校長先生のブログ

校長室より

プール掃除

 6月10日に河井小学校プールの掃除しました。例年は最上級生の6年生だけで実施しますが、今年度は時間の制約があるので、ボランティアの方々にも手伝っていただきました。プール掃除が終わり、水を入れ始めた時です。ボランティアの方々から拍手が起きました。県外の方々が、輪島の子どもたちのことを思う気持ちに胸が熱くなりました。

 1月1日の地震後、自然に対しての人の無力さを知りました。でも人の心を勇気づけることができるのも人だと実感しました。今回のボランティアの方々の拍手は、6月3日の地震で気持ちが暗くなっていた自分自身の心を勇気づけてくれました。ぜひこの気持ちを職員、子どもたちにも伝えていきます。そして今後も日々「挑戦」していきます。

 

ノーチャイム

 輪島中学校での学習はノーチャイムです。その理由は中学校は50分授業、小学校は45分授業でそろえることができないからです。チャイムがならなくても、時計を見たり、みんなが教室に戻る様子を見たりして、教室に戻っています。なかには「もう時間やよ」と友だちに声をかける児童もいます。その姿を見て本当に感心させられます。ノーチャイムで動く力は、この環境に応じて児童自らが身に付けました。今の学校生活により、意図していなくとも身に付いている力は他にもきっとあると思います。そんな成長を児童と共に実感しながら学校生活を送りたいと考えています。

 

全員アウェーの中での挑戦!

 輪島中学校での学びがスタートして一ヶ月半が立とうとしています。輪島中学校の校長先生をはじめ、職員の皆様には朝の時間にも登校指導していただくなど大変お世話になっております。

そんな中ですが、今までの学校がホームだとすると、今年度は、児童はもちろんのこと職員も全員がアウェーの状態です。アウェーの中で今できる最善を尽くそうと挑戦中です。

 4月からの短い時間ですが、石川県内外からたくさんの方々が授業の様子を見ていかれました。皆さん口をそろえて子どもたちも先生もこんなに落ち着いて学習していることが素晴らしいと褒めていただいています。勇気づけようとするリップサービスの面もあろうかと思います。しかし全力で挑戦中の私たちにとって何よりの言葉です。その言葉を職員と共有しながら、今後もベストをつくしていきます。

「ふるさとを愛し 心豊かにたくましく生きる子の育成」をめざして

 1月1日に発生した令和6年度能登半島地震の影響により、様々な面で困難な状況で4月を迎えることになりました。学校も地震による影響で令和6年度1学期は輪島中学校で6つの小学校が集まり学習することとなりました。輪島中学校校舎の3階を輪島中生徒が、1,2階を小学校が使用します。

今年度の異動により、河井小と大屋小の2校、鳳至小と鵠巣小、河原田小、三井小の4校の教員がそれぞれ兼務となりました。そのため3月27日の「令和6年度 市内小学校の使用する校舎について」でお知らせしたように児童の学級編成は次のようになります。

1組(河井小 大屋小)2組(鳳至小 鵠巣小 河原田小 三井小)3組(河井小 大屋小)

現在1年生と3年生以外は1組と3組が同じ教室で授業を行います。小学校だけで特別支援学級を含め16学級を使用しますので、教室数の関係でこのような対応になることをご理解願います。

 

 令和6年度輪島地区6小学校の教育目標等は以下の通りとしました。

1 教育目標「ふるさとを愛し 心豊かにたくましく生きる子の育成」

2 教育理念「挑戦 感動 笑顔」

3 めざす学校像 一人一人が挑戦し、やり遂げることで笑顔や感動があふれる学校

学校だよりのタイトルは令和6年度の教育理念の「挑戦 感動 笑顔」としました。今年度の学校生活で常に意識していく児童と教職員の合言葉です。今現在、だれもが依然として困難な生活状況の中で、合同6小学校で学ぶこと、それ自体が「挑戦」です。そしてみんなでいっしょに合同6小学校を創り上げることで「感動」「笑顔」につながることでしょう。

一人一人が将来の夢など大きな目標に挑戦することは素晴らしいことです。どんどんチャレンジしてほしいと思います。それに加えて、早起きする、明日の準備をする、けんかを我慢したなど今まで自分ができなかったことに挑戦することも大切です。個人や学級で自己ベスト更新ができるように教職員でサポートしていきたいと考えています。

 

今後の予定等について未定のことが多いのが現状です。保護者の皆様にはご不便、ご心配をおかけすることと思いますが、現在の状況をご理解いただきご支援とご協力くださいますようよろしくお願いいたします。

 

                                校長 山岸多鶴子 角間久美子 六田茂行

本田圭佑さんから送られた言葉「つらい経験は将来人を強くする」

1月1日に発生した令和6年度能登半島地震から今日で82日目となります。とても長く過酷な毎日でした。児童たちは心に大きな傷を負いながらも、輪島高校、転出先の学校や避難所などそれぞれの場所で本日修了式を迎えることとなりました。一人一人が、慣れない環境の中で本当に頑張ってきた82日間です。

地震によって、自然の力の前では人は無力であることを思い知りました。しかし河井小でのオンラインの交流や輪島高校で直接友達とのふれあいの中で少しずつ笑顔が増えていく姿を見て、傷ついた人の心を癒してくれるのも人であると痛感しました。そして「おはようございます」で始まり。「さようなら」で終わる何気ない毎日がとても尊いことだと実感させられた82日間でありました。

3月15日に輪島消防署で卒業式が行われました。全員で集まることが当日まで一度もない、そんな状況で迎える式でした。卒業生たちは不安な気持ちで式を迎えることにならないか心配しましたが、チーム河井のリーダーたちは№1の卒業式を創り上げてくれました。

 全員に卒業証書をしっかりと受け取ろうとする態度が見られました。その姿から練習は大切ですが、それよりも気持ちが大切だということを改めて思いました。またみんなで歌う「あとひとつ」は、決して歌いやすい歌ではありませんが、かけがえのない仲間と歌う最後の歌かもしれない、そんな気持ちが伝わってくるような歌声でした。みなさんの態度から8千人以上の卒業生を送りだした伝統ある河井小卒業生としてのプライドを感じました。

私たちは離れていても伝統ある校舎で共に学び、伝統のある校歌を共に歌った令和5年度「チーム河井」のメンバーです。卒業生のようにプライドをもって、それぞれの場所で今できることにベストをつくしていきましょう。

3月21日に元日本代表サッカー選手の本田圭佑さんが輪島高校にサプライズで来校し「地震を経験した人でないとわからないことがあります。自分には想像がつかないくらいみなさんはつらいと思います。でもつらい思いをした人は必ず強くなれます。みなさんが強くなると信じています。」そんな話をしてくださいました。今のこの日々が、将来、人の痛みが分かる、誰かを助けることができるそんな強さをもった人に成長できるきっかけとなる、そんな目標を与えてくれる言葉でした。みんなでこの言葉を実現したいと心から思いました。

 

 保護者の皆様には令和5年度の学校へのご理解とご支援にお礼を申し上げます。またこのような中でも学校や職員へ温かい励ましの言葉をかけてくださり職員一同本当に感謝をしております。令和6年度は見通しを明確に示すことができない中ですが、今後もご理解とご協力をよろしくお願いいたします。