校長室より
子どものこころとからだの成長を知る
10月22日(木)本校において就学時健康診断が行われました。約50名の子供たちがやや緊張しながらも、希望に満ちた笑顔で保護者と一緒に来校してくれました。保護者の皆様もお子さんと同様、期待と不安が入り交じった気持ちだったことと思います。
全体会での冒頭、「誰もが安心して過ごせる学校を目指し、お預かりしたお子様は職員一同力を合わせ、責任をもって育てて参ります。」と申し上げました。本当にこの言葉をしっかりと胸に刻み、来春入学してくる子供たちはもちろん、今いる子供たちも大切に育てていかねばならないと思っております。
全体会では、教務主任から「肝心かなめの1年生」の冊子を使って、保護者向けの講座も実施致しました。その説明では、子どもの接し方について私自身も再確認したことや忘れてはならないことがたくさんありましたので、保護者の皆様にも改めてその一部をご紹介いたします。
★小学校低学年
特徴
集団生活のルールを守って生活します。また、与えられた役割の責任を果たすことが自信につながります。3年生ぐらいになると、まわりの人と自分を比べたり、まわりの人から見られている自分に敏感になったりします。
アドバイス
しっかり目を見て、子どもの話を聴くことが大事。
先生や友達、親からほめられたり、認められたりすることが、子どもの自信につながります。よいところをどんどんほめてあげましょう。心配なことがあったら、遠慮せず担任の先生に相談しましょう。
★小学校高学年
特徴
「思春期」の入り口、あるいはすでに踏み出している時期。心とからだがアンバランスな時期で、成長の個人差も大きくなります。この時期は同性の仲間や友達を求めるようになります。友達との関わりを通して、自分の考えを確かめたり、他者の考えに気付いたりします。
アドバイス
「思春期」にさしかかるこの時期は友達との影響を大きく受けるときです。毎日の会話を通じて、子どもの友達関係を理解するように努めましょう。
【親子でチャレンジしてみよう!】
子どもには豊かな体験をたっぷりさせましょう。子どもの頃の体験は生きる力につながります。
〇交流体験 資源回収 お祭り 清掃活動 ラジオ体操など
〇自然体験 貝採りや魚釣り 花や野菜育て 森探検 星空眺め など
〇生活体験 食事のあとかたづけ お花の水やり 洗濯物の取り込み など
石川県教育委員会「肝心かなめの1年生」より
「感謝」「元気」「笑顔」「真剣」「本気」が溢れる演奏
「地域に愛されてみんなが笑顔になる金管2020」を合言葉に、休校明け、学校生活が軌道に乗り始めた頃から、本格的な練習が始まりました。今年の夏も暑く、しかも運動会の練習も重なり、ハードスケジュールの中での練習でした。しかしながら、誰一人として途中で投げ出す人もいない、しかも集中して取り組む姿勢は大変立派でした。
「伝統を受け継ぐ」、言葉で言えば簡単ですが、その言葉の裏側には目に見えない努力や高学年としての自覚、河井小児童としてのプライドがあるということを、子どもたちの金管練習に取り組む真剣な姿から学ぶことができました。伝統ある河井小の金管鼓隊が50年もの間受け継がれてきたのは、今の5・6年生のような努力できる子供たちがいたからだと思います。
50年以上続く河井小金管鼓隊にとって、マリンタウン競技場での発表会は、金管歴史の新たな1ページになったかもしれません。最初で最後の発表会になったかもしれません。いずれにしても、子どもたちにとっては、貴重で思い出深い体験になったことは間違いありません。声を合わせ、音を合わせ、動きを合わせ、そして心を合わせ、精一杯演奏しきった子どもたちの表情は、成就感や達成感でいっぱいで、とてもすがすがしい表情をしていました。
発表会前日、マリンタウンでのリハ―サルを終え、団結式を行いました。その中で、リーダーの多くが口にしたのが「感謝」「元気」「笑顔」「真剣」「本気」「感動」「合わせる」などといった言葉でした。それらは、まさに練習を通して育って欲しいと指導者が願う心でした。発表会では、そんな心を精一杯演奏に込めることができたと思っています。保護者や地域の皆様から頂いた大きな拍手は、本当に有難く心に響きました。
