なり!

 三寒四温の合間をぬい、春はもうそこまできています。
 3月5日は、『啓蟄(けいちつ)』でした。啓は「ひらく」、蟄は「土中で冬ごもりしている虫」の意味です。大地が暖まり冬眠していた虫が、春の訪れを感じ、穴から出てくる頃とされています。一雨ごとに気温が上がり、日差しも徐々に暖かくなってくる時季です。
 太平洋側では、早咲きの「河津桜」が暖冬の影響で昨年に比べ1週間ほど早くほぼ満開となったそうです。
 鳳至小学校の校庭の桜は、まだまだつぼみが堅いです。
 桜は春に花が散った後、夏から秋にかけて気温の高いうちに、生長すると花になる芽(花芽)をつくるそうです。その後、冬が始まると休眠し、生長は一旦止まります。さらに気温が下がり真冬になると、厳しい寒さが目覚ましとなり、そこから気温が上がるにつれて一気に生長していきます。そしてつぼみがふくらみ開花するのです。
 桜には、一定期間低温にさらされた後に暖かくならないと、花が咲かない性質があるわけです。つまり、暑い夏を越し、秋を経て厳しい寒さを経験しなければ開花しないのです。厳しさを経験し乗り越えたからこそ、美しい花を咲かせ、私たちに多くの感動を与えてくれるのです。 

 さて鳳至小学校の子どもたちを桜に例えるとどうでしょう?
 今年度は、子どもたちの苦手な部分に光を与えてきました。「宿題」と「作文力」です。
家庭学習の充実を図るために、自主学習ノート(バリ勉ノート)を宿題化しました。また、毎週100文字短作文に条件付きの作文を書いてきました。子どもたちにとっては、「光」ではなく「厳しさ」ですね。
 「宿題」に関しては、スタート時は、なかなか適応できなく各担任から厳しく指導を受けていた子どもたちがいましたが、諦めずに進めていったところ、一冊、二冊、三冊と自学ノートの提出者が増え、各学年とも昨年度の3倍の冊数となりました。また他の宿題提出率も上昇し、家庭学習時間が大幅に向上してきました。 
 「作文力」に関しては、毎週コツコツと取り組み、年間一人50枚以上にもなっています。「作文を書くのがいやだ。」「何を書いていいのか分からない。」など取り組みにマイナスの意識を持っていた子どもたちが、今では短時間で条件を上手く適応させながら短作文を仕上げられるようになってきました。輪島市の学力調査でも記述式の問題の無解答率が大幅に減ってきました。
 これらの厳しさを経験し、諦めずに頑張ってきたことで、「自信」という成長すると花になる芽がたくさん育ちつつあります。(桜では「花芽」)
 まだまだ子どもたちの「開花」にまで至っていませんが、私たち大人の温かい励ましと認め(春の暖かさ)が「本当の自分」(桜)という花をたくさん咲かせることにつながると信じています。
 「継続は力なり」という言葉がありますが、来年度も粘り強く諦めないで取り組んできた
いと思います。
 卒業式まで残り一週間となりました。また、今年度も残りわずかとなりました。進学・進級に向けて一人一人の子どもたちが、成長した自分を感じ取り、さらに自分を支えてくれた
多くの方々への感謝の気持ちを忘れないよう充実した日々にしていきたいと思っています。