令和2年度 第66回卒業証書授与式
今日、晴れて卒業式を迎えた6年生の皆さん、おめでとうございます。
卒業の年に、新型コロナウイルスの大流行の中で学校生活を送ることになり、6年生にとっては生涯忘れられない一年となったことでしょう。
それでも学ぶことはたくさんありました。皆さんは、学校のリーダーとして、下級生を支え、コロナが生み出した様々な困難を乗り越えてくれました。コロナ対策ではお互いを気遣い、毎朝の検温、マスクの着用、手洗い・消毒を頑張って続けてくれました。保健委員会を中心に密を避けた行動や換気の呼びかけ、学級当番は授業後「三密を避けた行動をとりましょう」の声掛けを卒業まで続けてくれました。正にめざす児童像「よく考え、やりとげる子」を実践してくれました。
4月16日から始まった休校。休校中は出かけることもできず、友だちとも自由に会えず、辛い日々が続いたのではないでしょうか。5月18日から始まった分散登校で友達と再会できた時の皆さんの顔はとても嬉しそうでした。あの時の気持ちを忘れないでください。そして学校で大好きな友達と一緒に勉強することのすばらしさや家族とともに健康な毎日を送れることにも感謝してほしいと思います。
コロナ禍での1年を振り返ってみて、校長の私が最も心に残ったのは、やはりマリンタウン陸上競技場で行われた金管鼓隊発表会です。市民まつりが中止となり、なんとかして子どもたちの発表の場がもてないかと考え、輪島市教育委員会に相談しアドバイスをいただき、鳳至小学校の校長先生と相談し、無事実施することができました。ただ、実施できただけでなく、それが皆さんの頑張りで大成功のうちに終わることができたことです。これまで一度もやったことのない場所での発表は、限られた2日間の練習とリハーサル、時間制限もある中で、互いに声掛けあって心を合わせて集中して演奏しきってくれました。その心の強さには驚くばかりでした。地域の皆様や保護者の皆様にも喜んでいただき、「地域から愛される学校づくり」の一歩を踏み出せたかなと思いました。6年生ありがとう。伝統を守ろうとする6年生の姿勢は、5年生をはじめとする下級生に確かに受け継がれていくはずです。
すばらしい足跡を残してくれた6年生の皆さんに、私からひとつの詩を贈ります。
これは宮沢章二さんの「行為の意味」という詩です。
あなたの心はどんな形ですかと人に聞かれても答えようがない
自分にも 他人にも心は見えないけれど ほんとうに見えないのであろうか
確かに心は誰にも見えないけれど心づかいは見えるのだ
それは人に対する積極的な行為だから
同じように胸の中の思いは見えないけれど 思いやりは見えるのだ
それは人に対する積極的な行為なのだから
あたたかい心が あたたかい行為になり やさしい思いが やさしい行為になるとき
心も思いも 初めて美しく生きる それは人が人として生きることだ
終わりになりましたが、保護者の皆様、地域の皆様には、令和2年度の本校の教育活動にご理解とあたたかいご支援をいただきましたことに、心より御礼申し上げます。河井小学校の子どもたちの健全な成長のため、職員一同誠心誠意努力して参りますので、今後ともご支援ご指導をよろしくお願い申し上げます。
学校長 松山 真由美