10月12日(月)朝のこと、郵便受けに一通のお手紙が入っていました。それは地域の方からの心温まるお手紙で、「河井小の演奏に涙が溢れ、心が洗われました。前を向いてまた笑顔で頑張ろうと思いました。」といった内容で、職員一同そして演奏した子どもたちも大変嬉しい気持ちになりました。お一人でもそう思ってくださる方がいらっしゃることが分かり、この発表会を開催した甲斐があったなと思っています。
最後になりましたが、開会式で鳳至小学校の山岸校長先生もおっしゃっていたように、無事発表会を開催できましたのは、感染予防対策をしっかりととって下さった市民の皆様のお陰と思っています。また、温かい声援を送って下さいました保護者や地域の皆様、本当にありがとうございました。皆様の大きな拍手や声援が励みとなり、子どもたちも最後まで頑張りきることができました。心より感謝申し上げます。今後も地域に愛され、地域に貢献できる子どもたちを育成して参りたいと思っておりますので、変わらぬご支援・ご協力をお願いいたします。
学校長 松山真由美
体験活動は学びの出発点
9月17日・18日の2日間、6年生は宿泊体験学習、1~5年生はバス遠足(9月18日)を無事実施することができました。1年生はプラネタリウム見学、家畜とのふれあい、2年生は乗船体験と貝細工、3年生は伝統的な製塩技法体験、4年生は総持寺での座禅体験、5年生は能登鉄道乗車体験、6年生は釣り体験や追跡ハイキングなどを行ってきました。どの活動も学校の授業だけではできない活動ばかりで、感動の連続だったようです。
中でも1年生はプラネタリムの星空が変わる度に「ワ~」「スゴイ!」の歓声をあげていたそうです。素直に感動し出てきた言葉だったのでしょう。このように子供たちは体験活動を通して、感動したり、驚いたりしながら「なぜ?」「どうして?」と考えを深め、実際の生活や社会、自然の在り方について学んでいきます。つまり、体験こそが学びの出発点であり、五感を通して学ぶ体験的な活動は、子どもたちの思考を活性化し、学ぶことの喜びや意欲を引き出すことにつながっていくのだと思います。「自然に触れる体験をしたあと、勉強に対してやる気が出る子どもが増える」という調査結果も報告されているそうです。
また、学校では体験活動の充実を図るために、下の写真にみられるような取組を行っています。
まず、活動前にみんなで「めあて」とそのめあてを達成するための具体的な「行動や心構え」について話し合います。
次にそれらを意識して全員で実践していきます。
最後に自己の振り返りを行います。自分を振り返ることで、実践できたことが増えれば自分の自信や意欲の向上となり、それがみんなでできたのならばさらに大きな自信となり、学級の団結力や協働性にもつながっていきます。
もちろん自己肯定感も高まります。また他者の振り返り(教師や保護者など)を加えることで、人の役に立てた自分にも気づき自己有用感を高めることにもつながっていくのです。以前、保護者の皆さんに書いていただいた「河井小パワーアップシート」も、子どもたちの自己肯定感や自己有用感を高めることを狙いとしたシートです。今後も体験活動や学校行事終了後には、シートの記入をお願いしたいと思います。子どもたちの頑張りを大いに褒めてあげてください。
最後になりましたが、悪天候にもかかわらず、バス遠足に快くお子様を送り出していただきました保護者の皆様には、お詫びと共に感謝の気持ちで一杯です。ご協力いただきまして、本当にありがとうございました。お陰様で子どもたちは心に残る貴重な体験ができました。
学校長 松山真由美
運動会を通して育ってきた心
今年度の運動会は、新型コロナウイルス感染防止のため、また熱中症予防対策として、規模を縮小し、午前中の半日開催と致しました。今年度のテーマは「278人ワンチーム!最後は笑顔でハッピーエンド!!~限られた時間を本気で挑もう~」です。子どもたちは夏休み明けから、各学年ごとに練習に取り組み(1年生はもっと早かったかも)、8月28日(水)からは全体練習に突入。毎時間暑さと闘いながら、汗だくになり練習する姿は、まさに限られた時間を本気で挑み、みんなでよりよいものを目指そうとする子どもたちの意欲の表れでした。練習を重ねるごとに力強い集団へと変わっていく様は、先生方のエネルギー源にもなっていきました。運動会の練習中は学校全体がエネルギッシュで活気を帯びており、子どもたちからも先生方からも「運動会を成功させるぞ」という強い意気込みを感じました。普段の授業だけでは生まれてこない力です。学校行事のすばらしさですね。
