校長室から

2019年5月の記事一覧

<校長室から> 連休最後の日

 今日は連休最後の日。小松高校では、3年生は模擬試験、1・2年生は土曜ゼミ(「土曜」と言いながら、今週は月曜日にスライドしています)があるので、生徒たちは普段と変わらない様子で登校してきました。連休モードから通常モードへの切り替えはまずまずといった感じです。
 1年生は、入学当初のいかにも新入生と言った面持ちはどこへやら、今は学校になじんできて、上級生と見分けがつかなくなってきました。よくよく観察するとどことなく初々しさがにじむものの、もうすっかり松高生です。
 生徒玄関でいつものように声かけをしていると、野球部の生徒が2人駆け寄ってきて「この前は、試合の応援ありがとうございました」と一言。感謝の気持ちを衒いなく表してくれました。それだけで心が温かくなりますね。今週も元気よく過ごせそうです。
 
      
<記念館前のつつじ。記念館は改修中> <東門近くのはなみずき>   

<校長室から> 新しい時代に 

 今日から「令和」の時代が始まります。

 昨日の新聞やテレビは「平成を振り返る」特集であふれていました。政治や経済、文化・スポーツなど様々な切り口がある中で、やはり触れずにはいられないのが、この30年間に起こった災害の多さです。地震、噴火、台風、豪雨災害…中でも8年前の東日本大震災の被害のすさまじさは、原発事故の悲惨さも含めて脳裏に焼き付いています。
 相次ぐ災害は、多くの人の命を奪い、暮らしを激変させました。しかしその一方で新たに生まれ、根付いていったものもあります。助け合いの精神、ボランティア精神です。阪神・淡路大震災のあった平成7年は「ボランティア元年」とも呼ばれました。今や、災害が起きると当たり前のように全国からボランティアが集まって、自分のできることを行う姿が見られます。
 誰かを助けたい、支えたいという気持ち。これは災害時に限ったことではなく、人には本来そういう気持ちが備わっていることに、私たちはどこかで気が付いたのだと思います。自分の願望を満たすだけでなく、何かに貢献することに価値を見出し、それを気負わずに表現できる世の中になってきました。現在、ソーシャルビジネスやクラウドファンディングが盛んになっているのも、そうした価値観の表れではないかと思います。

 もう一つ平成を振り返って思うのは、多様性が時代のキーワードになってきたということです。性別や年齢、国籍をはじめ、生まれ育った環境や置かれている状況、価値観など一人一人が抱えている背景の多様さに目を向け、違いに寛容であることが求められています。


 「貢献」も「寛容」も、他者への想像力を働かせる、そのしなやかさという点で共通しているように思います。「令和」の時代像が形作られていくのはこれからですが、次代を担う生徒たちには「しなやかでありながら、どこに一本芯を通していくか」ということを考えてもらいたいと思っています。