校長先生のブログ

本田圭佑さんから送られた言葉「つらい経験は将来人を強くする」

1月1日に発生した令和6年度能登半島地震から今日で82日目となります。とても長く過酷な毎日でした。児童たちは心に大きな傷を負いながらも、輪島高校、転出先の学校や避難所などそれぞれの場所で本日修了式を迎えることとなりました。一人一人が、慣れない環境の中で本当に頑張ってきた82日間です。

地震によって、自然の力の前では人は無力であることを思い知りました。しかし河井小でのオンラインの交流や輪島高校で直接友達とのふれあいの中で少しずつ笑顔が増えていく姿を見て、傷ついた人の心を癒してくれるのも人であると痛感しました。そして「おはようございます」で始まり。「さようなら」で終わる何気ない毎日がとても尊いことだと実感させられた82日間でありました。

3月15日に輪島消防署で卒業式が行われました。全員で集まることが当日まで一度もない、そんな状況で迎える式でした。卒業生たちは不安な気持ちで式を迎えることにならないか心配しましたが、チーム河井のリーダーたちは№1の卒業式を創り上げてくれました。

 全員に卒業証書をしっかりと受け取ろうとする態度が見られました。その姿から練習は大切ですが、それよりも気持ちが大切だということを改めて思いました。またみんなで歌う「あとひとつ」は、決して歌いやすい歌ではありませんが、かけがえのない仲間と歌う最後の歌かもしれない、そんな気持ちが伝わってくるような歌声でした。みなさんの態度から8千人以上の卒業生を送りだした伝統ある河井小卒業生としてのプライドを感じました。

私たちは離れていても伝統ある校舎で共に学び、伝統のある校歌を共に歌った令和5年度「チーム河井」のメンバーです。卒業生のようにプライドをもって、それぞれの場所で今できることにベストをつくしていきましょう。

3月21日に元日本代表サッカー選手の本田圭佑さんが輪島高校にサプライズで来校し「地震を経験した人でないとわからないことがあります。自分には想像がつかないくらいみなさんはつらいと思います。でもつらい思いをした人は必ず強くなれます。みなさんが強くなると信じています。」そんな話をしてくださいました。今のこの日々が、将来、人の痛みが分かる、誰かを助けることができるそんな強さをもった人に成長できるきっかけとなる、そんな目標を与えてくれる言葉でした。みんなでこの言葉を実現したいと心から思いました。

 

 保護者の皆様には令和5年度の学校へのご理解とご支援にお礼を申し上げます。またこのような中でも学校や職員へ温かい励ましの言葉をかけてくださり職員一同本当に感謝をしております。令和6年度は見通しを明確に示すことができない中ですが、今後もご理解とご協力をよろしくお願いいたします。