校長先生のブログ

校長室より

学力向上の取組について

 新しい「学習指導要領」がスタートして1年3か月が過ぎました。新学習指導要領では、子どもたちの「生きる力」を育むためには、学校での学びを日常生活で活用したり、ご家庭での経験を学校生活に生かしたりすることが大切と言われています。本校でも、一つ一つの知識がつながり「わかった」「おもしろい」と思える授業づくりに、また、周りの人たちと共に考え、学び、新しい発見や豊かな発想が生まれるような授業づくりに努めています。
 6月24日(木)には、指導主事の先生方をお招きして、本校の授業改善の状況や学力向上の取組について見ていただきました。本校では、昨年度まで算数科を中心に授業について研究してきましたが、学力調査等で、話の中心に気を付けて聴き、質問したり感想を述べたりすることや読解力に課題があることがはっきりしてきましたので、今年度からは国語科に変更して研究を進めています。今回は河井小の授業スタイルや授業以外での学力向上の取組を紹介します。
  まずは河井小授業スタイルについてです。主に次の3つの取組を共通実践しています。

 ①ま・ナビボード    ・・・自分の考えをもつための視点や方法等を示します。
                   これにより、児童は自分の考えをもてるようになります。
 ②アタックポイント・・・授業の中で中心となる活動です。
                        これにより、学習が深まり、児童は目指すゴールの姿に迫ります。
 ③今日の言葉          ・・・ 授業の中で覚えて使って欲しい言葉を示します。
                   これにより、児童は覚えて欲しい言葉を使って自分の考えを表現
                             できるようになります。また、語彙も豊富になります。                                              

 

 次に授業以外での取組を紹介します。 

  ①条件作文・・・全校同じテーマで、字数80字から100字で条件に合わせて書きます。 
                     これにより目的や条件に応じて書く力がつきます。
  ②新聞要約トレーニング・・・新聞記事を要約します。
   (4~6年生)         これにより文章を速く正確に読めるよ
                      うになります。
  ③対話力トレーニング・・・全校が同じテーマで他学年と交流します。  
                     これにより対話力が身に付きます。
  ④詩の暗唱・・・毎月各学年1編ずつ詩を暗唱します。
                これにより正しい日本語を覚え、語彙力を広げます。
  ⑤読書活動の推進
   ・月2回以上の図書室利用         ・全校朝読書の実施     ・学級文庫の活用
   ・図書ボランティアとの連携      ・家族読書ウイーク  ・読書冊数調査
   ・新聞コーナーの設置                 ・いしかわ学校読書の日における取組
   ・各学年「おすすめの本」の取組 ・読書感想文の取組  ・読書感想画の取組
 

 このような活動により、文字を読むことの抵抗が減り、読書が好きになる児童が増えます。 授業参観にお越しの際は、掲示された条件作文等をご覧になってください。
 これらの取組が確実に学力向上につながるよう、やりっぱなしとならないように、趣旨や目的を確認しながら実践していきたいと考えております。どうぞ、ご理解・ご協力の程よろしくお願いいたします。                                   

                                      学校長 松山 真由美

GIGAスクール構想本格的にスタート

 令和3年1月26日中央教育審議会から「令和の日本型学校教育」の姿が発表されました。その中で何度も目にするのが、「個別最適な学び」「協働的な学び」という言葉です。
 「個別最適な学び」とは、要は「個に応じた指導」ということです。私たち教師は、これまで以上に子どもの成長やつまずき、悩みなどの理解に努め、個々の興味・関心・意欲等を踏まえてきめ細かく指導・支援することや、子どもが自らの学習の状況を把握し、主体的に学習を調整することができるよう促していくことが求められるようになります。
 また、「協働的な学び」とは、探究的な学習や体験活動等を通じ、子ども同士で、あるいは多様な他者と協働しながら、よりよい学びを生み出していこうというものです。
 このような個別最適な学びと協働的な学びを実現し、教育の質の向上を図るとともに、新たな感染症や災害の発生等の緊急時にあっても全ての子どもたちの学びを保障するため、「GIGAスクール構想」(Global and Innovation Gateway of All)がスタートしたというわけです。これからの教育にはICTは必要不可欠ということです。
 本校においても、昨年度末「1人1台端末」chromebookが導入され、Wifiの整備も完了しています。GIGA校内研修推進リーダーの重政先生を中心に、推進チームを結成し、昨年度よりこれまで4回の校内研修を実施してきました。①GIGAスクール構想について ②端末の基本操作について③授業等で活用できるアプリケーションの活用について、などです。

  