運動会終了後、1年生の女の子が一人泣いていました。泣いている訳を聞くと、「紅組が負けて悔しくて泣いている。」とのことでした。この子は1年生であっても「紅組が絶対勝つ、勝ちたい!」という強い気持ちがあったのでしょう。勝敗にこだわる気持ちがあったからこそ、全力で走り、踊り、応援合戦では大きな声を出し切り、紅組の勝利に貢献しようと頑張れたのだと思います。
運動会では、こんな「全力で頑張ろうとする力」、チームに少しでも貢献しようとする「連帯感」動きや声、心を揃えようとする「団結力」、与えられた仕事をやりきる「責任感」、さらに時間を有効に使うための「規律ある行動力」、気持ちを伝える「表現力」、やりきった後の「充実感」、お互いの健闘を「讃え合う気持ち」など、育つ心はたくさんあります。運動会という学校行事を通して、間違いなく本校の子どもたちにもそんな心が育ってきていると自信をもって言えます。このような力の育成が学校行事だけに終わることなく、今後の学校生活にも生かしていけるよう指導してまいります。
そして、5・6年生に関しては、競技をしながら運営にも関わってもらいました。運動会の成功のカギは高学年の働きにあったと言っても過言ではありません。運動会の運営を通して、高学年としての自覚がさらに高まり、強いリーダーシップを発揮してくれました。特に6年生に関しては、応援練習を通して、下級生をまとめ上げ、最高のパフォーマンスを演じてくれました。6年生の姿がまさに今の河井小の姿そのものです。後輩たちは、この6年生の姿を目標にして、今後も努力してくれると信じています。6年生ありがとう!今後この良き伝統・校風を引き継ぐのは5年生です!
最後になりましたが、保護者の皆様、ご家族の皆様、そして地域の皆様、最後まで子どもたちに温かい声援を送っていただきありがとうございました。皆様の声援が大きな励みとなり、子どもたちも最後まで頑張りきることができました。また、後片付けにもご協力いただき、大変助かりました。後片付けの際には、段取りの悪さがあり時間がかってしまったことをお詫び申しあげます。本当にありがとうございました。
学校長 松山真由美
2学期始業式の言葉
9日間というとても短い夏休みが終わり,今日から2学期が始まります。夏休み中は,家庭でもコロナ対策を取りながら,お家の人と楽しい時間を過ごすことができましたか。お家の人のお手伝いができましたか。中には不要不急の外出を避け,お家で応募作品に挑戦してくれた人もいました。短くても楽しい思い出ができたと思います。是非,始業式の後,各教室でお友達や先生にお話をしてください。
さて,今日から2学期です。まだまだ暑い日が続きますが,確実に季節は夏から秋に変わり,徐々に過ごしやすい日々になってきます。そこで,皆さん,考えてみてください。ここにはどんな言葉が入りますか。(〇〇の秋)そうですね。学問の秋,スポーツの秋,読書の秋,食欲の秋,芸術の秋など,いろいろな言葉がはいります。それだけ,秋は勉強をするにも,スポーツをするにも,おいしい物を食べて体を大きくするにも,また読書にふけるにも,一杯音楽を聴くにも,とにかく何をするにも最適な季節というわけです。
そこで,二つの秋について校長先生からお願いをします。
一つ目は「学問の秋,勉強の秋」です。2学期は1学期に積み上げてきた学習を土台にして,さらに「わかった。勉強って楽しい」と思えるように,先生やお友達の言うことをよく聴いて,自分の意見を広げたり深めたりしてください。1学期の終わりには校長先生も全員の自学ノートを点検しました。一人ひとりの頑張りがよく見えるノートになっていてビックリしました。2年生や6年生の中には,自学ノートが3冊目に突入する人もいて,かしこシティも賑やかになってきました。2学期はもっともっとかしこシティへの訪問者を増やしていきましょう。
