校長先生のブログ

校長室より

成長を実感する秋

 学校だより10月号で、「運動会で学んだことを自分の次の成長に生かしてくれたらと思います」とお伝えしました。授業の中で児童の成長を実感する場面がありましたので、紹介します。

 

 5年海組の算数の授業の様子です。2÷3を分数で表すという問題で、答えが3分の2という児童と3分の1になるという児童が議論を交わしていました。お互いに図を使って説明をします。「6つに分けた2つだから3分の1になると思います。」「1÷3の答えが3分の1になるのに2÷3が同じなのはおかしいと思います。」説明を聞きながら納得ができない点をそのままにせずに、話し合いながら考えを深めていきます。学級全体で主体的に学んでいる姿にとても感心しました。少しだけ授業を見に入ったのですが、30分以上教室を離れられずに、その様子を見入ってしまいました。この姿は毎月来校して授業について助言して下さる髙田学力向上プログラムサポーターもご覧になり、私と同様に子どもたちの主体的な議論に感心されていました。

 成長しているのは、高学年だけではありません。10月20日に1年海組の音読発表会に招待されました。教室に入った瞬間に皆さんのやる気が伝わってきます。音読が始まります。みんなが大きく口を開けて、お腹からの大きな声です。大きな声で読むには、良い姿勢が大切ですが、きっと国語の時間によい姿勢で読むことを積み重ねた成果でしょう。ナレーター、学校の子どもたちと先生、くじらぐもにそれぞれになりきって表現してくれました。思わず物語の世界に引き込まれました。4月当初と比べて、とても成長したと思いました。私は次のような感想を述べました。期待してきたけれど、その期待を超えた発表だと伝えると全員が即座に大喜びしていました。しっかりと聞いてくれた証拠です。全力で表現したからこそ、主体的に聞こうという態度になったのでしょう。

 

 学校では、上記の二つの例の様に主体的に学ぶ場面をできるだけ引き出していきたいと思っています。そのためには、先生のしっかりと話を聞いて基礎的な知識や技能を身に付けることが大切です。身に付けた知識や技能を基にして、思考したり、表現したりできるようにしていきたいと考えています。11月1日、2日には学校公開があります。児童の学習の様子をぜひご覧になっていただければと思います。

 

 先日、本校児童が出場している野球の試合を見る機会がありました。バッターボックスの児童が相手チームのキャッチャーのマスクを拾って渡す場面がありました。後で話を聴くと自分の判断で行っているとのことでした。「自分からよいと思うことを進んで行うこと」は今年度学校で大切にしていることです。それは学校だけでなく家庭や地域でも育まれていることを実感しました。今後も児童の成長のために家庭、地域と連携をよろしくお願いします。

一人一人が成長するための「運動会」 そして充実の秋へ

2学期が始まっても暑い日が続き、運動場、ピロティ、体育館の熱中症指数を測定しながらの運動会までの13日間でした。体調管理を優先して、練習を十分積み重ねることができませんでした。しかし児童は「正々堂々 真剣勝負 最後まで全力をつくそう!」のスローガン通りの真剣な表情で全力をつくす爽やかな姿を見せてくれました。

6年生の運動会の振り返りを紹介します。

 

55人で作った運動会 6年女児

 9月16日に私たち6年生のラストの運動会がありました。今年のスローガンは「正々堂々 真剣勝負 最後まで全力をつくそう!」この目標を達成できるように練習でも全力をつくしてきました。応援練習では細かい振付や手拍子などをたくさん練習して、本番では差をつけることができました。「よさこい」は紅組、白組関係なく、協力して最高の表現ダンスが完成しました。振り付けが変わったりしたけど、まちがえずに全力を出して、踊り切れてよかったです。つな引きは白組が全勝しました。とってもうれしかったです。かけ声は紅組の声が聞こえないほど大きな声を出せました。優勝したのは、私の組の白組でしたが、紅組もかなり強かったです。応援合戦の時もとても声が大きかったし、綱引きでは少し気を抜いたら引っ張られるところでした。もちろん自分の中では、スローガンは達成できたし、最高の思い出も作ることができたのでよかったです。今の5年生には今年の運動会よりも、もっとすごい運動会をつくってほしいと思います。

 

 練習から全力を出して本番に臨み、勝利したという喜びが書かれています。大きな学びとなったことでしょう。また同じように臨み、残念ながら敗戦という経験も大きな学びとなります。真剣に取り組むからこそ、本気で悔しい気持ちになります。そのくやしさを受け止め、自分の次の成長に生かしてくれたらと思います。運動会は一人一人の児童の成長のために行われます。全ての児童にとっても成長する機会となってほしいと願っています。

 