 1学期の目標は、とにかく児童も先生も「使ってみる、慣れる」です。
具体的には

 ①帯タイムを使って児童がchromebookに触れる機会を増やします。
 ②低学年は「カメラ」及び「画像編集」、中学年は低学年の内容に加え「キーボード打ち」、      高学年は低・中の内容に加え、「クラスルーム等でプレゼン」、「文章編集」、「アンケート      調査」等の機能を体験し、使い方に慣れるようにします。
1学期の終わりには、互いのchromebookを活用した実践事例を交流していきたいと考えています。働き方改革と言われる中、先生方は時間を絞り出して、一生懸命頑張ってくれています。研修においでた講師の方からも「河井小の先生方は大変熱心ですね。」というお言葉をいただきました。校長の私の目から見ても、研修に向かう姿勢は大変すばらしいと思います。
 chromebookを活用した授業についてはまだまだ手探り状態ですが、教師も児童も共に学びながらchromebookを活用していきたいと思います。その際、chromebookを活用すること自体が目的化しないように、また、健康面を含め、chromebookが児童に与える影響にも留意しながら、積極的に活用していきたいと思います。
 
                                   学校長 松山真由美 

目指すは「地域から愛される学校づくり」

 4月13日の全校集会で、私から子どもたちには、昨年度に引き続き今年度もみんなで力を合わせ、「地域から愛される学校をつくりましょう」と話しました。
 地域の方々から愛されるためには、まずは学校内のみんなから愛される人間になる必要があります。みんなから愛されるためには、みんなのために働ける人になって欲しいと願っています。
 具体的には、自分ができること、自分がやらなければならないこと、つまり、係活動や委員会活動、毎日の清掃活動などにしっかり取り組むということです。あたり前のことですが、これを毎日しっかりとやり続けることは中々難しいことですし、それができる子どもは多くの友だちや先生から信頼されることになります。この信頼感が良好な人間関係を生むと思っています。全校児童283名がそんな信頼関係でつながることができれば、どんなに素敵な学校になることでしょう。考えるだけで、ワクワクします。校内貢献活動が愛校心を生み、やがては地域にも貢献したいと思える人間になるはずです。学校では、自分の役割を果たす児童全員を褒めの対象とし、全校でできた喜びを感じさせ、自己肯定感や自己有用感を高めていきます。
 入学式が終わって3週間が経ちました。その間、子どもたちの校内貢献活動は進んでいます。朝、玄関前のお花に水をあげてくれる子どもたちや無言清掃に一生懸命に取り組んでくれる子どもたち、新型コロナウイルスに感染しないように毎日放送をかけてくれる子どもたち、1年生のために給食準備をしてくれる6年生などなど、そんな素敵な子どもたちに支えられて学校は成り立っています。もっともっとそんな子供たちを増やしていきたいです。

 最後になりましたが、4月23日金曜日に行われましたPTA総会では、たくさんの保護者の皆様にご出席いただき、改めて保護者の皆様のご期待に沿えるよう、職員一同力を合わせて頑張っていかねばならないと感じました。今後も引き続き本校へのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

                                        学校長 松山真由美

令和3年度 河井小学校がスタートしました!

 温かい春の風が河井小学校に吹いてきました。チューリップも咲き始め、52名の新入生の入学をお祝いしてくれています。少し落ち着いていた新型コロナウイルスが再び猛威を振るい始め、県内でもステージ2「感染拡大注報」が出されました。そんな中、今年度も基本的な感染防止対策を取り、入学式を無事挙行することができました。新入生の明るい笑顔と元気な挨拶に私たち職員も大きなエネルギーをもらいました。前日は6年生が新入生のために一生懸命入学式の準備をしてくれました。6年生ありがとう。あらためて河井小学校の顔となった新6年生の凛々しくなった姿に感心しました。これから行われる学校行事が成功するかどうかは6年生にかかっています。先生や仲間と仲良く協力しながら、河井小学校を力強くリードしていってもらいたいと強く願います。この1年、児童が主体的・協働的に学習や学校行事に取り組み、自ら課題を解決できる力を身に付けると共に、校内貢献活動を通して愛校心を育て、みんなが「河井小学校が大好き」と言えるような学校、地域から愛される学校づくりを目指して、全教職員が一丸となって精一杯努めて参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

【教育目標】
  心豊かにたくましく生きる子の育成

【めざす児童像】
  〇明るくたくましい子  〇よく考えやりとげる子  〇協力し進んでやる子

【教育方針】
  地域から愛される学校づくり~みんなで育てよう!~

【重点目標】
①学力の向上
・自ら課題を発見し、主体的・協働的に課題を解決する力を育成します。
・端末(chromebook)を活用した新たな授業づくりを通して学習意欲の向上を図ります。
・英語検定にチャレンジさせ英語学習への興味関心を高めます。
・家庭と連携を図りながら家庭学習習慣を身につけさせます。