二つ目は,「スポーツの秋」です。9月5日には運動会が行われます。もちろん中心は6年生で,それを引き継ぐためには5年生の力も必要となってきます。
校長先生は過去に3回河井小の運動会を見たことがありますが,ダイナミックな「よさこい」や元気いっぱいの応援合戦には,いつも感動していました。今年度はその運動会をフルに見れることを楽しみにしています。「6年生!持ち前のリーダーシップを発揮し,地域や保護者の皆さんに大きな感動を与えられる運動会となるよう,よろしくお願いします!」この他,スポチャレへの挑戦,スポーツフェスティバルなどわくわくするような行事が一杯あります。
日本中では,新型コロナウイルスの感染が拡大しています。1学期同様,自分達ができる対策を確実にとりながら,全員で元気に2学期を乗り切りましょう。
保護者の皆様へ
1学期は休校期間中,さらに学校再開後も,毎日の検温・健康観察票への記入,マスクの着用,手洗いや消毒への声かけ等にご協力をいただき,本当にありがとうございました。2学期も引き続き,コロナ対策をとって参りたいと思いますので,ご理解・ご支援の程お願いいたします。
学校が再開して2ヶ月が過ぎようとしています。
学校が再開して約2ヶ月が過ぎようとしています。学校では再開ガイドラインに沿って、新型コロナウイルス対策を進めています。また、子どもたちが楽しみにしていた水泳も始まりました。もちろん、水泳時もガイドラインに沿って細心の注意を払いながらの指導を行っています。毎朝の検温やマスク忘れも随分と減り(ゼロになることはありませんが)消毒を忘れる児童もほとんどいません。
このような制約の多い、場合によっては我慢を強いられる状況下でも、子どもたちは子どもたちなりに、この状況を受け入れ、どうすべきなのかを考えながら、日々明るく前向きに頑張ってくれています。先日、3年生が国語の勉強で校長室にインタビューに来ました。校長へのインタビューの後、私からも子どもたちにインタビューをしてみました。
校長:「学校は楽しいですか」
児童3人:「楽しいです。」
校長:「何が楽しいのですか」
児童3人:「お友達と一緒に勉強したり遊んだりすることです。」
こんな風に応えてくれる子どもたちの日々の活動から、私たち教職員も大きなエネルギーをもらっています。本当に有難いことで、子どもたちに感謝です。
さて、休校期間中の学習の遅れにつきましては、徐々に回復してきています。特に6年生の学習内容については、積み残しのないよう十分配慮しながら進めていきたいと思っています。教科書を単に消化するということのないよう、児童の理解度を把握し、必要ならば個別指導等も行いながら、学習内容の定着に努めてまいります。夏休み中はドリル等の「宿題はなし」としましたので、夏休みを迎えるまでの間、家庭学習をしっかりとするよう学校でも指導してまいりますので、ご家庭においてもお声かけをお願いします。
また、2学期にはいると、運動会や6年生宿泊体験学習、バス遠足、金管鼓隊発表などの行事が予定されております。行事を通して、学校では様々な仕掛けをしながら、子どもたちの心を育てていきたいと考えています。この後も、各種行事やPTA活動等で保護者の皆様にはいろいろとお世話になります。どうぞ、よろしくお願い致します。
学校長 松山真由美
朝読書の時間
本校では8時15分から25分までの10分間を朝読書の時間としています。全国の公立小学校の8割で実施されているという朝読書は「みんなで読む」「毎日読む」「好きな本でよい」「ひたすら読むだけ」の4原則に従い、自由に読書を楽しむ時間となっています。朝、脳が活動し始めるタイミングで読書を始めることにより集中力が向上し、落ち着いた状態で1限目に入ることができています。また、好きな本を読むことで読書習慣が身に付き、読書へのモチベーションが高まり読書体験が楽しいと思えるようになります。読書体験には、知らない世界を知る喜びと自分の気持ちを言語化した文章を読み、共感する喜びがあります。さらに読書は語彙力を豊かにし、思考力、読解力、表現力も養ってくれます。たった10分の積み重ねが子どもたちに大切な力を付けてくれるのですから、学校としては大切にしたい活動の一つと考えています。
学校長 松山真由美
子供には外遊びが大事です!
