校長先生のブログ

理科の学びが将来に生きる

                                   理科の学びが将来に生きる
                                   ~課題を見つけ、問い続け、解決していく力~
                                                                                        10月28日(金)

 

  すがすがしい秋晴れの10月14日(金)に第53回石川県理科教育研究大会 輪島・鳳珠・珠洲大会が河井小学校をはじめ、輪島中学校、輪島高校を会場に開催されました。生活科や理科の授業を200名を超える参加者の中で公開しました。

 
   
    自ら課題を発見し、主体的・協働的に課題を解決する力の育成をめざしていくために、大会の副題を「主体的・協働的に科学を学ぶ力を育む理科教育」として取り組んできました。そのために、たくさんの準備をしてきました。子どもたちの学び、先生の学習指導、学校の学習環境整備など、小中高の基幹校としてふさわしい様子を参観して頂けたと思います。河井小学校にとって【見られる】ということはとてもいい機会でした。乗り越えられない壁はありません。ピンチが成長のチャンスです。
 
  講演会は、常葉大学大学院 初等教育高度実践研究科 教授 田代直幸 氏による『理科教育と日常生活~理科教育におけるアクティブラーニング~』という内容で、理科教育が将来の人材育成につながると感銘をうけました。


・知識は与えられて覚えるものだけでなく、知識を自らつくっていくという体験をさせることが大切で、「知の作り手」となる能力を育ててほしい。
・スポーツは科学戦。(戦術のデータ収集と分析、個の応じたトレーニング、栄養・健康管理)
・美容師の資格取得、農家や料理家の成功例にも理科が関係している。
・科学技術が日常生活や社会を豊かにしていること、理科で学習する科学的な見方や考え方が職業に生きることに触れること。(学習指導要領)

  

    理科学習と将来へのつながりがあるのではと感じたことがあります。私は、昭和57年、津幡町の太白台小学校に赴任しました。理科の研究校でした。「課題→予想→実験方法→実験結果→分かったこと→まとめ」という学習展開、単元の課題づくりのために、炎をじっと見て、調べてみたいこと、疑問に思うことを書き、それを集めて授業を進めていました。班の話し合いとOHPを使った発表、レポート用紙によるノート整理と単元で印象に残った場面を絵にした表紙づくりなどを行っていました。そして、一昨年、28年ぶりに津幡町の萩野台小学校へ校長としてのスタートを切りました。その子たちは、もう40才くらいです。どうしているかなと尋ねてみると「外科医」「霞ヶ関の官僚」「議員」として活躍していることも耳にしました。理科の学びや育てた資質は、確かに社会を支え、豊かにしているんだなと思いました。

 

    理科室での実験授業、理科コーナーの充実、学年花壇の栽培などの体験からた学びを通し「知恵」を獲得しています。この知恵が、答えのない問いに問い続ける力、解決に向けて変革する力となっていくものと考えています。知恵は「言葉で表せないもの」ですが、県出品の科学作品や読書感想文、書道、ポスターなどいろいろな所での活躍が光っています。

 

   しかし、地域やPTA代表の方の学校関係者評価委員会で「やる子はやるけれど、やらない子はどうやってやらせるのですか」が話題になりました。やらない子をへの手立て【ゼロベースへの挑戦】が今後の課題です。
 子どもたちの成長を願い、教職員一同、全力を挙げて取り組みますので、今後もご理解ご協力をよろしくお願いします。