 さて4月から校長室よりとして、「返事、あいさつ、目を合わせて聴く」にチーム河井として取り組んでまいりました。運動会を節目として、今後は「整理整頓、背筋を伸ばす」に取り組むように働きかけていきます。整理整頓は夏季休業中から児童に伝えてきました。自分のものを自分で管理する、まずは玄関の靴箱に自分の靴を入れるところから取り組んでいます。背筋を伸ばすとは授業中の姿勢に気をつけようということです。悪い姿勢によって血流が滞ることで、脳へ酸素が十分に行き届かなくなり、脳の活動低下につながります。常に良い姿勢が理想ですが、授業の中で教師から整えるよう働きかけていきます。お家でも、学習用具の整理整頓、食事中の姿勢など児童にお話しいただきますようお願いします。今後とも本校児童のため、ご理解とご支援のほどよろしくお願いいたします。

運動会でもチーム河井で№1をめざしベストをつくそう

今年の夏は猛暑を通り越して酷暑でした。熱中症警戒アラートが連日発令されてプール開放は予定の10日のうち1日だけの開放となりました。楽しみにしていた児童には申し訳なかったと思いますが、健康被害を防ぐために止むを得ずこのような対応となりました。新学期も暑い日は続きそうな予報なので、児童の健康面に留意し、工夫しながら学習を進めて行きたいと考えています。

さて、今年度も、この暑い中での開催が議論を呼んだ夏の全国高校野球のことを書きます。昨年度も学校だよりでお伝えしたように、私は高校野球テレビ観戦が趣味です。今年の決勝戦は神奈川代表の慶應義塾高校と宮城県代表の仙台育成高校の対戦となりました。リアルタイムでテレビは見られなかったのですが、動画等では107年ぶりの全国制覇をした慶應義塾高校の応援が大きな話題になっています。慶應義塾高校の応援が大きすぎて、昨年度の優勝校仙台育英高校のプレーに影響を与えたのではないかという意見です。インターネットの中ではそのような意見が多数見られますが、仙台育英高校の須江監督は応援の影響を否定しています。そして相手の慶応義塾高校の監督が優勝インタビューを受けている最中に須江航監督は何度も祝福の拍手を送っていました。そのフェアプレーの精神を称える声が相次いでいます。またその後のインタビューで須江航監督は「慶応義塾高校は勝者にふさわしいなと思いました」と話し、その上で「試合後、選手たちは、ぼろぼろ泣いていましたが『負けたときに人間の価値が出るから、どこで負けても全力で拍手を送ってほしい』と前に話したことを守って、相手に向かって一生懸命拍手していました。常に「グッドルーザー」であれと伝えてきましたので、その姿は自分の誇りです」と選手をたたえました。

グッドルーザーとは直訳すると良き敗者のことですが、意味を調べてみると「負けた時に、他人や環境のせいせず悔しい気持ちをこらえる。 相手のことを考え勝った相手を心からたたえる。 力不足を潔く認め敗因を分析し、勝利に向けて再び全力で努力する。」とありました。まさに本校の合言葉「チーム河井で№1をめざしベストをつくそう」の姿だと思いました。

9月16日(土)に運動会があります。昨年度は、河井っ子の皆さんの最後まで走りきる姿に感動をしました。今年は勝利をめざし全力を尽くし、勝負が決した後は、相手に拍手を送る、このような姿が見られるように、チーム河井で子どもたちをサポートしながら運動会を創っていきたいと思います。地域や保護者の皆様もベストをつくす河井っ子たちへの応援をよろしくお願いいたします。

 

不安や悩みがあったら話してみよう

8月28日に、保護者の皆さんに以下のメールを送信しました。

30日から2学期が始まります。長い夏休み明けで、何か心配な事や不安なことがあれば、担任の先生はもちろん、相談しやすい河井小学校の他の先生や、スクールカウンセラーの先生に相談してほしいと考えています。始業式で児童にも伝えますが、保護者の方からも話していただきますようお願いいたします。

また文科省からの保護者への資料も添付いたしますのでお読みください。

文面の通り、その職員でも構いません。また文部科学大臣からの児童向けメッセージをGoogleクラススームで配付したことをお伝えします。

                                                                                                                                                     六田茂行

聞いた言葉で心がつくられる 話した言葉で未来がつくられる

 早いもので4月7日から始まった1学期も今日が71日目、最後の日となりました。明日からみんなが楽しみにしている夏休みのスタートです。

 さて6月のことですが、6年生が、国語の時間に各委員会で課題を解決するための提案書を作成しました。代表委員会のみなさんは、学校の課題とその原因を校長に取材に来ました。私は、課題は喧嘩などのトラブルがたくさんあること、原因は、TV番組や動画などの影響で正しい言葉を使ったコミュニケーションができていないことと答えました。代表委員会のみなさんは、メモを取りながらしっかり聞いてくれました。そしてこの難しい課題に対して、具体的な提案書を作成してくれました。ありがとうございます。

 夏休みに入る直前の今改めて「言葉」の大切さについて伝えたいと思います。令和4年度学校だより№2で少しお伝えしましたが、人気テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士の1人としてもおなじみである北原照久さんの「元気になる魔法の言葉」から次の言葉を紹介します。

