山岳部

【山岳部】令和7年度 夏山大会~蝶ヶ岳・常念岳・大天井岳・槍ヶ岳~

 7月29日(火)~8月2日(土)にかけて、本年度夏山大会へ参加しました。

 4泊5日という長い登山でしたが、天気にも恵まれ、予定通りのコースを歩き切ることができました。

 また、他県の高校の山岳部や大学のワンゲル、山岳部の方々とも多くすれ違いました。特に愛知県のテント場が同じとなった高校山岳部の方々には、トランプにお誘いいただくなど楽しく交流させていただきました。ありがとうございました。

 今回のコースは、上高地バスターミナルを起点に周回するコースで、前半は左手に穂高連峰や槍ヶ岳を眺めつつ進み、大天井岳以降は、「表銀座」と呼ばれるコースを進む、徐々に槍ヶ岳に近づいていくことを実感できる見晴らしの良いものです。5つの山頂の内、2つが百名山です。詳細は、次の通りです。

 【1日目】上高地バスターミナル → 明神 → 徳澤(泊)

 【2日目】徳澤 → 長塀山 → 蝶ヶ岳(2677m)(泊)

 【3日目】蝶ヶ岳 → 常念岳(2857m) → 大天井岳(2922m) → 大天荘(泊)

 【4日目】大天荘 → 西岳 → 東鎌尾根 → 槍ヶ岳 → 殺生ヒュッテ(泊)

 【5日目】殺生ヒュッテ → 槍沢小屋 → 横尾 → 徳澤 → 上高地バスターミナル

 夏山大会は、本校山岳部の活動の中心となる大会と位置付けているもので、縦走スタイル登山の総合力が試される山行となります。テントや寝袋、調理道具などの装備や予定日数分の食料を自分自身の力で持ち運び、毎日ご飯を作り、テントの設営と撤収を繰り返して山から山へ移動し続けるスタイルの登山です。荷物も重くなりつらさもありますが、山に長くいることができる分、夕焼けや朝焼け、雲と稜線の組み合わせなど、その時にしか出会うことのできない景色を見ることができたり、長い距離を自分自身の力で移動してきたという達成感を深く味わうことができます。

 今回参加した2名の部員は、このようなことを深く感じることができたのではないかと思います。

 以下部員の感想です。

「今回の夏山では僕がとても行きたかった槍ヶ岳に4日目に行くことができました。この夏山で一番きつかった日は3日目でした。去年も3日目がきつかったので、結局3日目がとてもきついと思いました。特に常念岳後のテント場までの道が太陽が照り、暑く、つらかったです。4日目は槍ヶ岳に行けるということを考えながら辛くても頑張ることができました! 初めての槍ヶ岳は少し怖かったけど岩登りが好きな僕にとってはとても楽しく槍の山頂からの景色はとても良かったです。4泊5日はきつかったけどその分の景色をみることができて良かったです!」

「今回の夏山登山は私にとって、最も辛い登山経験だったと思います。まず、1日目の道のりでは2時間程度で終わり、足への負担もほとんどない楽な日でしたが、次の日から自身の限界を常に刺激してくるとても苦しい日々になってしまいました。2日目は蝶ヶ岳ヒュッテに行き、それは一般的には普通の登山道だったのかもしれませんが私にとっては体力を削ぎ、足を止めるような道でした。3日目はもう一人の山岳部部員も一番きついというほどの傾斜で常念岳の岩場は私に今までの人生を鑑みても限界に最も近づけたと言えるような瞬間でした。4日目は3日目よりは負担が軽いといえども結局、とても苦しい日でした。西岳の頂上への道で思った以上に息が上がり、先が不安になってしまいましたが言葉どうりなんだかんだヒュッテ大槍に到着し、そこからの短いはずの殺生ヒュッテの道はその時の私にとって、地平線を眺めるような気持ちにするものでした。殺生ヒュッテに着いてからメインザックからサブザックに変更して、ついに大目玉の槍ヶ岳に登るところにまで歩いてきました。一歩一歩の足取りは非常に遅く、岩に張り付いていないとすぐに落ちてしまうような恐怖感で、先を見るたびにより大きさを増す花火大会の花火のように、より強い感動が恐怖に入れ変わった気持ちに駆られました。それでも体力を大きく削がれることはなかったので考える余裕もあって無事に山頂まで登り、槍ヶ岳のみではなくそれまでの道のりを含めた達成感が現れ、喜びたかったのですが狭い幅の頂上の下に広がる岩の波によってそんな余裕は与えてくれませんでした。下山でも恐怖し、足が震え、一歩間違えれば死ぬのを実感しました。5日目は下山のみでもう終わったような気分でしたがそんなことはなく、なかなかに長い道で4日分の疲れもあって足も動かしたくないと思わせてきて、精神的に一番辛かったのは5日目だったのかもしれません。長い岩場を越えて、平らな道を一歩一歩歩くたびに心を折るような衝撃を与えて来て、もう止まりたかったけれども止まらず歩き続けようやくバスに乗れた時は長いたびを終えたような安堵感に包まれました。まとめとしては辛い時がいつも隣にある日々で心も足も折れそうでも挫けず進めた心の成長を感じる日々だったと思います。」

《今回のコース、地理院地図をベースに作成》

《1日目、梓川に沿って比較的平坦な道を進む》

《1日目、調理風景、この日はとり野菜みそ鍋+ご飯》

《2日目、徳澤から蝶ヶ岳への登り、急な傾斜の樹林帯を登る》

《2日目、蝶ヶ岳山頂にて、テント場は山頂直下、背後に槍ヶ岳が見える》

《3日目、蝶ヶ岳から大天井岳への稜線は、左手に穂高連峰や槍ヶ岳の絶景を眺めることができる》

《3日目、常念岳山頂、百名山の山頂の看板は立派!》

《3日目、常念岳から常念小屋の下り、北アルプスらしい岩の登山道》

《3日目、大天荘のテント場。槍ヶ岳方面の眺めや安曇野の町を見下ろすことができる》

《3日目、大天荘背後の大天井岳山頂へ、槍ヶ岳を背景に、翌日からは「表銀座」を歩く》

《4日目、西岳への稜線を歩く》

《4日目、西岳山頂へ寄り道、槍ヶ岳を背景に》

《4日目、西岳を過ぎると道は少し険しくなり、安全のためヘルメットを着用し歩く、稜線を下る梯子》

《4日目、殺生ヒュッテに到着後、軽い荷物に変えて槍ヶ岳へアタック、槍ヶ岳はかなり大きくなってきている》

《4日目、槍ヶ岳山頂、少し雲が多い》

《4日目、山頂下の梯子、高度感がある》

《4日目、テントからの槍ヶ岳山頂、雲に隠れたり現れたりを繰り返していた》

《5日目、徳澤まで下山し、名物のソフトクリームを食べる、美味!》