6月1日からは休み時間にも子どもたちの元気な声が戻ってきました。学校の遊具使用禁止も解け、子どもたちは自由に遊具を使って遊んでいます。学校では毎朝10時15分から、20分間の長休みタイムが始まります。児童玄関に行くと、1年生の女の子が「みんなで仲良く遊ぼう。」とお友達に話していました。私は心の中で「そうだ!そうだ!仲良く遊ぶんだよ。」と思いながら、1年生の女の子たちに「いっぱい遊んでおいで。」と声をかけてグランドに送り出しました。子供たちは外遊びが大好きです。
皆さんもご存じかと思いますが、外遊びには様々な効果があります。
一つ目は、体力がつきます
学校にはブランコ、ジャングルジム、のぼり棒、うんていなど、自然と体全体を使う遊具がたくさんあります。それらで毎日遊ぶことで、運動神経が高まり、体力がつきます。斜面を登ったり降りたりすることで体幹も鍛えられます。体幹が鍛えられることで、バランスの良い体つきになります。
二つ目はコミュニケーション力がつきます。
一緒に遊んでいる仲間の気持ちを察したり、失敗しても励ます気持ちが育まれます。また、子どもなのでトラブルも発生しますが、自分たちで話し合ってそのトラブルを解決しようとします。遊びの中で友達に迷惑をかけたと感じた時は素直に謝る、など友だちとのコミュニケーション力がつきます。
三つ目は発想力や調整力がつきます。
たくさんの友だちと遊ぼうとすると、どんな遊びをどんなルールですればみんなが楽しめるかを考え、話し合う必要性が生まれます。そうすると自然と子どもたちの中に話し合いが始まり、それぞれが自分のやりたい遊びを提案し、その遊びの良さをPRしながら、最終的には1つに決めていきます。もちろん自分のやりたくない遊びになるときもあります。しかし、友だちの考えと自分の考えとを調整して、自分を納得させるようになります。
このようなコミュニケーション力や体力アップ、発想力・調整力の育成は、まさに学校教育の中で意図的、計画的に取り組まれていることなのです。しかしながら、子どもたちは小学校入学前から、遊びの中からそのような大事なことを学んできています。学習はもちろん遊びを通しても、さらに生きていく上で大事な力を身に付けさせたいと考えています。今後も、家庭でも外遊びをするようお声かけをお願いします。
学校長 松山真由美
凡事徹底してます!