 
食べたもので体がつくられる

聞いた言葉で心がつくられる

話した言葉で未来がつくられる

 
 私たちの体をつくるのは食事からの栄養です。同じように私たちの心をつくるのは周りの人の言葉だという意味です。失敗したときに「がんばれ」「応援しているよ」「大丈夫だよ」と声をかけられると元気になります。言葉は心の栄養になります。私たちは小さいときから、家族や友達、先生からたくさんの言葉で話しかけられてきました。その言葉が心を作り、育ててきたのです。反対に自分の言葉が相手の心をつくっている、そんな思いで言葉を大切に使ってほしいのです。また私たちは言葉を使って考えます。考えた結果として行動します。プラスの言葉を使って考えるとプラスの行動になり、マイナスの言葉を使って考えるとマイナスの行動となります。プラスの言葉を使うようにし、もしマイナスの言葉を言ってしまったらすぐにプラスの言葉に言いかえるようにしたいものです。この言葉は、行動がよくなることでよい未来につながると教えてくれています。

 これから長い夏休みに入りますが、保護者の皆様には、ぜひ子どもたちと会話する時間をとっていただきたいと思います。きっと家族の方々からの言葉が児童の心の栄養となりさらに成長し、プラスの言葉を児童が話すことで、2学期からの行動のよい変化につながることでしょう。お忙しい中ですが、家族の会話についてぜひご理解とご協力をお願いしたいと思います。

 

                      ~お願い~

*児童の新型コロナの感染が判明した場合には休日や学校閉庁日であっても学校へ連絡をお願いします。理由は、児童の感染状況については、流行期の措置について判断する上で、学校や市教育委員会が把握しておく必要があるからです。

22-0836 にかけると学校長に転送されます。ケガや入院、事故等の報告も同様です。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

かけがえのない 111 人のメンバーとの 206 日間 ~河井小学校金管鼓隊 2023~

 河井小学校金管鼓隊 2023 は 6 月 3 日の輪島市民まつりで、昨年の10月からスタートした 206 日間の活動を終えました。残念ながら体調などの理由で、当日は参加できなかった人もいます。しかしそのことが、一人一人が長い間つらいことや嫌なことを乗り越えてきたかけがえないメンバーであることに気付かせてくれました。河井小学校金管鼓隊の伝統にプライドをもち、活動をやりとげた 111人を心から誇りに思います。感動をありがとうございました。

 金管鼓隊の活動が、児童にとって大きな学びであったことがふりかえりの文章からも分かります。当日の心の動きをきめ細かくふりかえったり、発足してからの練習の日々をふりかえったりと、それぞれの成長の軌跡を綴ってくれています。その中で 6 年生のふりかえりを 2 点紹介します。

 

6 年 55 人ラストの金管鼓隊 6 年男児

 5・6年生は土曜日にパレードなどありました。自分は金管がとても楽しかったです。初めの時、トランペットが難しく音が出ませんでした。だけど去年やっていた人にコツを教えてもらい、マウスピースを使って家で練習し、音が出るようになり、ドレミファソラシドも吹けるようになりました。そして校歌と新曲ルパン 3 世、この二つを覚えて、吹くの繰り返しをしました。そして迎えた 6 月 3 日当日。服装全部ばっちり、トランペット1のみんなで写真を取り、出発式、パレード、ドリルでの演奏、解散式、全部やり、とても疲れました。先生方、地域の方々の声援、親の方々などのおかげで、去年より長いパレードができ、疲れてもがんばれました。一生に一度しかできない小学校での金管は当たり前ではないこと、輪島に住んでいたからできたことをありがたく、とてもうれしいと思っています。5・6 年合わせて 111 人でのスローガン「心を一つに河井史上最高の金管を創り輪島市に新しい風を吹かせよう」は達成できたと思っています。自分にとって今年の金管は本当にかけがえのない思い出になるものになりました。

 

6 年生最後の金管鼓隊 6 年男児

 ぼくはこの金管鼓隊を通して、スローガンは達成できていないと思います。ですが一部だけ達成できたと思います。それは新しい風を吹かせようです。なぜなら全員で協力し合い一番多い人数で最大限に金管の演奏ができ、一番注目を浴びていたからです。しかし、まだスローガンの結果は変えられると思っています。なぜなら次の 5・6年生にこの素晴らしい演奏を受け継がせることができるからです。これを実現させるために楽器の手入れを行っ

ていきたいです。そこから見えないところまできれいにし、この楽器を使ってみたいな、どんな楽器なんだろう、など小さなところから注目を浴びてどの楽器も胸をはってじまんできるようにしていきたいです。本当にできるかはわかりませんが、一歩前に前進できるようにがんばりたいです。それに裏で私たちを手助けや応援してくれた先生方、ぼくたちに石川県1という夢を与えてくれてありがとうございます。金管以外でも全力を尽くして頑張りたいです。

 

 目標に向かい全員で長い間取り組んでいく中で、「感謝の気持ち」や「引き継ぐ伝統」といった目には見えない大切なことを実感して学んでいきます。この学びを今後の学校生活で活かしてくれることでしょう。長い間、児童を励まし続け支えてくださった保護者の皆様、温かく見守り応援してくださった地域の方々に感謝申し上げます。今後ともよろしくお願いします。