②豊かな心の育成
・朝読書を工夫し、読書の質的向上を図ります。
・挨拶、服装、下足そろえ、時間厳守、約束を守るなど凡事徹底を図ります。
・異学年交流や縦割り班活動を通して思いやりと協力する態度を育てます。
・活動の振り返りと見える化により自己有用感を高めます。(キャリアパスポート活用)
・伝統芸能の継承や金管鼓隊のパレード参加、米作り等、外部とつながる教育活動を積極的に進めます。
・校内貢献活動を推進し、愛校心を育てます。

③健やかな体と危機管理意識の向上
・児童会と連携しながら、いじめを許さない風土づくりをします。
・水泳や陸上など各種大会に教職員一同精一杯支援し、一生懸命に取り組ませます。
・「早寝・早起き・朝ごはん」を基本とした規則正しい生活習慣づくりをします。
・家庭と連携しながら、ゲーム及びメディア依存症の予防に努めます。
・防災教育と各種訓練を定期的に行い、子どもたちの危機管理意識を高めます。

 最後に、283名の児童一人一人の大切な命を預かっているという意識を忘れず、「命を守る」ことを基盤に、常に子どもに寄り添った指導を通して信頼関係を構築して参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

                                        学校長 松山真由美

令和2年度 第66回卒業証書授与式

 今日、晴れて卒業式を迎えた6年生の皆さん、おめでとうございます。

 卒業の年に、新型コロナウイルスの大流行の中で学校生活を送ることになり、6年生にとっては生涯忘れられない一年となったことでしょう。

 それでも学ぶことはたくさんありました。皆さんは、学校のリーダーとして、下級生を支え、コロナが生み出した様々な困難を乗り越えてくれました。コロナ対策ではお互いを気遣い、毎朝の検温、マスクの着用、手洗い・消毒を頑張って続けてくれました。保健委員会を中心に密を避けた行動や換気の呼びかけ、学級当番は授業後「三密を避けた行動をとりましょう」の声掛けを卒業まで続けてくれました。正にめざす児童像「よく考え、やりとげる子」を実践してくれました。

 4月16日から始まった休校。休校中は出かけることもできず、友だちとも自由に会えず、辛い日々が続いたのではないでしょうか。5月18日から始まった分散登校で友達と再会できた時の皆さんの顔はとても嬉しそうでした。あの時の気持ちを忘れないでください。そして学校で大好きな友達と一緒に勉強することのすばらしさや家族とともに健康な毎日を送れることにも感謝してほしいと思います。

 コロナ禍での1年を振り返ってみて、校長の私が最も心に残ったのは、やはりマリンタウン陸上競技場で行われた金管鼓隊発表会です。市民まつりが中止となり、なんとかして子どもたちの発表の場がもてないかと考え、輪島市教育委員会に相談しアドバイスをいただき、鳳至小学校の校長先生と相談し、無事実施することができました。ただ、実施できただけでなく、それが皆さんの頑張りで大成功のうちに終わることができたことです。これまで一度もやったことのない場所での発表は、限られた2日間の練習とリハーサル、時間制限もある中で、互いに声掛けあって心を合わせて集中して演奏しきってくれました。その心の強さには驚くばかりでした。地域の皆様や保護者の皆様にも喜んでいただき、「地域から愛される学校づくり」の一歩を踏み出せたかなと思いました。6年生ありがとう。伝統を守ろうとする6年生の姿勢は、5年生をはじめとする下級生に確かに受け継がれていくはずです。

 すばらしい足跡を残してくれた6年生の皆さんに、私からひとつの詩を贈ります。

これは宮沢章二さんの「行為の意味」という詩です。

 

  あなたの心はどんな形ですかと人に聞かれても答えようがない

  自分にも 他人にも心は見えないけれど ほんとうに見えないのであろうか

  確かに心は誰にも見えないけれど心づかいは見えるのだ

  それは人に対する積極的な行為だから

  同じように胸の中の思いは見えないけれど 思いやりは見えるのだ

  それは人に対する積極的な行為なのだから

  あたたかい心が あたたかい行為になり やさしい思いが やさしい行為になるとき

  心も思いも 初めて美しく生きる それは人が人として生きることだ
 

   終わりになりましたが、保護者の皆様、地域の皆様には、令和2年度の本校の教育活動にご理解とあたたかいご支援をいただきましたことに、心より御礼申し上げます。河井小学校の子どもたちの健全な成長のため、職員一同誠心誠意努力して参りますので、今後ともご支援ご指導をよろしくお願い申し上げます。      

                                        学校長 松山 真由美