今は手洗い・消毒、検温、マスク着用、ソーシャルディスタンス・・・
分散登校が始まって2週間がたちました。
毎朝玄関では、子供たちは手指消毒、健康観察票の提出、マスク着用のチェック、この3点を凡事とし徹底しています。健康観察票提出の際は、ソーシャルディスタンスをキープし、提出時は挨拶に加え、自分の学年・組・氏名を合わせて言います。
分散登校が始まった当初は、低学年の中には、自分の下足箱の位置を忘れたり、学年やクラス名を間違えたり、と小さなハプニングが続きましたが、ようやくこれまでの学校生活スタイルに加え、新しい登校スタイルにも慣れたようで、大変スムーズにすることが出来るようになりました。
1メートル間隔の座席や授業中のマスク着用は当たり前です。遊んだ後の消毒や手洗いも忘れません。
コロナウイルスへの子どもなりの意識の高さが窺えます。1年教室と6年教室の間には動物もマスクをしたかわいいポスターを貼り、注意喚起をしています。
学校でもいつ終息するかわからない新型コロナウイルスとの闘いに試行錯誤しておりますが、感染予防のためにできることは確実にやって参りたいと思います。どうか、保護者の皆様も学校を助けてください。お願いいたします。
学校長 松山真由美
「子どもは子どもの中で育つ」
いよいよ分散登校が始まりました。分散登校初日から1年生の女の子が走って登校してくれました。「おはようございます。早いね。」と私が声をかけると、彼女は「はい」。「久しぶりにお友達に会えるからうれしいのかな?」と尋ねると「はい」とより一層大きな声で返事を返してくれました。
1ヶ月ぶりに子どもたちの元気のよい声が戻ってきました。やはり、子どもたちの声は学校に活気を与え、そして私たち職員に元気、やる気を与えてくれます。まるで魔法のような存在です。子どもっていいですね。
週末はだれもがステイホームを心掛けていたと思います。私は家の片づけに没頭しました。いらなくなった衣類や靴、書籍などを整理して断捨離です。そんな時、一冊の文集を発見。それは私が教えたバレー部員が作成した文集です。片づけそっちのけで、その文集に読みふけってしまいました。
20年程前のことを思い出したのです。平成11年のことです。当時の私は門前中女子バレー部の顧問をしていました。平成11年度の新入部員は9名。その中で一人ダウン症の生徒が入ってきました。名前は「さおり」。何かあっても責任をとれないと思った顧問の私は、一端入部を断ったにもかかわらず、どうしてもという両親の強い思いに押され、入部を許可しました。
予想どおり、体力のないさおりはみんなと同じ練習についていけるはずはありません。みんなが10周走っても、彼女は3周ほどしか走れません。「仕方ないな」と思っているのは顧問だけで、そんな時はチームのみんなが彼女が10周走り終わるまで一緒に走ってくれるのです。また、コートに固まって動かない時もよくありました。そんな時は、コートで固まってはいけない理由をきちんと彼女に伝え、それでも言うことを聞かない時は、引きずってでもコートから出し、再度コートは練習するところだと教えていました。サーブはほとんど入りません。そんな時もサーブを打つ位置を前にすることを教え、さおりに自信を持たせる工夫をしてくれました。
このようにさおりに対して厳しさの中にも思いやりのある行動を一人ひとりが率先してとってくれるようになり、いつのまにかさおりを中心としてチームがまとまり、3年生の県体予選前には、「点差をつけてさおりを試合に出場させること」がチームの目標となったのです。そして大会当日、23-16でリードをし、いよいよさおりがピンチサーバーとして出場する場面がやって来ました。30本打って1本入るか、入らないかのサーブがなんとネット手前で落ち、サーブポイントを決め24-16に。そして奇跡は二度起きました。次のサーブもネット近くで落ち、ボールはダイレクトに自分たちのコートへ。そのチャンスを逃さずダイレクトで打ち返し2点目が入りました。25-16で勝利したのです。ビデオを撮っていたお母さんは手が震えて撮影できなかったと後で教えてくれました。
輪島市の吉岡邦男前教育長がよく話されていた「子どもは子どもの中で育つ」の言葉が思い出され、その意味の深さを改めて思い出す機会となりました。
今、社会では「多様性」が求めれています。学校には、いろんな子ども達がいて、一人ひとり違った考えを持っています。授業では、自分とは違う意見も受け入れながら、自分の意見を広めたり深めたりする活動を取り入れています。こうすることで、自然と多様性を認め、それを受け入れる人間になれると考えます。他人の意見や思いを柔軟に受け止められる幅広い人間になってもらいたい、「みんな違ってみんないい」と、互いの良さを認め合える学校づくりに努力してまいります。今後ともご支援・ご協力をお願いいたします。
学校長 松山 真由美