スクールカウンセラーのお部屋

ルーティンを活用してみませんか?

 ルーティンといえば、私はラグビーの試合で、五郎丸選手がフリーキックをする前に行っていた「ボールを縦に2回転させてからセットする」「右手を前に出しながらゴールポストを確認する」などの一連の動作を思い出します。決まった動作や日課をルーティンといいますが、そうなると無意識にしていることがあるかもしれませんね。ここで、ルーティンを取り上げたのは、意識してルーティンを行うことで、その効果を実感したいと切実に望むような場合が、人には、あるからです。私自身、この文章を書いていて思い出すのは、中学生の時、地区の陸上競技大会の選手に選ばれて、大会に出た時のエピソードです。大会前では、踏み切りに不安があり、合同の練習時間を終え、皆が帰ってからも残って何度も踏み切りの練習をし、なんとか踏み切りが合うようになりました。しかし、本番は踏み切りが合わず、それまでに跳べていた距離まで跳べなかった悔しい思いが残りました。メンタルトレーニングなど、思いもよらなかった頃です。

 ルーティンを利用すれば、勉強やスポーツのパフォーマンスを高めることができると言われています。具体的には、次のような効果が期待できるそうです。

①やる気にスイッチオン
これをすれば、やる気にスイッチが入るという決まった動作や行動はありませんか。例えば、「ココアを飲めば、勉強モードに入る」とかで、勉強がすんなりスタートしやすくなるといった具合です。

②気分の転換
「緊張をほぐしたい時は、深呼吸を3回する」とか「イライラした気分の時は、手を洗ってクールダウン」などとルーティンを決めておきます。そうすることで、気分の安定を図ります。

③集中力アップ
ルーティンを行うことで、精神を集中させ、パフォーマンスの質を高め、ミスを少なくする効果を期待します。

④努力の習慣化
ふだんの生活にルーティンを取り入れ、勉強や練習などの努力を習慣化します。例えば「入浴中は、その日に覚えた英単語を唱える」などの、さまざまなルーティンが考えられます。ルーティンを手帳などに記録しておき、毎日行うようにします。(藤森)

 

<参考文献>

『ダラダラ気分を一瞬で変える小さな習慣』大平信孝・大平朝子 著 サンクチュアリ 2016